第18話は主に谷垣の過去について悲しくも切ない事実が明らかになります。大雪山の吹雪が収まると杉元は十勝方面へ下山するべきだと主張します。第7師団は恐らく杉元たちが最短距離をとって網走方面へ下山すると予測するはずなので、十勝方面へ行くことで裏をかこうと言うのです。一行は杉元の言う通り十勝方面へ下山します。
一方、インカラマとチカバシを連れて旅をする谷垣は、局留めで受け取った手紙からコタンに残したフチが死に装束を用意していることを知り悲しみます、そして絶対にアシリパを無事にフチの元へつれて帰ると約束するのでした。それが自分の役目だと言わんばかりに。
谷垣はチカバシにそう話すしながら、数カ月前に鶴見中尉とかわした会話のことを思い出します。
谷垣源次郎の過去
谷垣は兵舎で鶴見中尉と雑談するなか、カネモチという餅を知っているかと尋ねます。
丸いカネモチは太陽を意味し、楕円系の金持ちは月を意味すると説明し、谷垣ら阿仁マタギは太陽の形をしたカネモチと月の形をしたカネモチを必ずセットで持ち歩いたと語ります。
また、カネモチは村落によっても味に違いがあり、谷垣は皆には内緒で自分が持ち歩くカネモチにクルミを入れていたそうです。
そんなある日、猟に出た谷垣と年上の賢吉(けんきち)は吹雪で身動きがとれなくなり、洞窟に避難して吹雪が去るのを待つしかない状況に遭遇します。
米などの携帯食が底をつき非常食のカネモチを少しずつ食べて凌ぐしかなくなった谷垣は、持っていたカネモチを賢吉にも分け与えます。
すると賢吉は谷垣のカネモチに地元のカネモチにはない何かが入っていることに気付き、それがクルミだと当てます。谷垣は驚きますが父親には黙っていて欲しいと頼み、やがて嵐が去ると2人は無事下山します。
その後、賢吉は谷垣の妹であるフミと結婚し2人で暮らすことになります。
妹の身に起きた悲劇と賢吉の疾走
そんなある日、谷垣は兄の知らせで妹が死んだことを知ります。谷垣が妹夫婦の住む家に駆けつけると、家は全焼してすでに火は消えていましたが、谷垣は焼け焦げた妹の焼死体に心臓に刺し傷があることに気付きます。
そして、傍に賢吉が使用していたマスケ(阿仁マタギの使う小刀)が置いてあり、賢吉の姿はどこにも見当たらなかったのです。
谷垣は賢吉が妹を殺して逃亡したに違いないと考え行方を捜しますがどうしても見つからず、ある日噂で賢吉が北海道の第7師団に入隊したという話を聞きつけ、父親が止めるのも聞かず妹の復讐のため第7師団に入隊します。
ところが第7師団の屯田兵の兵舎は37もあるため簡単に賢吉を見つけることはできません。そこへ故郷からの手紙で母親が妹の無惨な死と谷垣が家を飛び出したことによる心労で亡くなったことを知り、ますます賢吉への恨みを募らせます。
そして、屯田兵が終結するであろう旅順へ出征すれば必ず賢吉を見つけることができると信じ、賢吉を殺すために中国の旅順へ出征するのです。
旅順の203高地でみつけた妹の仇
旅順へ出征した谷垣は賢吉を探し続けますが、ある日決死隊の生き残りに会い「何か食べ物が欲しい」と頼まれたので持っていたカネモチを「けぇ」と言って渡します。
礼を言って食べた男は、谷垣の方言と食べ物の特徴的な味から谷垣に「秋田の郷土料理かなにかか?」と尋ねます。
男は第1師団の所属で、以前に秋田の阿仁で生まれた男に会ったことがあるが、その男も谷垣と同じ方言を話していたというのです。谷垣は賢吉が第7師団に入隊したと思っていましたが、実は賢吉は東京で第1師団に入隊していたのです。
やがて谷垣は歴史的にも悲惨な旅順の203高地での激戦に参戦することになりますが、203高地の闘いは熾烈を極め、爆弾を持ったロシア兵が自殺覚悟で塹壕に飛び込んでくるため大量の日本兵が犠牲になるという悲惨な状況でした。
ところが谷垣のいる塹壕にロシアの自爆へが突進してきたその時、塹壕を飛び出してロシア兵を止めて瀕死の重傷を負った兵士がいました。顔を見るとなんとそれは谷垣が探し続けていた賢吉だったのです。
賢吉が明かした悲しい真実と賢吉の役目
谷垣は賢吉をみつけたらどさくさに紛れて戦闘中に背後から撃ってやろうと考えていましたが、目の前に倒れている賢吉を見て軍刀で刺し殺そうとします。
ところが賢吉はもはや目も見えず鼓膜が破れて耳も聞こえない重症でなんとか息がある状態でした。そして、賢吉は傍にいるのが谷垣とは知らず、遺言を言づけようと喋り出します。
実は自分は秋田の阿仁でフミという美しい嫁と幸せに暮らしていまいたが、ある日フミが疱瘡(ほうそう)という不治の病にかかってしまいます。
親族から疱瘡患者が出ると誰も寄り付かなり居場所がなくなる他、猟へ行くにも誰も一緒に出掛けてくれなくなるため、フミは絶対に誰にも他言しないよう賢吉に約束させます。
ところがフミを放っておけない賢吉は家を去ろうとせず、このままでは親族に迷惑がかかると考えたフミは自分を殺して家を焼き払うよう賢吉に頼みます。
最終的に賢吉はフミの頼みを聞き入れ、マタギのやり方でフミを殺し家を焼き払った後、誰にも何も言わずに集落を去るしかなかったのです。もし喋れば疱瘡患者の出た家の人間として親族が爪弾きにされてしまうので、誰にも何も言えなかったのです。
賢吉はフミが死ぬ間際に「自分の役目を見つけて命を使いなさい」と言って死んだことから、自分が203高地で仲間の為に死んでいくことで役目を果たせたと考えていたのです。そして、話し終わった賢吉はこのことを秋田の阿仁に住む谷垣家の人間に伝えて欲しいと頼みます。
全てを聞き終えた谷垣は泣きながらカネモチを取り出して賢吉の口に入れてやります。谷垣のカネモチの味を知っている賢吉は、最後に一言、「源次郎か?」と言い残してこの世を去ります。
谷垣源次郎の役目
鶴見中尉に身の上話をした谷垣は、自分の役目とはなんだろうかと毎日自分に問い続けているのでした。
鶴見中尉はしばらく考えたのち、
「谷垣、私にはお前が必要だ。まずは私の為にクルミ入りのカネモチを作ってくれないか」と頼むのでした。
もちろん、谷垣は鶴見中尉のためにカネモチを作ることが自分の役目だと信じているわけではありません。
冒頭で紹介した通り、アシリパを元気な姿でコタンに残るフチの元へ返すことだと信じているのです。
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