旭川に江渡貝剥製所がありました。店主の名前は江渡貝弥作。第7師団の鶴見中尉は、一流の腕を持つこの剥製職人を利用して入れ墨人皮の偽物を作らせようと企んでいました。鶴見中尉は江渡貝が墓場で怪しげな行動をしているのを見たことを話し、それをネタに脅して協力させようとします。
殺人鬼の天才剥製職人 江渡貝くん
江渡貝がただの剥製職人でないことは、彼の工房にある人間の剥製を見れば一目で分かることです。
明らかに死んだ人間、もしくは殺した人間を剥製にしていることは間違いなく、鶴見中尉は墓場で動物の剥製の材料を不法投棄している江渡貝を見て、殺害した人間の死体を遺棄しているものと勘違いします。
そして、死体を遺棄したことを知っているという切り口で脅そうとしていましたが、意外にも遺棄していたのは動物の死体でした。
そのため、殺人をネタに脅迫することができなくなった鶴見中尉は、江渡貝の病的な人格に着目し、それを利用することに変更します。
鶴見中尉は江渡貝くんとの信頼関係を構築するために、全く興味のない彼の作品に対してあたかも大ファンであるかのように作品をべた褒めします。
褒めれば褒めるほど喜ぶ傾向にある江渡貝は、隠してある自分のコレクションを持ち出して全て鶴見中尉に見せると、どれもこれも素晴らしいと褒めてもらえるので有頂天になります。
自分の作品を褒めてくれる人間を信用できる人間だと捉えた江渡貝は鶴見中尉に完全に心を掴まれてしまいます。
そして、鶴見中尉が江渡貝の心を掴み切る最後の断簡に移行します。
鶴見中尉により精神が解放された江渡貝くん
江渡貝の工房の奥には別室があり、江渡貝にしか聞こえない声の話主たちが潜んでいます。
部屋の主たちは皆等身大の人間の剥製で、生きている人間と変わらないほど見事に作られています。
これらの剥製が全て死んだ人間を剥製にして作られたことは間違いありませんが、全て江渡貝が殺したものかどうかは定かではありません。
ただ、剥製の中にある母親の存在は特別で、江渡貝が鶴見中尉と話をしているだけで、あれこれと口出しをして、信用するなとか口を挟みます。
傍目に見れば江渡貝の独り言に見えるだけですが、本人にとっては厳しい母親に抑圧されて圧倒されており、精神的に虐待されているのは間違いありません。
江渡貝は子供の頃から母親の異常な抑圧にさらされ精神を病み、唯一の理解者である父親まで母親に殺されたことで、異常な人格を形成するに至ったのです。
鶴見中尉は江渡貝の悲しい生い立ちや現状を即座に分析して見抜くと、本人に母親の亡霊と決別して精神的に自立する道を選ばせます。
拳銃を握らせ母親の剥製の頭を目がけて発砲させ、銃弾が剥製の頭に命中した時には母親の幻聴は聞こえなくなっていました。
江渡貝は、「母は心臓発作で亡くなったが、生きてるうちに決着をつけるべきでした。ありがとうございました」と、過去の自分が母親に支配されていたことを自覚し、さらに感謝の言葉を口にします。
鶴見中尉の人心掌握術は精神科の医者も頭が下がるほどの凄腕で、まさに天才的なメンタリストだと言えます。
ここまで来たらもう勝ったも同然です。
鶴見中尉は江渡貝に正直に本当の目的を話します。
今自分が来ている入れ墨人皮は暗号になっているが、デタラメの暗号が入った偽物の入れ墨人皮を作りたいと。
自分たちにしか判別できない精巧な入れ墨人皮を複数枚作ることで、入れ墨人皮の争奪戦を混乱させたいのだと。
そして、江渡貝は鶴見中尉の頼み喜んで引き受けるのでした。
のっぺら坊の正体について話し合う土方一味
その頃、土方歳三のアジトには長倉と牛山の他に札幌世界ホテルの家永と第7師団を脱走した尾形百之助がいました。
家永は負傷して牛山が看病をしていますが、尾形は第7師団を抜けて追跡を逃れて土方歳三に引き込まれたようです。
ここで牛山の口から土方一味の現在の入れ墨人皮の獲得状況が確認されます。
牛山辰馬、家永、土方歳三、辺見和雄と白石の2名分の写し、尾形が入手した1枚。
合計6枚であることが再確認されます。
さらに尾形の口から土方たちしか知らないはずの発言が飛び出します。
「のっぺら坊はアイヌなんだろう?
殺された7人は各地の村の代表者で、和人と戦うために金塊に手を付けた。
のっぺら坊の目的がアイヌによる北海道の独立なら、どうして仲間割れした?」
第7師団がここまで知っていたことに驚いた長倉でしたが、土方は尾形の情報を否定します。
「恐らくのっぺら坊はアイヌに成りすました極東ロシアのパルチザンだ。
ロシアといっても一枚岩じゃない。
帝政ロシア、レーニン率いる共産党、少数民族で構成されたパルチザン。
これらの精力が三つ巴になって殺し合っている。」
つまり、のっぺら坊はロシアのパルチザンが独立運動の資金の為にアイヌを騙して金塊を強奪しようとして失敗した人物で、現在監獄の外にいる連絡相手もアイヌに成りすましたパルチザンだということです。
この段階では、のっぺら坊が純粋なアイヌではないことと、その金塊を奪ったのは祖国の独立が目的で、北海道のアイヌはその犠牲になったという推測に落ち着いています。
小樽で猟に出る谷垣
その頃、小樽では留守番をしている谷垣はオソマの父親とふたりで街の銃砲店まで買い物に行きます。
谷垣は二瓶鉄造譲りの村田銃の弾を購入したかったのです。
帰り道、傷も治って良く歩けるようになったとオソマの父親が喜んでくれます。
その時、川の向こう岸に一頭の鹿を発見し、2人は仕留めて帰ることにし、谷垣が銃で撃つことにします。
ところが、発砲する瞬間に背後で物音がして狙いが狂い、谷垣は急所を外してしまいます。
それでもたいした腕だと褒めてくれるオソマの父親に、1人の少年が近づいてきました。
それは、幼くして両親を失い村のみんなが育てている少年で名前はチカバシといいました。
オソマの父親はチカバシという名前の由来を谷垣に教えます。
「チカバシ、つまり鳥が起つという意味だ」
これを聞いた谷垣は、
「つまり勃起か、本当にいい名前をもらったな!」
とチカバシをうんと褒めてあげるのでした。
この時の谷垣は、二瓶鉄造譲りの勃起魂と少年時代に黙って大人の狩りに付いて行って怒られていた自分をチカバシに重ねて見ていて、とても親近感を感じていることが分かります。
インカラマと谷垣
谷垣たちフチのいる村に帰ると、そこにはなんとあのインカラマがいました。
インカラマは大勢の人に囲まれてまた占いをしているようです。
谷垣を見たインカラマはいつものようにニシパを見つけると勝手に占いをはじめ、「あなたは妹さんを失くしていますね」とドンピシャで谷垣の身の上を当ててしまいます。
谷垣は初対面で本当のことを見抜かれたことでド肝を抜かれます。
その夜、インカラマはこの村に来た理由をフチのいる家で話します。
この村に来た理由は青い目をしたアイヌの女の子、つまりアシリパを探しているからだと。
インカラマは自分の占いでアシリパの旅には3人のニシパがいたが、その中の一人に裏切り者がいるという占いに出たというのです。
それはかなり危険な男で、アシリパの命に関わることが起こるでしょうと説明します。
インカラマの話はオソマの父親がフチに全て通訳して伝え、フチは話を聞いている間ずっと目を閉じて何かを考えていたようです。
翌朝、谷垣はアシリパを無事に連れ戻すために杉元たちを追いかけることを決意します。
実は昨夜のインカラマの占いをフチが信じたことで、フチを大切に思う人情深い谷垣はフチの思いを無視できなかったのです。
ところが、この旅にインカラマが勝手に同行するといいだしました。
「俺はあんたの占いを信じたから行くわけじゃない」とそっけない谷垣でしたが、
インカラマは、「だって私、顔に傷のある男性に弱いんです」と言って胡麻化します。
実はインカラマは鶴見中尉のスパイで、谷垣は利用してアシリパの居所を掴むために利用されようとしているのでした。
はたして、3人のニシパの中の裏切り者とはいったい誰のなのでしょうか?
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