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【みずたまこと】バウンサー:暴力が子供に与える影響をテーマにした漫画

ヤングチャンピオンで連載中のバウンサーを読んでいてずっと思っていることがありました。それは主人公の獅子戸丈一郎をはじめ主役級キャラの蜂野信也、虎井清十郎、東京フィストが警護担当している小池珠理奈の息子である小池勇輝、犬のマスクの鈴木、彼らには幼少期に虐待を受けていたり壮絶な体験をしているという共通点があります。

アニメファンや漫画ファンの中にはキャラクターがカッコいいという理由だけでその作品を読み続ける人もいれば、作品に一貫したテーマがあって、そこに興味を感じて読む人の2とおりありますが、私は後者です。

それでは、バウンサーに登場する主要なキャラクターの幼少期の虐待経験について順番に紹介してみます。

獅子戸丈一郎の過去と育ての親

言わずと知れた中卒の主人公で、派遣社員をトラブルを起こして26回も連続で首になった挙句、縁あって東京フィストの社員になった男です。

生後すぐの頃から虐待を受けて育った丈一郎でしたが、幼くして両親と死別し、以後元暴力団員の叔父である獅戸勇一郎に愛情豊かに育てられます。しかし、勇一郎も丈一郎が15歳の時に交通事故で亡くなってしまい、それ以後丈一郎の人生は荒れてしまい、傷害事件を起こしてナイフで刺され死にかけた経験もあります。

本作品における獅子戸丈一郎は曲がったことが納得できず、弱者が困っているのを見ると放っておけないという性分の持ち主で、それを助けるためなら暴力を振るうことを厭わない性格の人物として描かれています。

ここで重要なのが、丈一郎は虐待されて育った青年にありがちな心の曲がった所が全くなく、素行が悪いと言っても自分の為だけに暴力を振るうことは基本的にないということです。

丈一郎が暴力を振るうのは自分以外の誰かが理不尽に苦しめられていて、それに抗議したことでトラブルになり暴力を振るうのが常で、他者のためでないと本気になれないという物語のキーとなる性格を持ち合わせています。

これは、育ての親である獅戸勇一郎が意識してそうなるように育てたことが後で分かりますが、その理由は今のところわかっていません。

そして、学歴も中卒で派遣の仕事も26回クビになっている丈一郎は、東京フィストの鰐淵社長が言うように「心に牙」があります。バウンサーで何度か出てくる牙という言葉の意味は、恐らく食いついて離さない、絶対に譲れないものがあるという意味のようです。

丈一郎は実の親から虐待を受けていて死んでいてもおかしくなかった境遇でしたが、叔父の勇一郎の育て方で他者が理不尽に苦しめられるのを見過ごせないという心の牙が植え付けられたようです。

またこの牙は、他者のためだけではなく自分の意地を貫き通すための牙を意味することもあるようです。初めてバーで東京フィストとやり合った時に鰐淵社長が「彼の心には牙があります」と言い、自分一人で朝まで丈一郎の相手をしましたが、その時の状況だけで推測すると、なんとしてでも追い出されたバーに入ろうとした丈一郎の意地のことを言っているとも受け取れます。

丈一郎の心の牙の意味については、今後も読み続けていくうちにわかってくると思います。

蜂野信也と実の兄の関係

東京フィストで最もエリートの現役東大生である蜂野信也は、直属の上司である虎井清十郎からは東大と呼ばれています。そして、教育されていた見習い期間は、返事は「ワン」しか許されていませんでした。

この「ワン」には伏線があるようですが、ワンの意味については今は割愛します。

ところで蜂野信也が東大を休学してまで東京フィストに入社したのには大きな理由があります。それは、東京フィストの社員だった実の兄がある日突然行方不明になり1年後に死体で発見されましたが、その実行犯が佐藤と鈴木という裏の世界の便利屋だと分かったため、2人に復讐するために東京フィストに入社したのです。

佐藤と鈴木の2人組は東京フィストとは因縁があり、東京フィストは蜂野の兄を含めて3名の社員を佐藤と鈴木に殺害されており、しかもそれには明確な目的があったようなのです。

そして、蜂野の兄はその理由を知っていたがために1年間も監禁されて拷問されたうえでなぶり殺しにされたことが明らかになったため、蜂野信也は自ら兄と同じ道を歩むことを決心したのです。

ところで、蜂野信也は少年時代からずっと兄から暴力による虐待を受けており、幼いころに腹部を刃物で切られて臓器が飛び出して死にかけた経験さえあります。

はたして、ここまで酷い虐待を続けた兄に対して蜂野は本当に愛情を持っていたのでしょうか?蜂野の復讐心は敬愛する兄を殺されたことに対するものだと自分でも言っていますが、恐らくこれは大きな間違いというか勘違いです。

本人でさえ気づいていない、実は自分が殺したかった兄を先に勝手に先に殺してしまった佐藤と鈴木が許せないというのが本心なのではないでしょうか。

バウンサーに登場するキャラクターは幼少期に酷い虐待経験を受けている人物が何人かいますが、蜂野信也はその代表格です。そして、最も心に重大な傷を負っている人物の一人でもあるようです。

これに関しては、中卒の丈一郎よりも東大生で空手エリートの蜂野信也のほうが、精神的に重症なレベルであることが容易に想像できます。なにしろ、自分でも自分の心の矛盾に気付いていないのですから。

虎井と鈴木の血塗られた過去

元ヤクザの東京フィスト幹部。社長の鰐淵をはじめ数少ない幹部の一人で、東京フィストの裏の商売を担当している張本人。

虎井は元ヤクザといだけでなく常識離れの格闘センスの持ち主で、蜂野の言わせるとその強さは路上戦において東京フィストで虎井の右に出る者はいないというほどです。

この虎井清十郎、実は未成年の頃から暴力団の構成員として鉄砲玉をさせられていた過去があるようで、裏の世界の便利屋として有名な鈴木とは、16年前の10月に鈴木の母親の殺害現場で出会っています。

虎井は16年前、中国系マフィアの構成員だった鈴木の母親を組織の命令により拳銃で殺害しましたが、殺害現場を幼かった鈴木が目撃してしまい、鈴木の心には直すことのできない致命的な傷が残ってしまいます。

鈴木はその時、母親を射殺した虎井に子供ながら反抗しようとしますが、力で虎井に及ばず「今回は見逃すが、今度姿を見せたら容赦なく殺す」と釘を刺されて命を長らえます。

そして16年後、獅子戸丈一郎の病室で彼を殺しにやってきた鈴木はようやく虎井と再会し復讐を果たそうとしますが、虎井の圧倒的な強さの前に成す術もなく、あっさりとやられてしまいます。

虎井と鈴木がやり合った時、鈴木は虎井を知っていましたが虎井は犬のマスクを被った鈴木が誰なのか分かりませんでした。

しかし、鈴木に16年前の10月のことを覚えているかと尋ねられたことですぐに過去の忌まわしい経験を思い出しますが、虎井は徹底して知らない不利を貫きます。そして、鈴木を葬った後も「やっぱりお前のこと思い出せないわ」というふうに自分の心に嘘をつきます。

少年時代に人を殺めてしまった虎井清十郎の心には致命的な問題があります。虎井はそれを理解しており、後に丈一郎がセキュリティーの仕事でやむを得ず兼一を射殺した後、「生き地獄へようこそ」と丈一郎を慰めるシーンがあります。

そこだけ読んでも、虎井が実は過去に人を殺めたことを後悔しており、それが心に大きな傷として残っていることがよくわかります。そうでなければ生き地獄という言葉は出てこないでしょう。

しかし、誰よりも救われないのは鈴木です。鈴木は少年時代に目の前で母親を殺された挙句、仕返しもできず自らも返り討ちに遭うという、どう考えても救いようのない悲劇的な存在として描かれています。

今では通行人からプロレスラーに違いないと思われるほど巨大な体に成長し、人並み離れた強さを持った裏の世界の便利屋になりましたが、恐らく虎井を殺すことだけを考えて強くなったのだと推測されます。

ところで、鈴木は虎井に負けたあと佐藤に運ばれて病院から姿を消しますが、12巻の最後で「久しぶりだワン」と言って獅戸と蜂野の前に現れます。

けっこう衝撃的な復活シーンで今後が期待されますが、どことなく殺気がなくて何か別の目的を持って現れたように感じます。

まとめ

鈴木の復活で話がそれましたが、バウンサーの主役級キャラは上記のとおり少年時代に心に大きな問題を抱えた人物ばかりが描かれています。

これは作者であるみずのまことの描き方というか癖のようなものなのか、もしくはそれをテーマにした作品として意識的に盛り込んだ設定なのか、どうも後者のような気がしてなりません。

不幸で恵まれない境遇の青少年が成人してからも不幸の連鎖を生み出すという、社会の片隅や裏側の誰も知らないところに存在するけれど誰も気にもとめない物語を描きたかったのではないかと。

それを裏付ける描写が他にもあります。それは東京フィストの鰐淵社長と阿藤組の若頭補佐である柿根陽介が直接対談した際に、鰐淵が柿根に対して言った言葉から推測されます。

それは、「はっきりさせておきますが、我々はあなたがたとは違う。我々は他人から力づくで奪ったりはしない」と言って、東京フィストとヤクザが同類であると指摘した柿根の言動を否定する一面です。

これは、鰐淵をはじめ虎井や東京フィストの社員全員に言えることですが、東京フィストは実はある意味で暴力組織です。ところが、それが法的に許される根拠のもとで行使された暴力であるか否かによって暴力組織か否かに分かれるだけの話で、それは鰐淵自身が一番よく分かっていることです。

しかし、ヤクザの前でそれを言ってしまえば終わりなので、そこは意地でも同類であることを認めたくなかったのではないでしょうか。

言い換えれば、同類とみなされかねない仕事をしているけれど、根本的に目指しているところが違うと言いたかったのかもしれませんが、暴力が暴力を生むという負の連鎖は、冷静に考えれば誰に出も理解できることで、それを会社という形で繕ったところで所詮は同じだというのが柿根の言い分なのだと思います。

こういう心の葛藤は、暴力を行使しないと自分の存在意義を見出せない人種のサガというか、これもまた人の心の傷のようなものです。誰にも理解されないので、自分から理解されるよう意味付けをするしかない悩み。

東京フィストのメンバーの生き方を描いたバウンサーはセキュリティーというニッチな題材を扱っていて、そのメンバーの生い立ちや生き方にスポットを当てて読むと非常に魅力的な作品であることがわかります。

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