バウンサー4・5巻のあらすじ解説【ネタバレあり】虎井清十郎の反則的強さ！

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2024.03.26

ヤングチャンピオンで連載中のみずたまことのバウンサー第4巻では東京フィストの正社員試験で筆記で仮合格した獅子戸一郎が最終試験の実地試験に挑んでいる最中、会社が仕組んだ関暴連の連中による襲撃とは別に裏社会で有名な佐藤と鈴木の異形の2人が現れたことで事態は急変します。はたして丈一郎は無事に試験をクリアできるのでしょうか？

第３巻が佐藤と鈴木のコンビ乱入によるサプライズで衝撃的な終わり方をしたので、読者としては彼ら2人の規格外の強さやその残忍さに度肝を抜かれたことだと思います。関暴連の連中を1人一撃で殺害してしまうその手口は、慣れているというよりも、彼らが本物の殺しのプロであることをまざまざと見せつてくれました。

登場人物

獅子戸丈一郎
蜂野信也
鰐淵剛志
虎井清十郎
柿根陽介
佐藤
鈴木
有賀

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幼少期に植え付けられた正義感が有賀を見捨てることを許さなかった
プロレスラー並みのパワーと蜂野並みのスピードを持つ鈴木
警察への通報で一命を取り留めた丈一郎
とどめを刺すために病院まできた佐藤と鈴木
病室で始まった虎井と鈴木のガチンコバトル
虎井と鈴木のバトルを冷静に分析する佐藤
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幼少期に植え付けられた正義感が有賀を見捨てることを許さなかった

佐藤と鈴木が獅子戸丈一郎の最終試験に割り込んできた理由は不明ですが、この2人が殺しのプロであり常識離れの強さを持っていることは、関暴連の連中が瞬殺されて車にさっさと放り込まれる光景から簡単に推測できます。

はっきり言ってこの時の丈一郎にとって一番重要なことは試験にパスすることで、途中で邪魔をした有賀たち関暴連の連中など無視して一人だけ逃げれば済む話でした。

ところが丈一郎はどうも普通の人間とは違った所があって、どうしても困っている人を放っておけない性分があり有賀を見捨てることができませんでした。有賀に助けて欲しいと懇願された時、仕事として警護することを依頼することを条件に、仕事して守ることを引き受けてしまうのです。

その為、化物の2人を相手に戦うことになります。

プロレスラー並みのパワーと蜂野並みのスピードを持つ鈴木

佐藤も鈴木も2人とも丈一郎が逃げることを予想していたようですが、予想に反して丈一郎は鈴木の正面に立ってファイティングポーズをとります。そして、鈴木は自分のような化物相手に真正面から挑んでくる相手に滅多に遭えないことから、嬉しくて興奮します。

そして、「全力でかかってきてほしいワンワン！」と気味の悪い犬のマスク姿で襲い掛かってきます。日頃のとレーニングの成果もあり奮戦する丈一郎でしたが、化物の鈴木には通用せず結局パンチで倒されてしまいます。そして地面に転がった丈一郎に2人が近づいたところで丈一郎の真の目的が分かります。

なんと丈一郎は佐藤と鈴木の脚にベルトを巻いて動けなくして、有賀をはじめ関暴連の３人を逃がすことに成功するのです。これにはさすがの佐藤と鈴木もしてやられたと驚きを隠しきれませんでしたが、丈一郎が意地でも離そうとしないため、佐藤は指で丈一郎の目を潰してしまいます。

関暴連の３人に逃げられたことで証拠を掴まれた佐藤と鈴木はショックを受けますが、佐藤は鈴木に丈一郎のとどめを刺すよう命令します。

その瞬間、犬のマスクで表情の無いはずの鈴木の顔に命令に対する拒絶的な反応が見えますが、どうも鈴木はどこか心の優しいところというか人間味の残っている人物のようで、「本当にごめん」と言い残して丈一郎の首をボキッと踏んだところでパトカーのサイレンが聞こえます。

警察への通報で一命を取り留めた丈一郎

どうも誰かが騒ぎを聞きつけて警察に通報したようでパトカーがやってきたため、丈一郎はボキッと踏まれたけれどもしんでいなかったようです。

佐藤と鈴木は証拠を残し過ぎたために駆けつけた警察官も証拠隠滅のために皆殺しにしてしまいます。そして、無人のパトカーと丈一郎だけが残された場所に心配した蜂野が現れます。

蜂野は丈一郎の傷を見ただけで事態の深刻さを理解し、すぐに試験を中止するよう先輩として忠告しますが丈一郎は聞き入れません。そして、これを逃せば２度とチャンスがないことを知っている丈一郎は救急車を利用して指定された場所までバッグを届けることに成功し試験に合格します。

とどめを刺すために病院まできた佐藤と鈴木

丈一郎は佐藤に両目を潰され包帯をして目が見えない状態で入院治療することになりました。一方、東京フィストは丈一郎を襲ったのが佐藤と鈴木であることを知ったことで、2人がトドメを刺す為にやって来ることを想定し、内密に虎井を病院に待機させます。

そして、雨が降り雷が鳴り響く中、目の見えない丈一郎でさえ感じるほどの殺気を持つ人物が病室にいることがわかります。なんと、階下のセキュリティーを全員眠らせて佐藤と鈴木は丈一郎の病室に侵入してきたのです。目的はもちろん丈一郎の抹殺です。

ところが、佐藤と鈴木は目の見えない丈一郎に存在を気付かれただけでなく、既に室内に待機しているもう一人の人物に声を掛けられるまで気付きませんでした。なんと虎井清十郎が病室のソファーにずっと座って待っていたのです。

このへんの気配を完全に消す技などは、殺しのプロである佐藤と鈴木も顔負けするところで、虎井清十郎がどんな人物なのか想像できる一端でもあります。

病室で始まった虎井と鈴木のガチンコバトル

病室にいることを自ら明かした虎井清十郎は佐藤と鈴木に今回の丈一郎襲撃の件について、依頼主と目的を吐かせようとしますが、2人ともプロなので応える気はないとキッパリ拒否します。

そして、当然のようにその後すぐに殺し合いが始まるのですが、当初佐藤は2人がかりで虎井を殺そうと考えていましたが、丈一郎が感情的になり２対１が卑怯だと批判したことに納得したのか、佐藤は鈴木から先に虎井と戦うよう命令します。

その直後に鈴木のほうから丈一郎を葬ったのと同じ強烈な右ストレートが飛びこんできますが、虎井はこれをなんなくガードしただけでなく、右手の貫き手で鈴木の肝臓を突き刺します。

その後、返しの左パンチで反撃する鈴木でしたがこれもなんなくガードされ、そのもう一発打ち込もうとしたところで勝負がつきました。

実は一発目のパンチの際に食らった虎井の貫き手で鈴木の肝臓は完全に死んでおり、もう立つこともできないほど重症だったのです。恐るべき虎井清十郎といったところでしょうか。虎井は怪物の鈴木をたった一本の貫き手で終わらせてしまったのです。

さらに、あがこうとして執念で立ち上がった鈴木でしたが、なにもする暇も与えてもらえず、虎井の貫き手を喉に深々と食らい、最後にヘッドロックで首を折られて完全に逝ってしまいました。

虎井と鈴木のバトルを冷静に分析する佐藤

鈴木に先に虎井と戦うよう命令し、鈴木が負けてしまうまでの過程を全て観察した佐藤は、ベッドで動けない丈一郎に虎井の存在が社会の病理であると語ります。

この世には100ｍを9秒台で走る人もいれば、見たモノや文字を一瞬で記憶し模写することができる者など、常人がどんなに修練を重ねてもとうてい追いつけない能力生まれつき備えている人間がいる。そういう人間を人は天才と呼ぶ。

中略

つまり俺に言わせてみれば天才とはある種の病理であり、常人からすれば”優越者”、ある意味”究極の反則者”と言ってもいい。

バウンサー　第5巻　P39,40 より引用

殺しのプロとして裏の世界で有名な佐藤にここまで言わせる虎井清十郎は、どうもただ強いだけではなく規格外の鈴木でも一撃で仕留めてしまうほどの「社会的な病理」や「究極の反則者」といった言葉でしか説明できない強さだったのでしょう。

この言葉を発した後、佐藤は丈一郎に襲い掛かろうとしますが、それを阻止しようとした虎井が丈一郎の代わりに毒入りのナイフで刺されて意識不明の重体になります。そして、佐藤は生死不明の鈴木を片手で担いで病院から立ち去ります。

その後、東京フィストのメンバーが駆けつけて状況を把握したところで第5巻は終了となります。

バウンサーのその他の巻のあらすじについては下記の記事で詳しく解説しています。