アシェラッドに復讐する前に先に死なれたトルフィンが奴隷として働くケティル農場。農場主のケティルさんは腕力が強すぎて得物が壊れてるので素手で戦い続けたという伝説の戦士ですが、実はめちゃく心優しい人です。
ケティルさんの振る舞いを観ていて感じたのが、この人は派遣社員に声をかけて「うちで直接雇用で働かないか」と声をかけて励まし、結果を出せば本当に正社員として採用するようなそんな人なんだとヒシヒシと感じました。
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鉄拳ケティルの人物像
ケティルはケティル農場にいる大旦那の息子で、過去に相思相愛の仲だった恋人を財力のある権力者に横取りされた悲しい過去があり、権力に負けると泣くほど悔しい思いをしなくてはならないという現実を知っています。
それを知っているのは実の父である大旦那様だけですが、大旦那様はそれを他人に口外することはなく、最後に事実を話したのは奴隷のアルネーゼだけでした。
アルネーゼはケティルのお気に入りで、正妻がいるケティルは正妻よりもアルネイズのほうを気に入っており子供まで作らせています。
それを知ったからかどうかわかりませんが、大旦那様はアルネイズにはケティルの辛い過去について事実を話しています。
ケティルの人柄の良さはヴィンランド・サガのアニメ2期の随所で如実に表れています。
エイナルとトルフィンに自分を買い戻す提案をする寛容さ
ケティルの人柄が良くわかる一番最初のエピソードはトルフィンが働く農場にエイナルが来た直後のことです。
ケティルはエイナルにトルフィンから仕事を教わるよう伝えるとともに、目の前に広がる広大な森林を2人に貸し与えると言い出します。
そして、森を切り開いて開梱することを一切任せるので、畑を作って麦を収穫し、それを自分が正当な値段で買い取ると言うのです。
収穫した麦の値段が奴隷である2人の値段を上回ったら「自分で自分を買い取れ」と励ますのです。
こんな素晴らしい提案を現在の日本社会で非正規雇用の労働者に自信を持って言える経営者がどれだけいるでしょうか?
否、ケティルさんのような素晴らしい経営者は今の日本社会には皆無です。
「頑張ってね。でも頑張り過ぎて潰れないでね。それと、できるだけ長く働いてね」
これがここ20年変わることのない日本社会の非正規雇用の現状でしょう。
ケティルさんに言わせれば、派遣社員は頑張って契約料金を上回る貢献をしたら「自分で自分を買い取る」ことができるのです。これが正当な市場経済の在り方のはずです。
「自分の力と正しい手続きで自由になれ」
これ、まさに名言です。
つまり、ケティルさんは人柄だけでなく経営者の鏡でもあるのです。
ちなみに、奉公人のパテールさんも奴隷出身ですが同じ方法で自由身分を勝ち取った人で、やっぱりいい人です。
自らも農作業に参加する率先垂範の姿
ケティルさんは奉公人といっしょに麦の収穫をします。
それどころか、昔から畑仕事に直接携わる姿勢を貫いているため麦の刈り取り方をわきまえています。
ドラ息子のオルマルはアホなので全く言うことを聞かず馬に乗って女の元へ走り去ってしまいますが、やがて農場を引き継ぐことになる息子に対する思いやりも並々ならむものがあります。
ケティルさんは農夫としても父親としても素晴らしい人格だと言えます。
ただ、本当は鉄拳は使えないというだけです。
農場に入った子供の泥棒に自分で制裁を与えた件
ある日、ケティル農場の客人である蛇が農場の麦を盗んだ幼い兄弟を捕まえてケティルのもとへ連れてきます。
[パテールさんが、「それでは盗んだ償いができなくなる」と口を挟んでくれたおかげで、罰は棒叩き20回に格下げされますが、トールギルは自分に棒叩きをやらせろと名乗り出ます。
ところが、トールギルは残忍な性格の持ち主で子供に不必要な制裁を与えたため、心優しいケティルはトールギルを制止して代わりに自分が制裁を加えることにします。
これは自分がやったほうがトールギルが叩くよりもまだましだからで、内心嫌で嫌でたまらないのを我慢した結果での選択です。
ケティルは心を鬼にして(心では泣きながら)可愛い少年を棒で叩いて制裁を加えるのでした。
戦場から戻った長男のトールギルが恐ろしいと告白した素直さ
イングランドの戦役から帰ってきた長男のトールギルは盗みに入った少年に制裁を与えることにもためらいが無く、悪い意味で残忍なデーン人の戦士そのものです。
ケティルは若かった頃、戦場で得物が怪力で折れてしまうので素手で敵と戦い続けた「鉄拳ケティル」という異名を持ちますが、実はそれは全て嘘でした。
ケティルは周囲に軽く見られてはいけないことを誰よりも理解しているので、勇敢であることと無謀であることの違いも理解できないデーン人(愚かなノルドの若者)が住むデンマークでは、嘘をついてでも自分を飾る必要があったのです。
本当のケティルは誰よりも争いを嫌い、息子のトールギルが自分の血を引いていることな信じられないほど心優しい人物なのです。
そして、それを話せるのは奴隷でありながら寵愛されているアルネイズという女性ただ一人だけなのでした。
トルフィンとエイナルに前倒しで奴隷解放を口約束した件
トルフィンとエイナルに初めて自分を買い戻す提案をした際、早ければ3年以内に自由身分を買い戻せると励ましたケティルでしたが、2人の頑張りを目の当たりにして心が動き大盤振る舞いを約束します。
ケティルが貸し与えた森を開梱したトルフィンとエイナルが最後の1本を切り倒したのを見たケティルは、種まきまでに整地して畑にできるなら、種まきが終わった時点で2人の自由身分を約束するといういうのです。
つまり、麦が育って収穫するまでの長い時間を免除するというのです。
現代で言えば、非正規雇用の契約が終了するのを待たず、前倒しで直接雇用を約束するようなものです。
こんな破格の待遇は現代社会の労働市場でもそうある話ではありません。
やっぱりケティルさんはやさしい!
隣にいるドラ息子のオルマルが余計にアホに見える!
ケティルさんは経営者の鏡
ケティルさんのやさしさが分かるエピソードはハラルド王に貢物を届けに行った先でのエピソードなど他にもありますが、とにかく寛容なお金持ちの模範的な姿だと言えます。
ケティルさんのやさしさを整理してみます。
- 奴隷身分の青年に自由を勝ち取るためのチャンスを与えたこと
- 経営者でありながら現場第一で率先垂範を示していること
- 子供にやさしい性格であること
- 自分の心の弱さを自覚する素直なところ
- チャンスを与えただけでなくオマケしてくれたこと
ビンランド・サガは西暦1000年に入ってすぐの北欧デンマークを描いた物語ではありますが、ケティルさんは現代の日本社会にこそふさわしい模範的な経営者であることがよく分かります。
ケティルさんのような経営者が日本に増えればエイナルやトルフィンのように不条理で過酷な労働を強いられる若者たちが正当な手段と正当な手続きで自由を勝ち取れる世の中になれるでしょう。
以上、鉄拳ケティル研究会によるケティルさんのやさしいところでした。
この後、ケティルさんはクヌート王の悪政によりデンマーク王国に農地を強制没収されそうになるという酷い目に遭うのは非常に残念でかわいそうでなりませんが、これもまた弱肉強食が通用する世の中での共通事項というか、まったく納得のできない理不尽のたまものだと言えます。
最終的にトルフィンの勇気ある行動によって農場を奪われずに済んだケティルさんでしたが、冷静さを失ったせいで最も大切にしていたものを失ってしまいます。
ビンランド・サガではクヌート王の悪政だけでなく、弱肉強食の世界にありがちな人間のクズ行為や蛮行が戦争という名のもとに赤裸々に描かれます。
ビンランド・サガのクズ行為については、ヴィンランドサガでクズの蛮行が描かれるシーンを事例別に解説で詳しく解説しているので参考にして下さい。
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