『ジョジョの奇妙な冒険』第５部のあらすじ解説【黄金の風】

荒木飛呂彦の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第5部のあらすじを解説します。主人公は第3部で空条承太郎に倒されたディオと日本人女性の間に生まれたジョルノ・ジョバーナ【日本語名：汐華初流乃(しおばなはるの)】というイタリア人の高校生で、物語はイタリアを舞台にして描かれます。

第５部はスタンドが登場する第３部・第４部・第6部とディオを通じて関わっていますが、ジョジョの奇妙な冒険の看板である空条承太郎も冒頭で少し登場するだけで、ほぼ独立したストーリー構成になっています。原作のタイトルは『第5部　ジョルノ・ジョバーナ』、副題が『黄金体験』でしたがアニメでは『黄金の風』に変えられています。

ただし視聴して感じた印象としては、原作の再現度は比較的高いです。

『ジョジョの奇妙な冒険第５部』の根底に流れるテーマは人間の運命

第５部では子供に憧れたギャングスターを夢見る主人公のジョルノ・ジョバーナがギャングに入団し、次第に周囲の信頼を勝ち取り力をつけていく姿が描かれますが、根底に流れるテーマは『運命』です。

これは最後まで見ないと分からないことですが物語の最後にエピローグ『眠れる奴隷』が用意されており、第５部の戦いが始まる前のブチャラティーチームの様子が描かれます。

ある日、ブチャラティーは殺された娘の仇を討って欲しいという地元住民の男の話を聞きますが、自分たちは殺し屋ではないと言って断ります。しかし男は娘は決して自殺などするはずがなく、付き合っていた彫刻家の男の仕業に違いないと主張し、ブチャラティーはとりあえず彫刻家を調べてみることにします。

調査はミスタが担当することになりすぐに彫刻家の元へ向かいますが、ミスタは出発前に『凶』という不吉な文字が刻まれた石を目撃します。

直接彫刻家に会って事実確認の尋問をするミスタでしたが彫刻家は事実を認めようとしません。その時、傍にさっきみた『凶』の文字が刻まれた石が再び現れ、ミスタは彫刻家を問い質します。

彫刻家によると『凶』の石はローリング・ストーンという名の男の能力で、死が近いものの傍に現れて石に触れることで苦痛を感じることなく楽に死ぬことが出来ると説明します。そして死んだ恋人は重病を患っており助からないことを悟って石を抱いて自殺したのだと説明します。

彫刻家の突拍子もない話を信じることができないミスタは男を殴り倒しますが、石はどうやらミスタの元へ現れたのではなく、ブチャラティーの元へ向かっていることが分ります。ブチャラティーはすでに建物の下まで来ていたのです。

石の能力を知ったミスタは是が非でもブチャラティーが石に触れないよう石の動きを阻止しますが、石も想像を超えた動きでブチャラティーに近づこうとします。

最終的にミスタは建物の上から石を抱きかかえたまま落下して石を破壊しますが、それを見ていた彫刻家の男は「運命を変えることはできない」と悲観します。

しかし、ミスタがやったように運命に抗うことで、結果は同じでも違う未来を切り開く可能性があるかもしれないと淡い期待を抱きます。

無事を祈ってはやれないが

彼らが『眠れる奴隷』であることを祈ろう・・・・・

目醒めることで・・・

何か意味のあることを切り開いて行く『眠れる奴隷』であることを・・・・・

引用元：荒木飛呂彦　ジョジョの奇妙な冒険第5部

石がブチャラティーのもとへ現れた時点でブチャラティーの運命はすでに確定してましたが、運命に抗うことで未来を変えようとする人間の姿を描いているところが第５部の最大の魅力だと言えます。

ジョジョの奇妙な冒険第５部のあらすじはネアポリスの学生ジョルノ・ジョバーナがボスを倒してギャングスターになることですが、作品の根底には上述したとおり石によって事前に予言されていた『死』という名の『運命』に抗うことで新たな未来を切り開いていくブチャラティーの生き様が根底に流れているのです。

ジョジョの奇妙な冒険第５部の登場人物

ジョジョの奇妙な冒険第５部の登場人物は比較的多いです。物語そのものは第４部ほど長くはありませんが、個性的なキャラクターばかりです。

なにしろ舞台タリアなので、登場するキャラクターは皆ファッションセンス抜群なのが見物です。この作品がきっかけとなり、後に『ジョジョの奇妙な冒険』とアパレルブランドのコラボが実現したほどです。

ブチャラティーチーム

ジョルノ・ジョバーナ

声優：小野賢章

• スタンド：ゴールドエクスペリエンス
• 能力：物質に生命を与えることができる。

ジョジョの奇妙な冒険第５部の主人公であり第３部で死んだディオ・ブランド―の実の息子。ディオは生前、世界中に自分の子供を残しており、ジョルノ・ジョバーナもそのひとりに該当します。

ジョルノは子供の頃に虐められていた自分を助けてくれたギャングに憧れ、ギャングスタ―になることを本気で夢見ている。

やがてパッショーネのブチャラティーと出会いボスの正体を突き止めるために組織に入団。最終的にボスを倒しパッショーネのトップに君臨することになる。

ジョルノ・ジョバーナの能力や生い立ちについては、ゴールド・エクスペリエンスの能力と疑問点を事例をもとに検証してみたでより詳しく紹介しています。

ブローノ・ブチャラティー

声優：中村悠一

• スタンド：スティッキー・フィンガーズ
• 能力：触れた対象にジッパーを着けて着脱可能な状態にする。自分や他人の人体を取り外したり、地面や壁にジッパーを着けて出入りすることも可能。

ブチャラティーはネアポリスの猟師の息子で、麻薬の取引現場を目撃したことで命を狙われた父を救うために殺人を犯し、組織に守っても洗う代わりに構成員となり働くようになる。

ネアポリスでは幹部のポルポに気に入られて財産の管理を任されており、隠し場所を知っているただ一人の人物である。

グイード・ミスタ

声優:鳥海浩輔

• スタンド：セックス・ピストルズ
• 能力：５人の小さなスタンドを操り銃の弾丸を自在に操る能力。弾丸の軌道を変化させたり弾き返すこともできる。

ミスタはその日暮らしのプー太郎だったが、ある日娼婦がギャングから一方的にに暴力を受けているのを目撃し、放っておけず助けたことで発砲を受けるが、その時スタンド能力が発現して弾丸を自在に操れるようになる。

ミスタを狙った弾は一発も当たらず、逆にミスタはギャングを皆殺しにしてしまいパッショーネに目をつけられ入団することになる。

レオーネ・アバッキオ

声優：諏訪部順一

• スタンド：ムーディー・ブルース
• 能力：指定した場所で起きた事実を過去に遡って再生することができる。

アバッキオはもともと正義感が強く高校を卒業してすぐ警察官になるが、汚職まみれの世界にうんざりした挙句、人任せで全く感謝しようともしない市民に失望する。

ある日、通報があって駆けつけた強盗の現場で犯人を目撃するがそれが自分に賄賂を渡している男だったため躊躇ってしまい、そのせいで相棒が撃たれて殉職してしまう。

アバッキオは自分にも世間にも絶望し自暴自棄になっていたが、ブチャラティーに拾われてパッショーネに入団することになる。

アバッキオの経歴やプロフィールについては、頭がおかしいアバッキオ！チームのために天寿を全うした男でより詳しく紹介しています。

ナランチャ・ギルガ

声優：山下大輝

• スタンド：エアロ・スミス
• 能力：戦闘機の姿をしたスタンドを操り、射撃、爆撃で攻撃する他、二酸化炭素を検知して敵の居場所を探知するレーダーを持っている。

仲間に裏切られて強盗の罪を擦り付けられ服役するという悲惨な経験をしたうえ、警官に殴られた目が悪化して病気になり死にかけていたところをフーゴに助けられる。フーゴはブチャラティーにナランチャを仲間にするよう促し、ブチャラティーも受け入れる。

パンナコッタ・フーゴ

声優：榎木淳弥

• スタンド：パープル・ヘイズ
• 能力：両手の拳にあるカプセルが割れると中から殺人ウィルスが放出され触れた者を死に至らしめる。パープルヘイズのウィルスは感染力と致死率の高い猛毒性のウィルスで、離れる以外に助かる方法がない。

フーゴは生まれつきIQが高く13歳で大学へ入学する。ところがフーゴを特別扱いする教授の行為にあまえていたところ、実は教授は小児聖愛者でフーゴに手を出そうとしたため、逆上して辞書で教授に大怪我を負わせ退学となり、家からも追い出されてしまう。

その後、誰一人フーゴに関わろうとしなかったことからブチャラティーに勧誘されてパッショーネに入団することになる。

裏切り者の暗殺チーム

リゾット・ネエロ

声優：藤真秀

• スタンド：メタリカ
• 能力：鉄分を操り、射程内にいる人間の体内にある血液から刃物を生み出すことができる。体内に刃物を作られた人間は負傷して死に至る。

パッショーネの暗殺チーム(ヒットマンチーム)のリーダー。ボスのディアボロをあと一歩のところまで追い詰めるが、キングクリムゾンの能力の前に敗北する。

リゾット・ネエロに関しては、ディアボロに勝てたはずのリゾットが最強なのに負けた理由と経緯を解説でより詳しく紹介しています。

ホルマジオ

声優：福島潤

• スタンド：リトル・フィート
• 能力：自分も含めて触れたものを小さくすることができる。

ボスの娘を探している途中でナランチャを目撃して戦闘に発展。エアロ・スミスの探知能力の前に敗北する。

イルーゾォ

声優：成田剣

• スタンド：マン・イン・ザ・ミラー
• 能力：用意した鏡に映った対象を自分のスタンドが支配する左右対称の世界に引きずり込み出れないようにする。鏡の世界からはイルーゾォが許可したものしか出ることが出来ない。

ヒットマンチームのメンバーの一人で、ジョルノたちがポンペイの遺跡でボスに指示されたカギを拾いに来るのを阻止しようとするが、フーゴのパープル・ヘイズの殺人ウィルスに感染して死亡する。

プロシュート

声優：鈴木達央

• スタンド：ザ・グレートフルデッド
• 能力：射程内の生物を急速に老化させる。

ヒットマンチームのメンバーのひとりでペッシの兄でもある。ブチャラティーたちが列車に乗っているところを襲いトリッシュを奪おうとするが、ブチャラティーのスティッキー・フィンガーズの能力の前に敗北する。

電車の乗員を見境なしに老化させる行為はテロそのもので、「毎年どこかで飛行機が墜落している」と言って全く罪悪感を持たないところは生粋のギャングだと言える。

一方、コミックの読者やアニメの視聴者のなかにはプロシュートのファッションセンスや言動・行動をカッコいいと評価する声もあり、プロシュートにフォーカスを当てた【ジョジョの奇妙な冒険】プロシュートは筋金入りのマフィアでかっこいい！を読めばより詳しく知ることができます。

ペッシ

声優：木村昴

• スタンド：ザ・ビーチボーイズ
• 能力：釣り竿とリールがセットのスタンドで、釣り糸を投げて対象に釣り針が引っかかると解除しない限り絶対に外れないという驚異的なスタンド。

ベネチア行の列車でブチャラティーたちを襲ったペッシの実の弟。ブチャラティーはプロシュートを倒した後ペッシの能力の前に苦戦。最後は心臓を止めて居場所の探知を阻止したブチャラティーに軍配が上がる。

ブチャラティーチームとの闘いまで、みんなからマンモーニと呼ばれて軽く見られており、それを気にしている。

メローネ

声優：間島淳司

• スタンド：ベイビーフェイス
• 能力：生物を物質に変えることができる。ジョルノの能力とは真逆。

ブチャラティーたちが列車を下りた後、亀の中にバレずに侵入しブチャラティーとトリッシュをキャビネットに変えてしまうがジョルノに正体を見破られる。

ジョルノとの闘いでは当初ベイビーフェイスが優勢だったが、最終的には知恵比べでジョルノのゴールドエクスペリエンスの能力の前に敗北する。

遠隔操縦型のスタンドだったため本体のメローネにダメージはなかったが、ジョルノはベイビーフェイスを毒蛇に変えてメローネのもとへ帰らせ、メローネは毒蛇に舌を噛まれて死亡。

ギアッチョ

声優：岡本信彦

• スタンド：ホワイト・アルバム
• 能力：射程内の水分を高速で凍結することができる。

ギアッチョはパッショーネのヒットマンチームのメンバーのひとり。ジョルノとミスタが2人のところを襲いボスに指示された物を奪おうとしたが、ミスタのセックス・ピストルズの能力の前に敗北する。

ギアッチョは自身をスタンドの氷スーツで完全ガードする特殊なタイプで弾丸での攻撃は通用せず、柱の突起物に首を突き刺すという難しい方法で攻略。

ローマで待ち受けるボスの親衛隊

チョコラータ

声優：石野竜三

• スタンド：グリーン・デイ
• 能力：カビの胞子を撒き散らして触れたものにカビを発生させる。カビが生えるた生物は高速で腐食して死に至る。

チョコラータはボスであるディアボロも嫌うほどのゲス野郎で、他人が苦しんで死にゆく姿を見ることで最高の幸福感を得ることのできる変質的な人物。

医者として働くふりをして多くの人間を故意に死亡させたとして追放されたところをパッショーネに拾われボスの親衛隊として働いている。

チョコラータのゲスっぷりについては、ジョジョの奇妙な冒険シリーズ史上最低最悪のゲス野郎やクズ野郎を徹底研究で詳しく紹介しています。

セッコ

声優：KENN

• スタンド：オアシス
• 能力：触れた物体を液状に溶かしてドロドロにしてその中を移動できる能力。人間も液状化することが可能。

セッコはチョコラートが医者だった頃の患者のひとりで、チョコラートの言う事しか聞かない変わり者。戦闘能力が極めて高く、スタンド能力と身体能力ともに驚異的なレベルの持ち主。

ボスの親衛隊としてブチャラティーたちを阻止しようとするが、頭脳明晰なブチャラティーの前に敗北。

最後は文字通り「ゴミはゴミ箱へ」行くべく、ゴミ収集のパッカー車に収容されてしまう。

物語のキーとなる存在

トリッシュ・ウナ

声優：千本木彩花

• スタンド：スパイス・ガールズ
• 能力：あらゆる物体をグニャグニャにして衝撃が吸収できる状態にする。

パッショーネのボスの娘。ボスが若かった頃に恋人の間にできた子供が知らないところで成長して大きくなっていたのがトリッシュ。

ボスはトリッシュの存在が自分の弱点を見つける手がかりになることを恐れ、自分の手でトリッシュを抹殺するたまにブチャラティーを騙して自分のところまで護送させるが、真実を知ったブチャラティーは反旗を翻す。

ジャン・ピエール・ポルナレフ

声優：小松史法

• スタンド：シルバー・チャリオッツ
• 能力：騎士の姿をしたスタンドで剣術を用いて攻撃する。

ポルナレフは第３部でディオを倒すために承太郎たちと旅をともにした仲間として有名です。ディオとの戦いの後、ヨーロッパの犯罪が急増していることとスタンド使いの関連を調査しているうちに運悪くディアボロに辿り着き証拠隠滅のために崖から突き落とされて再起不能になる。

ポルナレフは片目と両足を失い車椅子生活となり、ディアボロは再会するまでポルナレフが生きていたことを知らなかった。

ヴィネガー・ドッピオ

声優：斉藤壮馬

• スタンド：エピタフ
• 能力：数秒先の未来を予知することができる。

リネガー・ドッピオはボスのディアボロの二重人格のもう一つの姿で、ディアボロとは声も容姿も異なりますが、ディアボロが若かった頃の面影を残しておりスタンドはエピタフだけ使うことが可能。

裏切り者のリゾット・ネエロに命を狙われるが最後はキング・クリムゾンを発現させてかろうじて勝利する。

ディアボロ

声優：小西克幸

• スタンド：キング・クリムゾン
• 能力：数秒先の未来を予知して都合の悪い部分を消し飛ばすことができる。

ディアボロは第５のラスボスで最後の最後まで顔も名前も分からない謎のベールに包まれた存在でしたが、最後はジョルノのゴールドエクスペリエンス・レクイエムの能力の前に敗北します。

キング・クリムゾンの未来の時間を消し飛ばす能力はディオの時を止める能力に匹敵する凶悪なもので、普通に対処して勝てる相手ではありません。

その意味では第５部はスタンドを越えた先にあるものの存在が登場することになり、それは生命を進化させるウィルスのなせる業だということになっています。この辺からジョジョの奇妙な冒険は急激にスケールのデカイ作品になった気がします。

スタンド亀

• スタンド名:不明
• 能力：甲羅の鍵穴に鍵をはめ込むと亀の中に入ることができる。中は部屋になっていて生活空間として利用できる。

この亀がどこから来たものなのか不明ですが、パッショーネに利用されてトリッシュの護送の手段として使われます。ポルナレフがレクイエムを発現させた際、魂が入れ替わり亀に憑りついたまま過ごすことになり、ジョルノがパッショーネの頂点に立ってからはジョルノ傍に置かれています。

広瀬康一

声優：梶裕貴

• スタンド：エコーズACT3
• 能力：任意の対象を重くして身動き不能にできる。

広瀬康一はジョジョの奇妙な冒険第４部に登場する東方仗助の友人。空条承太郎の依頼にされディオの息子の存在を調査する一環でジョルノの皮膚を採取して持ち帰るよう頼まれるが失敗。逆に持ち物を全て盗まれてしまう。

第５部での出番は本当に少なく、ジョルノに遠隔操縦型のスタンドの性質について教えたりする場面もあるが、用事を済ませるとすぐに日本へ帰国。

ジョルノ・ジョバーナの夢はギャングスター

ジョルノ・ジョバーナは空港で旅行客の荷物運びを手伝うふりをして荷物を持ち逃げするコソ泥稼業で小遣い稼ぎをする15歳の高校生です。

ある日、空条承太郎の依頼でディオとジョルノ・ジョバーナの関係を調査するためにイタリアへ来た広瀬康一は偶然にもタクシー乗り場でジョルノ・ジョバーナに出会います。

そして、荷物運びを請け負うフリをしてジョルノは広瀬康一の旅行鞄をタクシーに乗って持ち逃げしてしまいます。

ところが、これを見てた地元マフィア(パッショーネ)の構成員ルカ(涙目のルカ)はジョルノの行為を許しませんでした。ルカはジョルノを舐めてかかり、すでに払っているはずのショバ代をさらに要求するのでした。

ジョルのはルカの要求を断りますがルカはジョルノを許そうとせず、最終的に持っていたスコップでジョルノの胸を殴りつけます。

その時、ジョルノの胸には盗んだカバンに生命を吹き込んで誕生させたカエルが張り付いていて、ルカはカエルごとジョルノを叩きつけます。

するとカエルを叩いたはずのルカのほうが逆に後頭部が陥没するという重傷を負い、ルカを再起不能になってしまいます。実はジョルノのゴールドエクスペリエンスの能力は物質に生命を与えて生物を誕生させることのできる能力で、それに危害を加えると危害を加えた者にダメージが跳ね返るのです。

空港でルカの追求を逃れたジョルノですが、実はこのことで今後パッショーネから狙われることになります。

ブチャラティーとの出会いとパッショーネ入団

ジョルのが空港でルカと接触していたことは組織(パッショーネ)にすぐ知られてしまい、組織はブチャラティーに後始末をつけさせるためジョルノのもとへ向かわせます。

ブチャラティーはジョルノに涙目のルカとの関係を尋ね、場合によってはジョルノを始末するつもだったようですが、最終的にジョルノのゴールドエクスペリエンスの能力の前に敗北します。

そして、ジョルノには組織を乗っ取ってギャングスターになるという夢があることや、そのために組織のボスを倒そうとしている話を聞かされ、パッショーネに入団する方法を教えます。

それは太り過ぎて刑務所から出れない組織の幹部ポルポに会いに行き、そこでポルポから指示されたミッションをクリアするという内容でした。

ポルポのミッションは着火されたライターの炎を消さずに再度ここに戻ってこれたら入団を許可するというもので、実はこのミッションには裏がありました。

ライターの炎が消えるとポルポの遠隔操縦のスタンド(ブラック・サバス)が出現し、弓と矢で射られてしまう仕組みになっていたのです。

幸いすでにスタンド使いだったジョルノは弓と矢にいられることはなく、太陽の元にブラック・サバスを晒すことで勝利したことでポルポの試験に合格します。

しかし、ブラック・サバスとの戦闘中に無関係の老人がスタンド攻撃の犠牲になったことに怒りを感じたジョルノは、ポルポとの面談中に部屋に置いてあった拳銃をスタンド能力でバナナに変えてしまいます。

食いしん坊のポルポはバナナを食べようとしたつもりで拳銃を加えてしまいトリガーが惹かれて死亡しますが、周囲からは拳銃自殺したものと認識され、犯人捜しはされるどころかポルポの遺産について論議されるようになります。

実はポルポは存命中に組織には内緒の大金を溜め込んでいて、遺産の管理をブチャラティーに一任していたのです。そのため、ブチャラティ―はポルポが死んだことを知るとすぐにチームを集めて隠し財産の回収に向かいます。理由はポルポの遺産を組織に献上して幹部になるためです。

ところが、遺産の噂はすでに組織の他のメンバーにもバレており、遺産を巡って組織の仲間から狙われることになります。

ポルポの隠し財産をめぐる争奪戦とブチャラティーの幹部昇進

ポルポの遺産100憶リラの隠し場所を知っているのがブチャラティーだけで、隠し場所はカプリ島の公衆トイレの便器の中でした。

ブチャラティー一行はヨットを借りてカプリ島へ向かいますが、追っ手はすでにヨットに潜んでおりカプリ島にはすでに追っ手の仲間が待伏せしていました。

ヨットに潜んでいた追っ手はズッケェロという男で、ソフト・マシーンというスタンドを操りブチャラティー以外のメンバーを全て人質に取り遺産のありかを白状するようブチャラティーに迫ります。

ところがブチャラティーはヨットの上にペラペラに変化させたヨットをもう一隻被せて、その間の隙間に隠れていたズッケェロの居場所を見破り、船を浸水させてズッケェロに勝利します。

ところが筋金入りのマフィアであるズッケェロはブチャラティーのスタンドでバラバラにされても絶対に口を割ろうとせず、一行はあきらめてヨットが到着する前にカプリ島へ先回して、待ち伏せしている追っ手の仲間を始末することにします。

カプリ島ではズッケェロの相方のサーレーというスタンド使いがズッケェロが上陸するのをまっています。ブチャラティーはジョルノの提案に乗り、ミスタと2人で先にカプリ島へ行かせてサーレーを始末しに向かいます。

サーレーの能力は触れたものを空中でもどこでも固定できる能力の持ち主でミスタが相手をしてなんとか倒すことに成功します。

一行は無事にポルポの隠し財産が隠された公衆トイレに到着し、ブチャラティーのスティッキーフィンガーズで便器の中から大量の金塊を取り出します。

金塊を手に入れたブチャラティーはそれを幹部のペリーコロさんに上納し、幹部として迎えてもらうことに成功します。

ところがこの時、ブチャラティーはペリーコロさんを通じてあるミッションを言い渡されます。それはペリーコロさんの傍にいる少女をボスの指定した場所まで護衛して連れて行くことでした。

その女性はパッショーネのボスの実の娘で、ボスは娘の存在をしったことで敵に弱味を握られるのを恐れ、信頼できる部下に自分の元まで連れてこさせたかったのです。

ボスの娘トリッシュを護衛するブチャラティーチーム

ボスの娘の名前はトリッシュ。ブチャラティーたちはボスの指令通りトリッシュを護衛しますが、ボスはチームに色々と指示を出し、ブチャラティーたちは指示に従いながら目的地へ向かう必要がありました。

そして、目的地へ向かう途中で裏切り者のヒットマンチームの追っ手に襲われますが、ヒットマンチームはボスの娘を手中に収めることでボスを倒す手がかりが見つかると確信していたのです。

遺跡での争奪戦

まず、ポンペイの遺跡へ行きあるモノを入手するよう指示を受けます。それがなんであるかは行ってみないとわかりませんが、ブチャラティーはポンペイの遺跡にジョルノ・アバッキオ・フーゴの3人で向かわせます。

新入りのジョルノを絶対に信用しようとしないアバッキオはジョルノに辛くあたりますが、遺跡にはすでにヒットマンチームの追っ手イルーゾォが待ち構えており、鏡に映った相手を鏡の中に閉じ込めてしまう能力でフーゴもアバッキオも手出しできない状態に追い込まれます。

しかしフーゴは鏡の外でパープルヘイズを発動させて殺人ウィルスをまき散らし、ジョルノは敢えてパープルヘイズのウィルスに感染した状態で鏡の世界に引きずり込まれます。

そうとは知らずにジョルノを連れ込んだイルーゾォはウィルスに感染してしまい、片腕を残して自分だけ外へ脱出しますが、そこには怒り狂ったパープルヘイズが待ち構えており、イルーゾォはウィルスを直に叩き込まれて死んでしまいます。

ところで感染したジョルノはウィルスが蔓延した一帯の石ころから蛇を誕生させ、蛇から血清を生み出し自分に注入することで命を取り留めます。

ポンペイの遺跡での任務は鍵を入手することだと分りましたが、この鍵がなんに使う鍵かはこの段階では分かりません。

買い出しで発見されるナランチャ

3人がポンペイの遺跡で鍵をゲットしている間、ナランチャも街でヒットマンチームのホルマジオに襲われます。

ホルマジオのスタンド(リトルフィート)は選んだ対象を自分も含めて自在に小さくしたり大きくしたりする能力でナランチャは大苦戦しますが、なんとか勝利します。

ホルマジオはナランチャのエアロスミスが2酸化炭素を探知して敵の居場所を探し出す能力を持つことを知らなかったため2人の戦いは終盤までナランチャが劣勢に立たされますが、最後はナランチャの能力が上回ります。

長距離列車での命を賭けた攻防

カギを入手した一行はボスに列車に乗るよう指示されますが、駅で亀を発見します。そして亀の背中には鍵穴があいてあり、入手した鍵がピッタリとはまるのでした。なんと亀はスタンド使いで、カギをはめ込むと中に入って隠れることができるのです。

これによりトリッシュを安全に護衛できるようになったと思ったブチャラティーたちでしたが、ヒットマンチームのプロシュートが列車に乗り込んできたため事情が変わりました。

プロシュートのスタンド(グレイトフルデッド)は射程範囲の生物をどんどん老化させるというとんでもない能力を発動させ、列車の乗客ごと老化させてしまいます。

これにより、プロシュートを直接倒すために亀から出て戦う必要が生じてしまい、これが敵の思惑通りになってしまいます。ミスタとブチャラティーは亀から出てプロシュートとペッシの兄弟に立ち向かい、プロシュートはブチャラティーの冷静な判断力と大胆な行動力の前に屈服し列車から放り出されて死亡します。

弟のペッシも対象の体内を自在に走り回る殺人釣り針でブチャラティーを苦しめますが、最後はブチャラティーの覚悟の前に敗北し、スティッキーフィンガーズでバラバラにされてしまいます。

ジョルノと正反対の能力を持つスタンド

列車での戦いは随分と過酷でしたが、プロシュートたちとの闘いで止められた列車を下りたブチャラティーたちは、車を盗んで逃走することにします。

ところがプロシュートが敗北したことは仲間のメローネに知られていて、メローネは遠隔スタンド(ベィビーフェイス)を発動させてブチャラティーたちのところへ向かわせます。

ベィビーフェイスはジョルノが物質に生命を注いで生物を誕生させるのとは真逆の能力を持っており、生物を物質に変換させて捕まえる能力を持っています。

ベィビーフェイスはブチャラティーやトリッシュをキャビネットに変えて連れ去ろうとしますが、それをジョルノに見破られてしまいます。

ジョルノはベィビーフェイスの能力の前に苦戦し、喉や目をえぐられて物質に変えられるなど絶体絶命のピンチに陥りますが、最後はゴールドエクスペリエンスの能力でバイクの部品を自分の腕に変え、その腕を再度ベィビーフェイスに奪わせた後で、腕を植物に変えて走り去ろうとするバイクを阻止することに成功します。

最後はこぼれたガソリンに引火させベィビーフェイスは爆死してしまいます。

全身が氷のスーツで完全防御のスタンド

メローネを倒した一行はボスの次の指令により　　を取りに行きます。この任務はジョルノとミスタが担当しますが、2人は目的地へ向かう途中で車外からヒットマンチームのギアッチョのスタンド攻撃を受けます。

ギアッチョのスタンド(ホワイト・アルバム)は周囲の水分を川の水でもなんでもあっという間に凍らせる能力を持っていて、川に転落したジョルノ達は危うく河のみずごと氷にされるところでした。

ギアッチョの能力は地味に強力でしたが、ジョルノは自分だけ川に残りミスタにボスからのメッセージを受け取りに行かせます。

指定された場所へたどり着いたミスタとギアッチョの壮絶な戦いはミスタの頭脳プレーと一か八かの勝負が吉と出たことで、なんとかギアッチョの息の根を止めることに成功します。

ギアッチョを倒したことでヒットマンチームのメンバーは残すところリーダーのリゾット独りになりましたが、この段階でブチャラティーチームはそのことを知りません。

ボスを裏切り組織に追われる身となるブチャラティーたち

ギアッチョの追撃を免れたブチャラティーたちはボスが指定した教会へボートに乗って向かいます。到着するとボスの指示通りブチャラティーとトリッシュ以外は船に残り、あとは皆帰りを待つことにします。

ところがブチャラティーがエレベーターで教会の最上階へ向かう途中、突然トリッシュの姿が消えてしまいます。そして、残っていたのは初めて出会う父に不安を感じるトリッシュが握っていた『手』だけでした。

なんとボスはトリッシュを守るために自分の元へ連れてこさせたのではなく、本当の理由は自分の手で確実に弱味を消したかったのです。ブチャラティーは事実を知り怒り狂い、ボスに反旗を翻す決意をします。

教会の地下でボスを見つけたブチャラティーはトリッシュは奪還しようとしますが、あらゆる攻撃がかわされ大打撃を受け致命傷を負います。

冥途の土産にボスはブチャラティーに自信の能力を明かします。ボスのスタンド(キングクリムゾン)は数秒先の未来を予知し、不都合な未来の時間を自分の意のままに部分的に消し去ることができるのです。そして結果だけが残るというわけです。

今野ままではボスに絶対に勝てないと判断したブチャラティーは瀕死のトリッシュを連れてジッパーで地下から脱出しますがボスも追って来ます。ところがそこへブチャラティーの危機を察知したジョルノが命令を無視して駆け付けたためボスは追うことをやめす。

この後、ブチャラティーチームはボスの命令で放たれたイタリア中のボスの親衛隊に命を狙われ続けることになります。また、理論的で物事を客観的にしか考えないフーゴはボスに逆らって勝てるわけがないとして一人だけチームを抜けます。

リゾット・ネエロのメタリカ最強伝説

ヒットマンチームのリーダーであるリゾットは自信家です。なぜならリゾットの能力の正体を知っている者は存在せず、ボスですら能力を知らなかったからです。

リゾットは仲間が全員死んだことを知ると単身ボスの故郷であるサルディニアへ向かいます。そして岡の上からボスの昔の恋人が映った写真の場所を探していたその時、偶然一人の青年に出会います。

ところがその青年はボスのディアボロの二重人格のもう一人(リネガー・ドッピオ)で、振る舞いが怪しいことを追求されたドッピオは最初は無関係だと言って胡麻化そうとしますが、途中で芝居がバレて本性を表します。

ドッピオの状態のボスはキングクリムゾンの全ての能力を発揮することはできませんが、額についたエピタフで予知することは可能です。

ドッピオはエピタフでリゾットが次に仕掛けてくる結果だけを予知し、予知した結果にならないよう必死で奮戦します。

鉄分を自在に操り対象の体内にある血液でさえ刃物に変えることができるリゾットのスタンド(メタリカ)の前に、ドッピオはあと一歩でやられる寸前まで追い込まれます。ところが出血多量でもはや呼吸もままならない状態に追い込まれたその時、ナランチャのエアロスミスが偵察のために飛んできました。

ナランチャが来た理由は、ボスを裏切ったブチャラティーチームもリゾットと同じことを考えて、昔の恋人の写真からボスの過去を辿ろうとしてサルディニアに来ていて、偶然ここで出くわしたわけです。

ドッピオはナランチャのエアロスミスが敵の二酸化炭素を探知して発砲する能力であることを知っていたため、リゾットは背後からボスと間違えられて大量に発砲を受け倒れてしまいます。

死ぬ間際、ドッピオがボスそのものであることを確信したリゾットは、その正体の素顔を見てから死のうとしますが、すでにキングクリムゾンの能力が使える状態になっていたボスに時間を消し飛ばされ、再度エアロスミスの発砲を受けて絶命します。

ポルナレフが語る『弓と矢』の真の能力

リゾット・ネエロに致命傷を負わされたドッピオは瀕死の状態で逃亡を図ります。このままではブチャラティーたちに見つかってしまうからです。

一方、アバッキオは他のメンバーとは別行動でビーチに設置されてある石造付近に立ち、スタンド(ムーディー・ブルース)で過去の時間を再生します。写真に写っている女性をカメラで映したのが若い頃のボスだとしたら、過去を再生することでその人物を見ることができるからです。

ところが次の瞬間、アバッキオはサッカーして遊ぶ少年たちに紛れて近づいてきたドッピオに背後から一撃で殺されてしまいます。

ブチャラティーたちが駆けつけた時にはアバッキオは亡骸になっておりチームの全員がショックを受けますが、ジョルノは冷静に周囲を確認します。すると石像にアバッキオは死ぬ間際に残したであろうデスマスクが掘られているが見つかります。

それはなんと、ブチャラティーたちが探しているボスの若い頃の顔がアバッキオのスタンドパワーで石像に刻まれたものでした。これにより、ようやくブチャラティーたちは手がかりを得たことになります。

矢を手にして発現したゴールドエクスペリエンス・レクイエムの能力

ボスの過去の顔が分かったブチャラティーとジョルノたちでしたが、それ以上の手がかりは見つかりません。ところがネットで検索していると何者かのハッキングに遭い、パッショーネのボス「ディアボロ」の正体を追っていることがバレてしまいます。

しかし相手はボスのキングクリムゾンの能力について知っており明らかに敵ではないことが確認できたため、話を聞くことにします。

男の名前はジャン・ピエール・ポルナレフ(『ジョジョの奇妙な冒険第３部』に登場する承太郎の仲間でフランス人)。ポルナレフは過去にスタンド使いによる犯罪調査をしていた時、運悪くボスの正体を知ってしまいイタリアで孤立して再起不能にされたのでした。

その後、一命をとりとめたポルナレフは再起不能の体で生活していたある日、家に置いてあったスタンド使いを生み出すことのできる『矢』で偶然にも自分のスタンド(シルバー・チャリオッツ)をケガさせてしまいます。

それによりポルナレフは、スタンドを生み出す『矢』で再度スタンドを傷つけるとスタンドは未知の領域へとさらに進化することを知ります。ところが再起不能の精神状態では進化したチャリオッツをコントロールできず、ポルナレフは危険を感じて『矢』を取り上げ、スタンドは元に戻ったというわけです。

ポルナレフは自分が今持っている『矢』を使用することでボスに勝てるかもしれないと希望を託し、コロッセオまで取りに来るよう伝えます。

チョコラートのグリーン・デイとセッコのオアシス

ポルナレフが指定した待ち合わせ場所のコロッセオはローマにあります。ブチャラティーとジョルたちはローマに到着するや否やスタンド攻撃を受けます。

それはカビを撒き散らして生物を死に至らしめるチョコラートのグリーン・デイの仕業でした。体を今より低い位置に動かすとカビが生えるという特性を持つグリーン・デイに対処するのは困難で、ブチャラティーたち大苦戦を強いられます。

それどころか、チョコラートの仲間のセッコ(チョコラートが医者だった頃の患者)の能力がかなり厄介で手に負えません。セッコのオアシスは自信とボディスーツが一体になっていて、どんな固い物質でもドロドロの液状に変えてしまい、自分だけがその中を自在に泳ぎ回れるという特殊能力です。

低い位置へ下がれない者に対してセッコが地面を液状化して引きずり込むという絶妙なコンビネーションでブチャラティーもジョルノも苦戦を強いられます。

そこで、それぞれ相手を分けて戦うことになり、チョコラートはジョルノとミスタが相手をし、セッコはブチャラティーが相手をすることにします。

チョコラートはジョルノのゴールドエクスペリエンスの能力の前に乗っていたヘリコプターが植物に絡め取られて動けなくなりトドメをさされて最後を迎えます。

セッコは肉弾戦のレベルが相当レベルでしたが頭が悪かったので、ブチャラティーとの頭脳戦負けてしまいます。ブチャラティーは液状化した地下の世界でわざと空気が入った自動車のタイヤをバーストさせてセッコの鼓膜を破ってしまいます。

三半規管が狂ったセッコはもはや相手にならず、最後はゴミ収集車で運ばれてしまいます。(ゴミはゴミ箱へ)

ポルナレフとディアボロの再会

真っ先にコロッセオに辿り着いたのはブチャラティーでした。ブチャラティーはコロッセオの外で娘のトリッシュに成りすましたドッピオに騙され、こともあろうにドッピオを同伴して中に入ってしまいます。

実はブチャラティーは初めて教会でボスの攻撃を受けた時に肉体は引き裂かれて死んでおり、魂の意思だけで動いていたのです。そのため、目は見えておらず魂の形だけでドッピオを見て、血縁者であるトリッシュと間違えたのです。

ドッピオを見るなりポルナレフはブチャラティーを問い質します。ところがブチャラティーにはなんのことかサッパリわかりません。

次の瞬間、ドッピオはディアボロに早変わりしポルナレフの目の前まで来ていました。そして、生きていたことに驚くとともに、ここで始末すると宣告します。

ボスの能力を知っているポルナレフでしたが、両足を失い義足で車椅子の状態ではとても戦えません。ポルナレフはかろうじて最初の一撃をかわすと『矢』でシルバー・チャリオッツを突き刺し、シルバー・チャリオッツ・レクイエムを発現させた後、ボスの攻撃を受けて絶命します。

シルバー・チャリオッツ・レクイエムの世界

チャリオッツのレクイエムはこの世の生物の魂を入れ替えるという不思議な状態を生み出します。それによりブチャラティーとジョルノたちの体と魂は入れ替わってしまいます。

下記はシルバー・チャリオッツ・レクイエムによって魂と肉体が入れ替わった状態の結果です。

ジョルノ⇔ナランチャ

ナランチャ⇔ジョルノ

ミスタ⇔トリッシュ

トリッシュ⇔ミスタ

ブチャラティー　→　ディアボロ

ディアボロ　　　→　トリッシュ

ポルナレフ　　　→　スタンド亀

スタンド亀　　　→　消滅(入れ替わる対象が死亡)

ドッピオ　　　　→　ブチャラティー

見ての通り、近くに居た者の肉体と魂が入れ替わるのですが、入れ替わる先の魂が死んで消滅するとその肉体へ乗り移ることができません。

ポルナレフは殺されてしまったので本来ならスタンド亀と入れ替わることはできませんでしたが、幽霊として亀にしがみついてるだけです。

そして、ドッピオはボスのもう一つの人格(魂)として本欄ならブチャラティーと入れ替わりましたが、ディアボロの姿をしたブチャラティーの指示で射殺されて最後を迎えます。

また、ジョルノと入れ替わったナランチャは探知能力を警戒され真っ先にボスに殺されてしまうため、ジョルノの魂はすぐに肉体に戻り元通りになります。

ディアボロは最後まで娘のトリッシュの魂にしがみついて隠れていたため、見つけるのに苦労します。この辺の理屈はかなりややこしくて頭がこんがらがります。

ブチャラティーとジョルノたちはシルバー・チャリオッツ・レクイエムによって変えられた状態で『矢』を守るために逃走するレクイエムを追い続けることになります。

ところが、『矢』を持つ者を攻撃すると攻撃がそのまま帰ってくるという無敵の状態のため、チャリオッツ・レクイエムを無闇に攻撃できません。

この謎ときに最初に気付いたのはディアボロとブチャラティーでしたが、先に実行したのはブチャラティーのほうでした。

レクイエムの影は自分の背後にある太陽の光

ディアボロもブチャラティーもレクイエムの影が本来の太陽とは無関係の方向に延びていることに気付きます。なぜならレクイエムの影は見る者の背後にある太陽の光から生まれる影なので、見る者によってそれぞれ異なるのです。

謎を解明する方法に気付いたディアボロでしたが、娘のトリッシュの魂に憑依していたため自由に動くことができず、ブチャラティーが先にジッパーで自分の頭の背後にある太陽を破壊します。

これによりブチャラティーは魂が消滅して天に召されますが、肉体はすでに死んでいたので「なるべくしてなっただけだ」と言い残してこの世を去ります。

一方、ブチャラティーの行動により太陽が破壊されたことでレクイエムは消滅し、魂が入れ替わった世界は元に戻ります。

そして、レクイエムが消滅した後ジョルノ・ジョバーナが先に『矢』を手にします。

『矢』を手にしたジョルノのゴールドエクスペリエンスは血を吐いて苦しむ姿を見せ、ディアボロはそれを「選ばれなかったのだ」と見下し勝利を確信します。

ところがトドメの一撃を放った次の瞬間、ゴールドエクスペリエンスの殻が割れて中からゴールドエクスペリエンス・レクイエムが誕生します。

ゴールドエクスペリエンス・レクイエムの能力

ゴールドエクスペリエンス・レクイエムはスタンド使いであるジョルノのジョバーナ自身も操ることのできない存在だとレクイエムは語ります。

意味を理解できないディアボロに対してゴールドエクスペリエンス・レクイエムは超スピードの攻撃をしますが、それでもディアボロはキングクリムゾンのエピタフで自分が勝利する未来を予知します。

自分は帝王であり勝つのは自分だと確信しているディアボロは、ゴールドエクスペリエンス・レクイエムが攻撃する未来を予知しキングクリムゾンの能力でその時間を消し飛ばします。

ところが、消し飛ばしたはずの未来がテープを巻き戻すように元に戻って行く様子が見えるではありませんか。挙句の果てには「俺は何を言ってるんだ？」と訳が分からなくなり、気付くと消し飛ばしたはずの時間は消し飛んでおらず、ゴールドエクスペリエンス・レクイエムのラッシュを受けているのでした。

終わりが無いのが終わり

ところでゴールドエクスペリエンス・レクイエムに殴り倒されて川に転落したディアボロは死んだのか？それとも生きているのか？ジョルノに言わせると「終わりがないのが終わり」ということになります。

ディアボロは川に落ちたあとなんとか這い上がり下水路でホームレスに会いますが、自分の持ち物を盗みに来た者だと誤解されて刺殺されてしまいます。

目が覚めると病院の解剖室で絶望感にさいなまれますが、再び目を覚ますと今度は道に立っています。ところがくだらないことで躓いて車にひかれて死んでしまいます。

そしてその後も永遠に死ぬ恐怖に怯えながら絶望感にまみれた状態がループされるのです。

ディアボロは死にましたが、「生きながら死に続ける」という地獄に落ちたというのが正確なところでしょう。

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また、第５部を除く各シーズンのあらすじの概要については下記の関連記事を参照してください。

• 『ジョジョの奇妙な冒険第１部あらすじ』
• 『ジョジョの奇妙な冒険第２部あらすじ』
• 『ジョジョの奇妙な冒険第３部あらすじ』
• 『ジョジョの奇妙な冒険第４部あらすじ』
• 『ジョジョの奇妙な冒険第６部あらすじ』

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