バウンサー3巻は東京フィストの体験入社で適正無しと判断された獅子戸丈一郎が全身全霊の土下礼で鰐淵社長の心を動かし、虎井清十郎から「命の守り方」を教わり始めるところから始まります。
虎井清十郎は東京フィストでは右に出る者がいない実力者で、獅子戸の話を鰐淵社長から聞いて実践の模擬訓練を担当することになったのでした。
東京フィストには実践を想定した格闘訓練が重視されていて、トレーニングには街中さながらの柱や武器が転がったより現実的な環境が用意されています。
獅子戸はここで虎井清十郎から格闘術のイロハについて多くのことを学びます。
努力とは基本的に人を裏切る
だが何かを本気で叶えようと思うなら・・・
裏切られる事大前提でやるしかない
たとえ失敗し夢か叶わなくとも
そこにしか道はないのだから
引用元:みずたまこと バウンサー3巻P63-P64
登場人物
- 獅子戸丈一郎
- 蜂野信也
- 鰐淵剛志
- 虎井清十郎
- 高島亮一
- 佐藤
- 鈴木
- 有賀
獅子戸に課された筆記試験【1000問中800点以下でクビ確定】
虎井清十郎のもとで格闘術を教わる獅子戸でしたが、ただ「命の守り方」を教わるだけではありませんでした。虎井は獅子戸に1カ月に入社試験を受けてもらうことを告げます。
試験はLテストという名前の筆記試験で、1000問中800点以下なら問答無用で不合格(クビ)という条件で、試験内容が記されたSDカートを渡されて勉強しておくよう伝えられます。
ところで東大生の蜂野もLテストを受けているのは当然ですが、実は蜂野の得点は998点という高得点でした。しかし蜂野目線で考えてもLテストの内容は通常1年がかりで取り組まないと難しいレベルの内容だというのです。
この時点で獅子戸が筆記試験を受けることは確定していますが、虎井以外は誰も合格するとは思っていません。実はそんな簡単な試験ではなかったのです。
そして試験当日、800問(200問×4枚)で制限時間は1枚に1時間。獅子戸の試験結果は見事不合格でした。しかも点数は0点。
獅子戸の合格に唯一賭けていた虎井は逆上しますが、蜂野が冷静に答案のマークシートを確認してみたところ、なんと獅子戸は誤って3行ずらして回答していたことが分ります。
そして、3行ずれていない前提で答え合わせをすると、なんと962点という高得点をとれていたのです。
この高得点は鰐淵社長の心を動かしたのでしょうか。獅子戸は今回も社長の温情で仮合格という形でLテストに合格したのでした。
ところが、東京フィストの入社試験は筆記試験のLテストだけではありません。最終試験の実地試験に合格しない正式に入社することはできません。
この後獅子戸はLテストに続いて実地試験を受けることになります。
失敗したらクビ確定!合格したら正社員!一発勝負の実地試験
実地試験はミッションをクリアすること。ミッションの内容は制限時間以内に鞄に入った荷物を傷つけずに指定された場所へ届けることです。
このミッションはあまりにもシンプルな反面、当然のようにミッションを妨害する者に対処する能力も問われているのは明らかでした。
試験当日、それはまさにCS(クラブセキュリティー)の勤務中のことでした。獅子戸はそれが試験だと知らされることもなく突然ミッションを授かります。そして鰐淵社長をはじめ東京フィストの幹部たちが待っている場所まで渡された鞄を届けるために出発します。
道中、獅子戸は人気の無い区域で車から降りて来た12人の覆面集団に突然周囲をまれます。
これは東京フィストが試験のために用意したミッションを妨害する要員ですが、なんと虎井清十郎が昔の人脈を使って金で関暴連の構成員を雇っていたのです。
ところが、なぜかその人数が虎井が雇った5~6人の倍になっており、そうとは知らない獅子戸はなんとしてでも切り抜けようと頭を働かせます。
そして、12人という無理ゲー的な相手を全員相手にするのではなく、覆面を被った男たちの中からリーダーを見つけ出し、リーダーを倒すことで統制を崩す作戦に出ます。
この作戦は案外うまくいき早い段階で集団のリーダーである有賀という男を見つけることに成功します。ところが、獅子戸が12人の覆面を相手にしているのを傍で静かに静観している2人の男がいることに誰も気づいていませんでした。
想定外のミッション【佐藤と鈴木の登場】
獅子戸たちのやり取りを静観していたのは佐藤と鈴木という裏の世界の掃除屋でした。佐藤は身長約175㎝で体重70kgくらい、鈴木は身長190センチで体重120㎏はある大男で、佐藤は右腕がないのが特徴で鈴木は犬のマスクが特徴です。
この2人がなんのために現場に来たのかは不明ですが、獅子戸が関暴連の有賀がリーダーだと見抜いた時点で集団の前に堂々と姿を現しました。
そして、次の瞬間信じられない光景が飛び込んできます。
なんと関暴連の仲間が鈴木に手で簡単に首をへし折られて地面に転がってしまったのです。
さらに佐藤は左手と蹴りだけで次々に関暴連の構成員を殺害していきます。まさに秒殺です。
鈴木に捕まった奴は振り回されて電柱に叩きつけられ、顔が変形するほどの顔面骨折で即死状態。
あっという間に関暴連の構成員達は残り3人になってしまいます。
そして、誰一人逃げようとしません。鈴木と佐藤に路地の反対側から挟撃されてしまい逃げ場がなかっただけでなく、命の底から恐怖を感じて怖くて動けなくなってしまったのです。
佐藤と鈴木の乱入で獅子戸のミッションはわけの分からない状況に早変わりしてしまいました。鞄を無事に届けるというミッションは確かに残っているものの、目の前には明らかに非現実的で試験には程遠い凄惨な光景が広がっています。
このミッションに失敗すればもはや正社員になれるチャンスは2度とないと分かっていた獅子戸はなんとしてもミッションをクリアすることしか考えていません。
ところが、自分を襲った3人を助けなければ佐藤と鈴木に殺されるのは明白です。
本気でやりたい仕事で正社員になるために逃げきるか?
それともバウンサーとして目の前の3人を守る道に走るか?
獅子戸丈一郎は極限状態で究極の選択に迫られます。
究極の選択を迫られた獅子戸の決断とは?
この土壇場で獅子戸丈一郎が下した決断とは、「逃げる」ことでした。
獅子戸は狭い路地を佐藤と鈴木に挟まれている状況を頭の中で整理し、佐藤が有賀に対峙している方向なら持っている小銭を投げて注意をそらすことでなんとか走り抜けることが可能だと判断します。
そして想定通りに小銭を投げて注意をそらし、走り抜けることに成功したと思った次の瞬間、とんでもないアクシデントが発生します。
なんと、自分を襲った有賀が地面に倒れた状態で足を掴んで「助けて、死にたくねェ」と命乞いをしたのです。
とんでもない命乞いに筋違いもいいところだと感じた獅子戸の心に、幼い頃自分を養ってくれた勇一郎叔父さんの言葉が思い浮かびます。
これだけは約束してほしい。
なにがあろうと、決して自分の命を粗末にしないでくれ・・・
引用元:みずたまこと バウンサー3巻 P79
この言葉が脳裏に浮かんだ途端、獅子戸の選択は正反対の方法に変わります。獅子戸は「有賀たちを守る」と考え直し金を出せと要求します。金を出せば守ってやると。
「決して自分の命を粗末にしない」という約束は、裏返せば他人の命を粗末にしないということなのでしょうか。それともお金を理由にすることでしか本心を正当化することができないのでしょうか。このあたりの事情は『バウンサー』の一環したテーマのひとつであることに間違いありません。
答えは作中に見られる作者の言葉から読み取ることができるかもしれません。
ある意味仕事とは最高の言い訳である
仕事の報酬によっては他者の命も例外ではない
仕事を言い訳にすれば自らの命の危険ですらも顧みない行動を可能にする
クソな不良(ボンクラ)は仕事を言い訳にして
自らの牙を貫き通すために戦う
引用元:みずたまこと バウンサー1巻 P183・184・187・188
この後、獅子戸には佐藤と鈴木の2人を相手にしたガチンコ勝負が待っています。
はたして獅子戸はこの絶体絶命の状況を切り抜けることができるのでしょうか?
4巻に続く。
バウンサーを購読する方法
バウンサーは月額制のサブスクを利用するか電子書籍を購入して読むことが出来きるほか、U-NEXTの31日間無料トライアルを利用して無料で読むこともできます。
・楽天kobo
楽天koboならバーチャルオフィスー全巻を無料で一部試し読みできます。
サブスクではなく買い切り派の人におすすめです。
*作品によって試し読みできるページ数が異なります。
\楽天ポイントが貯まりやすい!/
楽天kobo 公式サイトこちら ≫
- DMMブックス
初回限定で70%OFFクーポン(上限3,000円)が利用できる!
\30日間無料トライアルを利用できる!/
DMMブックス 公式サイト ≫
- ebookjapan
会員登録するとバウンサーを試し読みできる!
無料で試し読みする
e-book 公式サイト ≫
- U-NEXT
月額2,189円(税込)で対象作品が読み放題!
31日間の無料トライアルを利用すると動画・電子書籍の対象作品が見放題・読み放題!
\31日間の無料トライアルが超お得!/
U-NEXT 31日間無料トライアルはこちら ≫
コメント