バウンサー11巻では東京フィストと敵対する関暴連の柿根陽一(かきねよういち)について詳しく描かれます。柿根陽一がBデータを欲しがる理由はすでに分かっていますが、それとは別に獅子戸が有賀を守るために兼平拳一を殺めたことはすでに関暴連にもバレており、柿根陽一は兼平拳一の祖父である兼平兼吾郎から獅子戸を殺害するよう命じられます。
柿根陽一は獅子戸を騙して逃げられない状況に追い込み、死ぬ間際にBデータについて知っていることを全て話すよう迫りますが、柿根が見た獅子戸の心の中には想像を絶する結末が待っていました。
登場人物
- 獅子戸丈一郎(ししど じょういちろう)
- 蜂野信也(はちの しんや)
- 虎井清十郎(とらい せいじゅうろう)
- 鰐淵剛志(わにぶち つよし)
- 高島亮一(たかしま りょういち)
- 鶴見拓哉(つるみたくや)
- 有賀勇気(ありがゆうき)
- 柿根陽一(かきねよういち)
- 小池珠理奈(こいけじゅりな)
- 小池勇輝(こいけゆうき)
柿根陽一という男
みずたまことの『バウンサー』では特殊な才能や能力を持った人間が随所で描かれます。裏社会の掃除屋である佐藤や鈴木、また虎井や獅子戸がそうですが、柿根陽一には他の誰とも比較できない特別な能力があります。
柿根陽一は外から見るとごく平凡な家族思いの優しい夫・パパで、愛妻の乃愛花(かのあ)と溺愛する娘の乃亜(のあ)を大切にしています。ところが、天然の妻は柿根の本業を全く知らず、柿根も知る必要はないと本気で思っています。
柿根は本業では関東最大の反社会勢力である剛浄会の若頭から最年少の若さで組長にまでのし上がったという経緯があり、これには間違いなく柿根の隠された能力が関係しているようです。
柿根陽一は所属する剛浄会のある組に所属していましたが、阿藤組の組長である阿藤が急死したことと、若頭の木下が実刑で入所したことが重なり柿根陽一は34歳という若さで組長に取り立ててもらえたという経緯があります。
ところが、柿根陽一には他人の心が読めるという特殊能力があると噂されていて、周囲には柿根が自分の出世のために親殺しを働いたのではないかと疑っている者もいます。
そのため柿根は執行部本の矢雲組組長である荒垣修平(あらがきしゅうへい)の力を借りることで周囲の中傷を黙らせてのし上がる必要があったわけですが、その代償として柿根は荒垣の財布にされてしまい毎月多額の上納を要求される立場にいるのです。
恐らく柿根はBデータを手に入れることで警察組織の弱味を握り、最終的には剛浄会も日本の反社会勢力も全てを牛耳るつもりなのかもしれません。
とりあえず、Bデータが手中に無い今は荒垣の言いなりになり、頭を勝ち割られるような大怪我をさせられても一切抵抗しようとしません。
しかし、柿根が知っているか否かに関わらず剛浄会会長の白月烈士(しろつきれっし)は、この世界で親殺しは絶対に許すことはできないとして、柿根は逸材だがもしも親殺しの証拠が見つかったら躊躇わずに始末するよう荒垣に命じます。
獅子戸丈一郎と柿根陽一の掛け合い
ある日、野望を撃ちに秘める柿根陽一が夜の街で娘と歩いている最中、偶然通りかかった獅子戸にアイスクリームをべちゃっと当ててしまい、柿根は知らない不利をして謝罪します。
そして、汚した上着をクリーニング店へ持って行くのに同行したうえ娘の乃亜を同伴して喫茶店に入り世間話をします。
ところがこれは当初から柿根が仕込んでいた罠で、獅子戸はまんまと柿根陽一のテリトリーに引き込まれていたのです。
喫茶店は柿根の息のかかった店で、気付いた時には店内の客は全て柿根の部下だけになっていて、総勢50人に及びます。しかも獅子戸たちが座っている席は店内で出口から最も遠い奥の角席だったため、逃げるという選択肢はもはやありませんでした。
会話の最中、柿根の額にある傷を見てそれが拳銃によるものかもしれないと察した獅子戸でしたが、気付いた時にはて遅れで、談笑は尋問へ変わります。
柿根陽一は今ここへ獅子戸を連れて来たのは兼平拳一の祖父から獅子戸を殺すよう命じられたからだと伝えたうえ、冥途の土産にBデータについて知っていることを話すよう迫ります。
この後、互いに一進一退の心理戦が展開され、獅子戸は柿根陽一が相手の心を読めるというのが事実であることを知ります。
一方で柿根陽一は獅子戸が死を完全に受け入れた上で最後まで抵抗する覚悟ができていることを心を読んで理解します。
柿根陽一が見た獅子戸丈一郎の心の中
「俺に”掛け合い”で勝つことは不可能だ」と豪語する柿根陽一でしたが、さすがに死を厭わずあがき続けて最愛の娘が死ぬ姿まで見えてしまうと、そのリスクを冒す価値はないと判断します。
柿根が見た獅子戸の心の中では、獅子戸は柿根の命令で発砲しようとした護衛の拳銃を素早く奪い取って反撃し、自分も娘も見境なく発砲したうえで、最後は部下たちにハチの巣にされる光景でした。
常人はそうならないように事態を回避する想像をするものですが、獅子戸丈一郎という男の心の中では決して相手に屈服しない『心の牙』がそういう形でイメージ化されていたようです。
それを能力で見抜いた柿根は脅しても無駄だし、殺そうとすれば自分も死ぬことになるので無駄だと判断したのでしょう。
結局、獅子戸は無傷で黙って帰してもらうことになります。
ところで、柿根陽一が相手の心を読めるようになったのは中東で石油ビジネスに関わっている最中のことでした。柿根は中東で頭を撃たれましたが、残った脳の残存能力をフル活用させることで今のようなことができるようになったとのことで、能力を使うと脳を酷使して目から大量の血の涙が出ます。
帰り際、部下が運転する車のなかで危険な思いをさせた娘に誤る柿根の目からは血の涙が滝のように流れ落ちるのでした。
12巻に続く。
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