荒木飛呂彦の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』は第3部からスタンド能力を駆使した闘いがたくさん描かれますが、このスタンドバトルには下記のようなルールがあります。
- スタンドはスタンドでしか倒せない。
- スタンド使い本体を倒せばスタンドも消滅する。
例外:スタンド使い本体が死んでもスタンドエネルギーだけが生き続けるケースがある。
ところが例外的にスタンドだけが存在してスタンド使い本体が存在しないことがありました。そういう闘いでは決まってスタンドがやたら強くて苦戦する展開になるのも特徴的です。
以下に本体が存在しないスタンドでスタンドを倒す以外に勝つ方法がなかった闘いを5つ紹介しようと思います。
第3部:アヌビス神(刀のスタンド)
アヌビス神は空条承太郎一行がエジプトへディオを倒しに行く途中、ポルナレフが遺跡で遭遇して憑りつかれてしまい、最終的に承太郎が一対一で闘って勝利したスタンドですが、スタンド使いは自分自身を作った刀鍛冶でとっくの昔に死んでいます。
アヌビス神は刀そのものが実態を伴ったスタンドで、生身の人間の目にも見えますし触ることも可能です。そして、アヌビス神の刀に触れたものは精神と肉体を乗っ取られて操られてしまうという能力を持っています。
また、憑依した人間が死んだりすると再度誰かに触れるまでスタンド能力を発現することができない弱点がありますが、再度誰かに憑依できると直前に受けた攻撃は全て学習して身に付けており、前回同様の攻撃力では倒せないという特性をもっています。
そのため、一度でもアヌビス神の方に憑りつかれた人間と戦うとすれば、2度と誰にも刀を触らせてはいけないとい危険な代物だと言えます。
承太郎はアヌビス神との闘いで多くの攻撃パターンを学習されてしまい大苦戦しますが、最終的に今まで以上の全身全霊のオラオララッシュをお見舞いすることで、なんとか憑依されポルナレフを救うことに成功しました。
戦いの後、アヌビス神の刀は運悪く川底へ沈められてしまい、2度と人間に触れる機会を失ってしまい事実上再起不能となり決着がつきます。
第4部:ストレイキャット(ネコ草)
ストレイキャットは『ジョジョの奇妙な冒険第4部』で吉良吉影が化けた川尻幸作の家に勝手に住みついたスタンド能力を持ったネコが物置で事故死して庭に埋められた後、残っていたスタンドエネルギーが庭の雑草に宿って具現化した植物の実態を伴ったスタンドです。
ストレイキャットはまたの名をネコ草といいますが、任意の空間を真空にして敵とみなした相手にぶつけるという高等スキルを持っており、これは空気弾と呼ばれます。
空気弾にあたると大打撃を受けるのはもちろん、万が一防ぐことができても空気が体内に入ったりすると血液に空気が混入して二次被害でトドメを刺すことができるので非常に危険な攻撃方法だと分かります。
ストレイキャットからはじめて攻撃を受けたのは吉良吉影でしたが、吉良は猫じゃらしでストレイキャットの気をそらすことで攻撃を忘れさせ、家の屋根裏で秘密裏に飼育することにします。
ストレイキャットは最終的には吉良吉影と東方仗助たちとの最終決戦にも利用されますが、吉良吉影が死んだ後は虹村億安が引取って父親と一緒に住むことになります。
なおストレイキャット(ネコ草)については、荒木飛呂彦の作品で犬猫が死亡する描写のあるエピソードを検証してみたでもその他の事例で解説しています。
第5部:セッコ
セッコは『ジョジョの奇妙な冒険第5部』に登場するボスのディアボロでさえ嫌悪感を感じるほどのゲス野郎で、元医者のスタンド使いチョコラートにだけ心を許しています。唯一分かっているのはセッコは昔チョコラートの患者だったということだけです。
2人は非常に仲が良くセッコはチョコラートの言う事しか聞きませんが、ブチャラティーたちとの闘いで先にチョコラートがジョルノに負けたことを知るとゲス野郎の本性を表します。セッコのスタンドは身にまとった気味の悪いスーツと一体化したもので、人間の目で見ることも可能です。
セッコの能力は触ったものを全て泥化してドロドロの沼にして、自分だけ沼の中を自由自在に泳ぎ回ることができるという能力です。しかも戦闘能力も桁外れに高く、肉弾戦ではブチャラティーでも敵いませんでした。
セッコを正攻法で倒すのは困難だと判断したブチャラティーは、地面の中をジッパーで進みながら槍に変形させたアスファルトを雨のように降らせて攻撃するセッコがトドメをさしに泥沼に飛び込んでくるのを待ち、液体の中で車のタイヤを破裂させてセッコの鼓膜を破裂させてしまいます。
鼓膜が破れたセッコは三半規管が働かないだけでなく会話も成立しなくなり戦闘不能となり敗北します。
第5部:ギアッチョ
ギアッチョは『ジョジョの奇妙な冒険第5部』でボスのディアボロに反旗を翻したヒットマンチームの一員です。
ギアッチョのスタンドは身にまとった氷のスーツそのもので、人間の目でも見ることが可能な実体化されたスタンドです。
スタンド能力は周囲の水分を瞬時に冷凍することが可能な急速冷凍術で、河川の水でさえ数秒で凍らせることが可能です。
ジョルノとミスタはボスの指令を受け取るために指示された場所へ向かう途中でギアッチョの追跡に追いつかれて攻撃を受け、ギアッチョの氷結能力に苦戦します。
しかし、ミスタの機転聞かした攻撃でギアッチョを柱の釘に串刺しにすることに成功し、氷の能力には勝てませんでしたがギアッチョ本人の息の根を止めました。
第5部:スタンド亀
スタンド亀は『ジョジョの奇妙な冒険第5部』に登場する亀のことで、亀の背中の甲羅に鍵状の穴があいていて、そこに鍵をはめ込むと亀の中に入れるという能力を持っています。
亀自体がスタンド使いで何かを自分の体内にかくまう能力ということになりますが、誰がどうやってみつけたのか、どうやって使い方を知ったのかは謎で、ボスが娘のトリッシュを無事に自分のところまで護送させるための手段として利用しました。
ジョルノたちはボスに指示された場所へ向かう途中で列車に乗りますが、亀は指定されたとおり駅のホームにおかれてあり、事前に入手してあったカギをはめ込むことで一行は亀のなかに避難することができました。
ところが追っ手のプロシュートとペッシの兄弟に発見されてしまい、列車の中は民間人も巻き込んだ大惨事となってしまいます。
プロシュートは列車の自身のスタンド(グレートフル・デッド)で列車の乗客ごとブチャラティーたちを始末して娘のトリッシュだけ奪おうと画策し、ブチャラティーとトリッシュ以外は瀕死の状態まで追い込まれます。
しかし最後にはブチャラティーの頭脳と戦闘力の前にプロシュートとペッシの兄弟は敗北して死亡します。この闘いはブチャラティー自身も心臓をジッパーでバラバラにして居場所を突き止められるのを阻止するなど、命を賭けた闘いとして印象的でした。
なおプロシュートに関しては、ジョジョの奇妙な冒険シリーズ史上最低最悪のゲス野郎やクズ野郎を徹底研究でも詳しく解説しています。
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