ラストでシーズン2を匂わせて終わったイカゲームですが、果たして次はどんなコンセプトでストーリーを展開しくれるでしょうか?バトロワやカイジのパクリ疑惑で炎上したことで有名なイカゲームがまたしてもパクリネタで盛り上がったりしたら再炎上も免れません。今回あらためてバトルロワイヤルとの共通点・相違点についてまとめてみました。
そもそもバトルロワイヤルのパクリ疑惑が浮上した原因とななんだったのでしょうか
バトルロワイヤルのどういった点がイカゲームと似ていた(パクられた)と問題視されているのか、バトルロワイヤルのおおまかなあらすじについて紹介しておきます。
バトルロワイヤルのあらすじ
この作品は私自身、映画館まで見に行った作品で内容も過激だったのでよく覚えています。
バトルロワイヤルは荒廃した日本の学校教育の現場が舞台となっています。
経済危機で失業率が15%に達した経済崩壊した日本社会で、子供たちが大人という存在に全く尊敬の念を抱けない狂った社会が描かれていて、そこでは学校の先生が生徒による暴力で年間1000人以上が命を落とすという、まさに異常な世界観です。
ある日、とある中学のクラスの授業中で教師のキタノがクラスの生徒たちに向けて話しかけますが、一部の生徒を除いて誰も話に耳を傾けません。
それどころか、私語に熱中して担任の存在など気にもしない異常な状態が続きます。
次の瞬間キタノのは、「人が話をしている時に無駄話するんじゃねーよ!」と叫ぶやいなや、私語をしている生徒目がけてナイフを投げつけ、生徒を殺害してしまいます。
ところが、この異常事態はキタノから始まったわけではなく、国が現状を変えるためにBR法という法律をつくり、厚生の余地のない子供たちの処遇を検討した結果、無人島でお互いに殺し合いをさせるという、とんでもないデスゲームの参加対象にこのクラスが選ばれていたためでした。
やがて、クビに爆弾の首輪をはめられた中学生の子供たちが自衛隊によって監視された無人島に放たれ、最後の一人になるまで殺し合い、1人だけが生き残れるというサバイバルデスマッチが強制的にスタートします。
首輪を無理に外そうとすると爆弾が作動して首が吹き飛んでしまうため、子供たちは唯一残された殺し合いの道を選びます。
すでに心の荒廃した子供たちは何の躊躇いもなくクラスメートを次々と殺害し、あっという間に生き残りは数名にまで絞られてしまうという、壮絶な殺し合いのシーンが描かれます。
R18指定の残酷な描写が容赦なかった
バトルロワイヤルでは、原作者の意図通りに子供たちが凶器をしようしてお互いに刺したり、首を切ったり、血が吹き出したりするシーンが描かれていて、当時の作品としては相当過激な部類に入っていたことは間違いありません。
スプラッタームービー顔負けの血しぶきが飛び散るシーンも多々あり、子供は見ない方がいいという評判はまんざらではないと思ったし、今でもあまり人にオススメできる内容ではないと思っています。
ただ、ビートたけし演じるキタノが望んでいたことが、実は視聴者の期待するものとは違ったことや、山本太郎演じる全開のバトルロワイヤルの生き残りや、藤原竜也が演じる親を不幸で亡くしてたくましく生きようとする青年の姿も描かれていて、ただ残酷な作品だというわけではありません。
登場人物のバックグラウンド
藤原竜也演じる七原秋也の父親が自宅で首を吊って死に、その現場を目撃した七原の心の傷は、死体にぶら下がっていた「生きろ」の文字のせいで、より残酷に鮮明に心に刻み込まれたことが考えられます。
登場人物の背景に悲惨な生育環境がある場合、視聴者の感情移入する度合いがアップするのはよくあることですが、バトルロワイヤルでもそれは当てはまっていて、藤原竜也演じる七原を見ていて最後まで生き延びて欲しいと思いながら見た人も多かったのではないでしょうか。
日本という国の経済が破綻した結果不幸の連鎖で自殺してしまった父親を持つ七原を演じたのが、後に話題になる「逆境無頼カイジ 人生逆転ゲーム」の主人公・伊藤カイジを演じた藤原竜也と重なったのは偶然にしては出来過ぎているように感じます。
どちらも不遇・逆境のキャラという点で一致していることから、藤原竜也は逆境のキャラが逆転するような展開のキャストが似合っているのかもしれません。
イカゲームで描かれるデスゲーム
一方でパクリ疑惑の当事者であるイカゲームで描かれるデスゲームですが、これも見ての通りゲームの参加者が自分だけ助かることを考えて他人の命などどうでもいいように扱う人間の無慈悲な一面が描かれている点は、バトルロワイヤルの残酷さと瓜二つと言えます。
なにか特別違う点があるのかと問われれば、バトルロワイヤルではデスゲームの参加者にナイフなどの殺傷道具が事前に与えられ、自由に選択する権利が与えられていた点です。
つまり、バトルロワイヤルでは殺し合うことを前提となっていましたが、イカゲームでは時として殺し合う必要がなくても夜襲をかけてゲームの参加者を減らすなど、ほんの少しだけゲームの進め方に独自性があったかもしれません。
また、バトルロワイヤルは3日間限定の野外でのサバイバルデスマッチでしたが、イカゲームはカイジに似た展開で1ゲームことに勝敗もしくは勝者が決まるといった仕組みで描かれています。
どちらかというと、イカゲームは殺し合いのシーンを除けばバトルロワイヤルよりも逆境無頼カイジの発想から大きく影響を受けていることが見て取れます。
ゲームの参加理由や参加者の背景
バトルロワイヤルをゲームと捉えるかどうかは疑問の余地があります。なぜなら、国が学級崩壊したクラスを選択し、そのクラスメイトに殺し合いをさせることで大人の威厳を守るという BR法が前提にあるバトルロワイヤルと、借金の返済が目的で自分の意思でゲームに参加したイカゲームとでは全く背景が異なるからです。
この点については、パクリどころか別物だと考えていいと思います。しかし、ゲームの参加理由についてはイカゲームはカイジからパクリと言われても仕方ない点はあると思います。
サラ金の借金返済のために騙されてエスポワールに乗り込んだり、電流鉄骨渡りに成功した後で利根川とのEカードの勝負に勝ったにも関らずもうひと儲けしようとして兵藤に挑み、イカサマで負けて指を全て切断されるなど、カイジにはクズ人間やダメ人間特有の駄目な一面があります。
そして、このダメ人間がゲームに参加しているという点ではイカゲームは全くカイジと同じ設定になっていると言えます。ダメ人間にゲームの案内を出して、勝てれば高額の賞金を獲得できると誘惑することで参加者をそそのかす主催者がいたり、それに騙される参加者がいるのはカイジと瓜二つです。
イカゲームはバトルロワイヤルのパクリなのか
正直、バトルロワイヤル・逆境無頼カイジ・イカゲーム、全部を視聴した私に言わせると、イカゲームでのデスゲーム性はバトルロワイヤルのパクリとまでは言えないと思います。
なぜなら、バトルロワイヤルの売りは子供たちの残酷な殺し合いのシーンと、主人公の七原の心の葛藤が描かれている点にあって、本筋ではないからです。
また、それはイカゲームにおいても同じように言えることです。また、イカゲームでの殺し合いもけっこう残酷に描かれていますが、2021年に放送されたという時代背景も重なりそれほどのものでもありません。
どちらかというと、バトルロワイヤルのパクリ疑惑よりもカイジのパクリ疑惑のほうが私は真実に近いと思っています。
逆境無頼カイジはコミックでもアニメでも実写化された映画も、どれを見ても面白かった傑作といえる作品です。そう簡単にパクられると笑うしかありませんが、それが高評価を受けるというのもまた不思議な話です。
意外なことに、周囲の知人でイカゲームを観たことがある人に聞いて見たところ、パクリ疑惑についてはよく知っているのに、肝心のカイジを見たことがない人が圧倒的に多かったのは驚きでした。
どうもカイジやバトルロワイヤルを見たことがない動画ファンの間でイカゲームのブームが起きたと考えるのが最も妥当な筋だと考えられます。
もしも一度でも逆境無頼カイジを見たことがあれば、あの電流鉄骨渡りのシーンを思い出さないはずがありません。それほどあの橋を渡るエピソードは強烈でドラマ性に富んでいて、世紀の名作とも言えるワンシーンを描いた作品がカイジなのです。
電流鉄骨渡りのネタは完全にイカゲームにパクられたとしか言いようがありません。
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イカゲームとカイジの比較検証については下記の記事が参考になります。
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