第24話はようやく『のっぺら坊』をみつけた杉元が本人と会話するところから始まります。アシリパのマキリを見せられた『のっぺら坊』はどうして杉元が持っているのだと尋ねるととも、アシリパが来ていることを察知し周囲を見渡します。
金塊のありかを聞き出すためにを腕を引っ張り連れて行こうとする杉元に対して『のっぺら坊』は、「金塊のありかはアシリパにしか話さん」と拒否します。
土方歳三と犬童四郎助の決着
同じころ、教会堂の中では土方歳三と犬同典獄の激しい斬り合いが展開されていました。
函館戦争で幕府を裏切り新政府軍として戦った犬童は、武士として最後まで幕府に命を捧げることのできなかった後ろめたさに悩み続けており、それを消し去るには土方歳三のように命を賭けて最後まで戦った武士を自分の配下ひ置く必要がありました。
土方歳三を精神的に屈服させ自分の部下にすることで、過去に武士と呼ばれた犬同にとっては亡霊に等しい存在の呪縛を介抱することができると信じていたのです。
そのため犬同は函館戦争の後で土方歳三を捉えると、誰にも土方が生きていることを知らせないまま30年以上にわたり監獄に収監していたのです。
途中で剣術師範として監獄に出入りしていた長倉が偶然土方を見かけ、事実を知った長倉が猛烈に講義したにも関わらず、犬同は最終的に土方歳三を最果ての地である網走監獄へ移送してしまった事実もあります。
斬り合いの最中、土方歳三から事実を突きつけられ恥をさらされる犬童は、「私の配下になり毎日私の靴を磨け」と屈辱的な要求を続けます。
ところが土方歳三の目はランランと輝き闘争心に漲っています。そして、屈服しないなら殺すもやむなしと思った次の瞬間、土方に鮮血を浴びせられ視界が閉ざされた犬同は一太刀で敗北してしまうのでした。
最後に一言、「やれ、最後のサムライ」と言い残し、犬同は首を切り落とされます。
『のっぺら坊』が明かした真実と杉元の思い
金塊のありかを話そうとしない『のっぺら坊』でしたが、アシリパが来ていることを知り杉元にアシリパのことを話し始めます。
アシリパは山に籠ってゲリラとして戦えるよう子供の頃から仕込んであり、埋蔵金のありかはアシリパにしか話すつもりはなくアシリパはアイヌの希望なのだと。
ところが杉元は、金塊のありかも知りたいがアシリパを争奪戦に巻き込んだ『のっぺら坊』に納得しておらず、土方歳三にアシリパの和名をわざわざ教えたのはなぜか、どうして彼女をこの争いに巻き込んだのかと追求します。
その時、『のっぺら坊』は遠くの建物の屋根に立ちインカラマが自分のプレゼントした服を着てこちらを見ている姿を発見します。そして杉元から双眼鏡を借りてアシリパの姿も確認します。また、アシリパも双眼鏡を除いた先に紛れもなく父そのものである『のっぺら坊』を確認して涙を流します。
お互いの存在が確認できたところで『のっぺら坊』は安心し、杉元に伝えます。
「アイヌを殺したのは私ではない。アシリパに伝えろ。金塊のありかは・・・」
ここまで話したところで『のっぺら坊』は何者かに頭を狙撃されて死んでしまいます。
そして立て続けに杉元も頭を狙撃されて倒れてしまいます。
なんと、2人を狙撃したのは見方のはずだった尾形百之助でした。
金塊の謎を解くカギはアシリパだけになってしまった！
『のっぺら坊』が殺されたことで金塊のありかを知る者はいなくなってしまいました。もはや金塊の手がかりはアシリパだけに託され皆がアシリパを奪おうと争いになることを察知したインカラマは、アシリパにすぐ逃げるよう説得します。
杉元を置いて行けないと抵抗するアシリパでしたがキロランケが担いで無理やり外へ連れ出します。ちょうどその時、事情を聴いた谷垣が杉元を助けに監獄の敷地へ入っていきます。
尾形はトドメをさそうと杉元を狙って発砲を続けています。谷垣は建物の陰から杉元と『のっぺら坊』の亡骸を引っ張り込もうとしますが、腕を狙撃されてしまいます。
ところが谷垣は勇気を出して飛び出し、2人とも馬鹿時から出抱きかかえて弾の当たらない陰に引き込むと、2人を担いで敷地の外へ走って脱出します。しかし、谷垣は敷地の外に出たところで腹から血を流して倒れているインカラマの姿を発見し駆けよります。
インカラマは、『のっぺら坊』(ウィルク)が撃たれる時にキロランケが誰かに合図を送っていたことを谷垣に伝えます。これを聞いた谷垣はキロランケが裏切っていたことを悟りショックをうけますが、次の瞬間、鶴見中尉率いる第７師団の隊員に見つかってしまい全員身柄を拘束されてしまいます。
第７師団に助けられた杉元とアシリパと行動するキロランケ
一方、『のっぺら坊』の死とは別に網走監獄は鶴見中尉の第７師団が制圧してしまい、杉元・谷垣・インカラマ・家永の４名は第７師団に拘束されてしまいます。
なんと杉元は天才外科医の家永のおかげで頭に銃弾を被弾したにも関わらず命を取り留めたのです。それどころかすでにオニギリを食べれるくらいまで回復しているのでした。
杉元は「あんな狙撃ができるのは尾がしかいない。撃たれる瞬間にあいつを感じた」と証言しますが、事情を知らないアシリパや白石は尾形・キロランケと行動をともにしており、尾形から杉元は死んだと吹き込まれています。
鶴見中尉は杉元にキロランケたちは樺太へ向かうはずだと話します。かつて極東でゲリラ活動していたウィルクは北海道で金塊を獲得し移動させる途中で捕まったことから、そもそも金塊の情報は樺太を通じて極東へ渡るはずだったと推測しているからです。
そして、もはや唯一の手がかりとなったアシリパと一緒にいるキロランケは必ず金塊のありかをアシリパから聞き出して極東へ戻ろうとするはずだと踏んだのです。
鶴見中尉の読みはまさに当たっており、キロランケと尾形たちは事情を知らないアシリパや白石とともに樺太を目指して出発しようとしていました。
鶴見中尉はアシリパ奪還に向けて第７師団も樺太を目指すことに決め、月島軍曹と鯉戸少尉にその役目を任じます。そして杉元と谷垣はアシリパが信用しているのは自分たちだけだと主張し、月島軍曹と鯉戸少尉に同行することが決まります。なお、鶴見中尉は網走監獄の後片付けがあるので残ることになります。
一方、『のっぺら坊』の奪還に失敗した土方歳三は網走監獄で新たな情報を入手したようで、犬同典獄が土方たちでさえ知らない有力な情報を集めていた痕跡を発見し新たな希望を見出し、南を目指して出発するのでした。
物語は第7師団・キロランケ・土方歳三の３者の行動を追う形で新たな展開が始まります。
はたして杉元たちは第７師団にどうこうしてアシリパを奪還できるのでしょうか？
また、南へ向かった土方歳三の狙いとはなんなのでしょうか？
第３期へと続く。
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