「ジョジョの奇妙な冒険第1部」を読んだことのある人なら誰でも知ってるディオ・ブランド―。悪の代名詞とも呼ばれる彼ですが、実は吸血鬼になる前の人間時代には人としての心を垣間見ることができるエピソードがあります。それは少年時代の父親とのやり取りで見せたある一面です。ディオがクズ化した理由や原因はその生育環境と関係がありそうです。
ディオ・ブランドーの劣悪な生育環境
ディオは仕事もろくにしない叫び浸りの父親ダリオ・ブランド―の息子と母親の間に生まれ育ちました。ところがこの父親、家にお金を入れないどころか酒の飲みすぎで病気になって死ぬという最悪の男でした。
また、息子であるディオに酒を買いに走らせようとし、お金が無いことを知ると、死んだ妻の洋服を売って金にするようディオに命令するという、クズ野郎でした。
さすがのディオも父親が母親の形見のドレスを売って酒代にしろと言った時は、
「地獄に落ちろ!」
と心で叫びました。そして、「酒ばかりのんで母さんに苦労をかけさせて死なせ」と、父親のクズっぷりを罵っています。つまり、この頃のディオは醜悪で醜い行為や愚かな行為とそうでない行為の違いをはっきり理解できていたということです。
しかし、そんな父親の存在に耐えられず、病気で床に臥せている父親に毒を盛り、誰にも分からないように殺害してしまったのは事実です。さらに、父親の死後ジョースター家に引き取られる前に父親の墓前へ行き、墓石に唾を吐きかけています。
こういう環境で育ったために心が歪み、悲惨な現実から逃れるために極端な行動をとることを学習してしまったのかもしれません。
父親に似た自分を自己嫌悪するディオ
ジョースター家の乗っ取りを企み、恩人であるジョースター卿に毒を盛り、以前父親を殺害したのと同じ手口で時間をかけて殺害しようとしていた矢先、ジョナサンに疑われて計画がとん挫します。
証拠集めのためにスラム街へ行ったジョナサンが町へ帰ってくるのを待っている間、もしもバレたらおしまいだという恐怖にかられ、ディオは酒浸りになります。
その時、酒を飲まずにはいられないことや、それが父親と瓜二つの行為であることを自覚し、クズの父親の息子である自分が嫌でたまらないと自己嫌悪するシーンがありました。
この時点でも、すでに邪悪に染まりきっていたにもかかわらず、死んだ父親がクズだったことを認識しており、自分をそれと同じだと思いたくないという人間的な心が垣間見られます。
結局、ジョナサンは証拠を持って帰り、ディオは悪事がバレて人間を辞めることになります。
その時に吐いたセリフは有名です。題して「3秒で人間を辞めた男」 。
「俺は人間を辞めるぞ!ジョジョ!」
「あの太陽が最後に見るものだなんて嫌だ」発言
ジョナサンの帰りを待っている間、不安で酒浸りになったディオは酔っ払い2人に絡まれます。
喧嘩慣れしたディオはナイフで襲ってきた男を難なく返り討ちにして殺害してしまいます。
ところが、この時たまたま懐に入れてあったジョジョの石仮面をもう一人の男に被らせたことで、血を吸った仮面で吸血鬼化した男に襲われる羽目になります。
まだ吸血鬼の存在を知らないこの時のディオは、そのパワーに圧倒されて血を吸われて殺されかけます。
そして、もうちょっとで殺されるというその時にちょうど朝日が昇り始めて叫びました。
「あの太陽が最後に見るものだなんて嫌だ!」
この感情はディオの人として人生で最も素直で純粋な感情の発露だったかもしれません。
しかし、次の瞬間ディオを襲った吸血鬼は太陽の光で身が焼かれて消滅し、ディオは命拾いします。
ジョジョの強さを認める素直なところ
ジョースタ家の乗っ取りを企てるディオは、正式な跡取りであるジョナサンを精神的にダメにするため、ことあるごとにジョナサンを追い詰めるべく陰湿な謀略を計ります。
基本的にジョナサンを周囲から孤立させ、自分は逆に周囲にもてはやされる存在になるよう状況をコントロールしていきます。
少々のことなら我慢できるジョナサンですが、大切に思っていたエリナにまで被害が及んだことを察知するとプッツンしてしまいます。
そして、ボクシングの試合でも全く敵わなかったディオに、顔面へ強烈な頭突きを食らわせてボコボコにしてしまいます。
その時のジョナサンの名言
「君が泣くまで殴るのをやめない!」
しかし最後は、ジョナサンの爆発力を認め侮れない力であると警戒し、青年期になるまで2度と大喧嘩はしていません。喧嘩に負けたディオは大泣きして、両手で顔を覆いながら負け惜しみのセリフを口にします。
「この汚らしい阿保がぁーッ!」
まとめ
ディオがクズになった原因について、まだ人間だった頃のエピソードをもとに考察してみましたが、やはりクズの父親のもとで育ったという劣悪な環境が最大の原因だったと思われます。
良い所を探してみましたが、ほとんど見当たりませんでした。
それでも、人間だった頃は人としての心も持ち合わせており、人格的にはかなり問題のある青年に育ってしまいましたが、人であることに変わりはなかったと言えます。
現代で言えば、人格障害や、反社会性人格という言葉がディオには当てはまるかもしれません。
でも、こんな奴ってけっこう身近にいたりしますよね。
U-NEXTでは31日間の無料トライアル期間中、初回登録に限り対象作品が無料で視聴できます。
対象作品:『ジョジョの奇妙な冒険』第1部~第6部
「ジョジョの奇妙な冒険」のディオについてもっと詳しく知りたい方は下記の記事も参考になります。
「ジョジョの奇妙な冒険」ボスキャラの能力の違いや共通点・弱点について解説
「ジョジョの奇妙な冒険」ディオ・ブランドーの友達・信用できた人物5人
ジョジョの奇妙な冒険第1部あらすじ解説【ファントムブラッド】あらすじ解説
ジョジョの奇妙な冒険第3部あらすじ解説【スターダストクルセイダース】
コメント