灯台に保管されていた爆薬を確保したキロランケは監獄の外壁に爆弾を仕掛け準備を整えます。そして中にいるソフィアに決行は明日の朝だと伝え、アシリパたちにも心の準備をするよう促します。
そしていよいよ迎えた当日の朝、キロランケたちは爆弾に点火しますが爆弾の保存状態が悪かったため穴が開いたのは一カ所だけ、しかも小さな穴になってしまいます。
ソフィアをはじめ一緒に脱獄するはずだった囚人たちは、聞いていた話とは違うことに戸惑いますが、見つけた小さい穴から外へ出ようとします。
キロランケは再度爆破を試み、今度は４カ所すべて爆破することに成功し、囚人たちはソフィアを先頭次々と外へ出て行きます。
ソフィアが話すウィルクの夢～極東連邦国家の樹立
外へ出たソフィアはそこでアシリパに出会い、ウィルクの青い目と同じ瞳をしたアシリパを見てすぐに本人だと気付きます。その後、キロランケとも再開しますが、この時ソフィアはロシア語で「よくもウィルクを！」とキロランケの顔を殴打します。
この時のソフィアの行動からキロランケがウィルクの死と関わっていることは明らかになりましたが、仲間は誰もロシア語が分からないので誰も気付きません。
ソフィアとキロランケ一行は二ヴフが漁をしている流氷の上を堂々と大陸目がけて歩いて行きます。
道中、アシリパは父親について知っていることを教えて欲しいとソフィアに頼みます。
ソフィアはウィルクについて知っていることをアシリパに話し始めます。
もともと金持ちの家に生まれ都会で育ったソフィアは何も知らなかったが、樺太アイヌのことやウィルタのこと、そして二ヴフのことも全てウィルクから教わったと。
そしてウィルクはアメリカにもかつて先住民族(インディアンのこと)がいたがなぜ白人に負けてしまったのか、それは各部族が対立して殺し合っていたからだと説明します。
さらにウィルクは、北海道にも樺太アイヌに似た民族が存在し、樺太・北海道を含めた極東連邦国家を作ることで少数民族の文化を守ることができると信じていたのです。
ウィルクという名前の由来に隠された暗号解読の答え
ソフィアやキロランケが話すウィルクの過去はある意味で冷酷ともとれる一面を感じさせるものでしたが、ウィルクは目的を達成するためなら犠牲を厭わない決断力と勇気のある男だったと同じ印象を語ります。
ウィルクの決断力の速さについては、ある時仲間のひとりが秘密警察に撃たれて重傷を負った時、このまま連れて行けば皆が捕まってしまうリスクを避けるために躊躇わずその仲間にトドメを刺したという逸話からよくわかったといいます。
ソフィアはアシリパに『ウィルク』という名前の由来についても教えます。
ウィルクがまだ小さかった頃、住んでいた村の近くの森で群れからはぐれた弱った狼をみつけたそうです。ウィルクは毎日狼を見に行ったそうです。
そしてある時、弱った狼の遠吠えに応えて仲間たちがやってきましたが、仲間の狼は弱った狼を食い殺してしまったそうです。
狼は合理的で仲間の足を引っ張る弱った狼を切り捨てたのです。それ見ていたアシリパの父は死んだ狼の毛皮を被って毎日はしゃいだため、ポーランド人の父親によりウィルクという名前を付けられたのだという。
『ウィルク』とはポーランド語で狼という意味だそうです。
その話を聞いていたアシリパはかつて幼い頃、父から聞かされた母親とのエピソードを思い出していました。それはウィルクが自分の名前の由来について死んだ妻に話したことがあり、それ聞いた妻はウィルクにアイヌ語の名前を付けてくれたということを。
そのアイヌ語の名前とは『ホロケウオシコニ』、つまり『狼に追いつく』という意味なのだと。
ウィルクは、アシリパの母がくれたアイヌ語の名前について知っているのは自分とアシリパだけであり、決して誰にも教えてはいけないアシリパに念を押したそうです。
この時、父親とのアイヌ語の名前のエピソードを思い出したアシリパはアイヌの埋蔵金の隠し場所を示す入れ墨人皮に書かれてあることの意味をはっきりと理解します。
そして、父が最後に語った『狼になりたかったら』という言葉に含まれる意味もくみ取ったようです。
『なりたかった』、『追いつく』、つまり本当の狼のように冷酷な合理主義者ではなかったのです。
アシリパが入れ墨人皮の暗号を解く鍵に気付いたちょうどその頃、集団とはぐれて後を追っていた白石は海に転落しかけて死にかけたところを追いついた杉元に助けられます。
杉元はアシリパまであと一歩のところまで追くことができました。
はたしてこの後、杉元はアシリパと再会することができるのか？
金塊の行方はどうなるのか？
第35話に続く。
33話・35話については下記の関連記事を参照して下さい。
なお、ゴールデンカムイ【アニメ３期】あらすじまとめて解説で３期のあらすじをまとめて解説しています。
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