土方歳三が白石奪還のために選んだ助っ人の鈴川聖弘(すずかわきよひろ)は網走監獄の典獄犬童四郎助に変装して歩兵第27連隊の兵舎に潜入して連隊長の淀川中佐と面会することに成功します。犬同に化けた鈴川は白石がここいることを知ったので網走監獄に返して欲しいと要求しますが、淀川中佐はなぜ秘密が漏れたのか不思議に思い警戒します。
天才詐欺師 鈴川聖弘のテクニック
驚いた淀川中佐は白石など知らないとしらを切りますが、犬同に化けた鈴川はとぼけるなと言わんばかりに声をあらげ、第7師団を追求します。
犬同に化けた鈴川は、自分が網走監獄を留守にしている間を見計らって不法に囚人を移送した挙句、全員脱走されたと淀川中佐の尻拭いをしているのだと、第7師団の裏事情を知っていることまで指摘するのです。
痛いところを突かれて言葉がでない淀川中佐でしたが、鈴川はここで追い打ちをかけることはせず敢えて懐柔策をとります。
鈴川は、「今ここに偽札の原版があります」と言いて、カバンから偽札の原版を取り出して淀川中佐に見せます。
そして、これは網走監獄にいる偽札作りの名人に作らせたもので、その男に任せればアメリカだろうがどこの国の偽札でも完璧に作らせることが可能だと説明します。
さらに、戦争で敵国に偽札を大量にバラまくことで経済を混乱させる手法は有効で非常に効果があることを強調いしたうえで、淀川中佐の今の経歴について揺さぶりをかけます。
旅順から帰った後、他の中佐は皆大佐に昇任しているのに、淀川中佐だけが昇任できず中佐に留まっていることを指摘し、冷遇されているとは思わないのかと動揺を誘います。
そしてとどめに、「これは、あなたの手柄だ」とちらつかせた後、偽札作りの囚人と白石を交換しようと持ち掛けたのです。
ここまでくると淀川中佐の心は半分以上犬同に化けた鈴川に飲み込まれていて、落ちるまであと一息というところまでいきました。淀川中佐は白石を兵舎に連れてこさせ、外で交換しようともちかけます。
ところが次の瞬間、部下から犬同典獄が旭川に来たという連絡を受けた鶴見中尉が陰謀に気付いて手配した部下の鯉登少尉が部屋に駆け込んできます。
鯉登少尉は入室するなり鶴見中尉の命令により白石を引き渡すわけにはいかないと犬同に化けた鈴川に突っぱねます。
これに対して犬同に化けた鈴川は、中尉の命令を聞く必要があるのかと階級で格上の淀川中佐をプッシュします。
淀川中佐は鯉登少尉に呼んでいなので帰れと命令しますが、鯉登少尉は言うことをきこうとしません。
そして、犬同に化けた鈴川に突然薩摩弁で話しかけます。
鯉登少尉は、犬童四郎助が樺戸監獄で薩摩出身の囚人と関わっている間に薩摩弁を流暢に話せる人物だという情報を察知していたのです。
鯉登少尉が正体を見破った理由
鯉登少尉:「犬同さん、ちんちんぬきなんもしたなぁ」
(だんだん暖かくなってきましたね)
鯉登少尉:「さっき、おいがなんちゅぅたか、こたえてみっくいやんせ」
(さっき、私がなんと言ったか答えてみて下さい)
犬同鈴川:「よがへるとひえっくんもんでな」
(日が暮れると寒くなるけどな)
鯉登少尉:「あさはてあぶいがいりもすな」
(朝は火鉢が要りますね)
犬同鈴川:「わがばっかりしちょっと」
(独り占めしてますよ)
鯉登少尉:「つんげげくぅたごっがあありもすか」
(薩摩揚げ食べたことありますか?)
犬同鈴川:「さけのしおけにがっついじゃっと」
(酒のツマミにピッタリだ)
鯉登少尉:「じゅじょなのんごるじゃときっもぉした」
(相当な酒飲みだと聞きました)
犬同鈴川:「いまごおはよおなりもおした」
(近頃は弱くなりました)
犬同に化けた鈴川が「近頃は弱くなりました」と答えた瞬間、鯉登少尉は鈴川と杉元に発砲しました。
鈴川は頭を撃たれてその場で死亡し、杉元は肩に被弾して負傷します。
なんと、本物の犬同は下戸だったのです。
*下戸(げこ)・・・お酒を飲めない人のこと
鈴川の下調べと下準備は周到でしたが、犬同が酒を飲めないということまでは知らなかったのです。
騙されたことを知った淀川中佐は、自分の失態を隠すためにすぐに白石を射殺しようとしますが、杉元が身代わりになりもう一発被弾してしまいます。
そして、外に待機していた尾形の援護射撃もあり、杉元は白石を連れて窓を破って外に脱出します。
外に逃げ出した杉元たちは尾形の協力もあり試作段階の気球が配置されてある場所へ向かいます。
そして、追っ手から逃れるために全員気球に乗り込み、なんとか追っ手は振り切ることに成功するのでした。
その後、杉元たち4人は第7師団の兵営から40kmの地点に不時着しましたが、上空から追っ手が馬で気球を追跡しているのが確認されていたため、一行は急いで遠くへ逃げる必要に迫られます。
ところが、あっという間に追っ手に追いつかれてしまった杉元たちは大雪山(だいせつざん)という雪山を徒歩で超える以外に選択肢がなくなり、仕方なく山越えを決行します。
鹿の腹の中のエピソード:吹雪の大雪山
山越えを試みる杉元たちでしたが、山頂付近で猛烈な吹雪に襲われそれ以上進むことが無可能となります。
追っ手も追跡不可能な状態で、まずは吹雪による低体温症で死ぬ前に避難場所を確保することが先決になりました。
アシリパはアイヌの知恵で殺した鹿の腹の中に避難する方法があることを教え、尾形がすぐさま2頭確保します。
鹿1頭に人間が2人入ることができるので、杉元はアシリパと吹雪が収まるまで非難します。
鹿の腹の中でアシリパは鈴川が死んだことについて杉元に苦しんだのかと尋ねます。
杉元は、そもそも悪人なので気にしなくていいとアシリパに適当な返事をします。
杉元の言葉の軽さから自分を軽く見られていると感じたアシリパは怒りを露わにしますが、杉元は自分も含めて誰もがみんな戦場では心を殺さなければ生きていけなかったことを語ります。
アシリパは、皆もとに戻れなかったのかと尋ねますが、杉元は戻れた人もいたかもしれないが、戻れなかった人は心がずっと戦場にいるのだと語ります。
杉元が暗い話をする横でアシリパは鹿の肝臓を食べていました。そして、杉元の好きな食べ物がなにか尋ねます。
杉元は「干し柿かな」と答え、渋くて食べれない柿が干すと甘くなって食べれるのだと説明しますが、北海道には柿の木がないためアシリパは知らなかったようです。
杉元は、もう何年も食べておらず最後に食べたのは戦争に行く前だったかもしれないと記憶も定かではないようです。
戦争から帰って食べなかったのかと尋ねるアシリパに対して、杉元は「春だからなかったんだよ」としみじみと答えます。
するとアシリパは、「杉元も干し柿を食べたら、戦争に行く前の杉元に戻れるのかな」と心に突き刺さることを言います。
さらに、「すべてが終わったら、杉元の故郷へ連れて行け。私も干し柿が食べてみたい」と言って眠ってしまうのでした。
以上が第17話のあらすじです。
大雪山でのエピソードはゴールデンカムイのキーポイントとも言える需要なエピソードで、人気があるだけでなく、ゴールデンカムイの物語の底を流れる重要なテーマとも関係がある深い内容でした。
個の大雪山でのエピソードは後に続く展開に大きく関わってくるのは全部見た人にしか分かりません。
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