アシェラッド兵団で最も古参のビョルンはトルフィンの父トールズの死とも関わりのある人物ですが、最後はアシェラッドと決闘して殺されます。この理由はちゃんと見ていれば分かることですが、ビョルンの気持ちと深い関係があります。
ビョルンはずっとアシェラッドと友達になりたかったけれど、アシェラッドはデーン人が大嫌いだという葛藤あり、アシェラッドはビョルンに自らトドメを刺すことでようやく友達になれたのです。
アシェラッドがビョルンと決闘することになった直接的な理由
アシェラッドとビョルンが決闘することになった理由は、ビョルンがアシェラッドに決闘してくれと頼んだからです。
こう聞くと、ビョルンもトルフィンのようにアシェラッドに対して深い恨みがあるのかと考える人もいるかもしれませんが、ビョルンはアシェラッドに恨みなど抱いていませんでした。
【ヴィンランド・サガ】アニメ1期の後半でクヌート王子の奪還に成功したアシェラッドはトルケルに追いつかれますが、トルフィンやビョルンのおかげでなんとか助かったどころか、クヌート王子がトルケルを帰順させたことで大手柄を得ます。
ところが、トルケルと一戦を交えるかどうかの瀬戸際で、アシェラッド兵団の仲間たちはビョルンとトルフィンを除いて全員が謀反を起こし、戦場では敵なしのトルケルにアシェラッドを差し出して自分たちだけ助かろうと企てます。
この謀反でビョルンは単身クヌート王子を守り続け、毒キノコでリミッター解除して戦った結果、内臓に大ダメージの重症を負ってしまいます。
そして、デンマークに無事帰還することができた後もベッドで寝たきりになり、もはや余命が短いことを悟ります。
ビョルンはアシェラッドが見舞に来てくれた時、トルケルとの一戦で足に矢傷を負ったアシェラッドに対して「戦えそうか?」と尋ねます。
そして、なんとか大丈夫だと答えるアシェラッドに決闘を申し込むのです。
その理由は、このままベッドで苦しみながら死ぬのよりもアシェラッドと決闘して殺されたいと願ったからです。
ビョルンはずっとアシェラッドと友達になりたかった
トルケル軍が追ってきてもうすぐ追い付かれることが分かった時、アシェラッドはビョルンに兵団の他の仲間たちはすでに離反していることを悟りビョルンに伝えます。
ビョルンはアシェラッド兵団で最古参の人物ですが、実はアシェラッドもビョルンが今までずっと自分に付いてきてくれたのか分かっていませんでした。
ある時、それとなく「どうしてお前は俺に付いてくるんだ?」と尋ねたことがありましたが、ビョルンは自分でも良く分かっていなかったのか、それともはぐらかしたのか、適当な返事をします。
しかし、いざアシェラッドと決闘して胸を一突きされると、ビョルンは死ぬ間際にアシェラッドに自分の気持ちを伝えます。
「俺は、あんたと友達になりたかったんだ・・・」
ビョルンの最後の言葉を聞いたアシェラッドは、「ああビョルン、お前は友達だ・・・」と言ってビョルンを見送ります。
アシェラッドの思いは実は複雑だった
トルケル軍に追いつかれて自分を差し出そうとする裏切り者たちに囲まれた時、アシェラッドは本心をぶちまけます。
「俺はお前たちデーン人がずっと大っ嫌いだったんだ」
アシェラッドは奴隷としてデンマークに連れてこられた母親から生まれた奴隷の子供でしたが、母親の故郷はウェールズでした。
ウェールズはイングランド王国のある島の北西に位置する小国ですが、アシェラッドは祖国ウェールズの人間であるという強いアイデンティティーを持って育ちます。
それは母親から聞かされたウェールズの英雄の話とも関係あったのかもしれませんが、とにかくアシェラッドはデンマークで生まれながらデーン人を憎み、デーン人からウェールズを守りたいという思いがあったのです。
バイキングとして頭角を現すほど頑張ったのは力をつけてウェールズを侵略させないよう影響力を持った人間になりたかったからで、そのためにはクヌート王子のような戦争嫌いの弱腰を擁立する必要があったからです。
アシェラッドはそのためならリアリストとして手段を選ばず、冷酷で残忍なこともなんでもやりました。トルフィンの父トールズを殺したのもデンマーク王室フローキという人物に命令されたからで、別に恨みがあったわけでもなんでもないのです。
アシェラッドはこのことをトルフィンと最後に決闘した後で全て話しますが、ビョルンには直接話すことはありませんでした。
アシェラッドにとってバイキングもデーン人も野蛮な存在で、祖国を蹂躙し母を無理矢理連れ去った悪者という認識が根付いていたのです。
こんな思いを胸の内に秘めてバイキングとして戦い続けていたわけなので、まさか「お前らなんか大嫌いだ」と正直に話せるわけがなかったのです。
ところが、ビョルンはそんなアシェラッドの目的など知る由もなく、アシラッドの強さや魅力に惹かれ続けていたのです。
アシェラッド兵団のほぼ全ての人間がアシェラッドに付いて行けばいい思いができるという目先の損得勘定だけで付き従っていたのに対して、ビョルンだけは目先の利益云々を抜きにして真っすぐアシェラッドを見ていたのです。
ビョルンにトドメをさすことでようやく本当の友達になれた
ビョルンとアシェラッドの関係は実は敵同士なのにアシェラッドが腹の内を隠し続けたため、最後は決闘という形でおわるしかなかったのか。
よくわかりませんが、アシェラッドはビョルンからの決闘を受け入れて殺してあげることで、初めて本当の友達になれたような気もします。
なぜなら、ビョルンは死ぬ間際に「俺はあんたとずっと友達になりたかったんだ」と言って死にますが、どうして死ぬ間際に本音で話したのか?
それはビョルンものなにかしら心にわだかまりを持っていることを察していたため、本音で話す勇気がなかったからです。
しかし、胸を突き刺されて本当に死ぬことが分かった最後だからこそ本音で話せたのでしょう。
2人の決闘のエピソードは、ビョルンからの歩み寄りでアシェラッドに初めてデーン人の友達ができたという皮肉で悲しい話なのです。
だって、殺して友達に慣れたのですから。
ビョルンの死に方については、当初闘って死ぬことでヴァルハラに生きたかっただろうかと考えることもありましたが、それは違うと思います。
ビョルンの選んだ最後は純粋にデーン人の戦士として友達の手で終わらせて欲しかっただけです。
なお、ヴィンランド・サガでは他の漫画・アニメでは見られないリアリティーに富んだ魅力あふれるエピソードがたくさんあります。
ヴィンランド・サガについて興味のある方は、ヴィンランド・サガ【アニメ版】がひどい内容だという噂の真相、ヴィン ランド・サガ~アシェラッドの魅力とトルフィンに纏わりつく亡霊癖で作品を異なる角度から考察しているので参考にされると良いでしょう。
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