サイコパス3は冒頭で常森朱が拘留されているシーンがあって驚きますが、この理由が全然分からないまま放置していました。ところが最近、拘留された理由は厚生省の禾生局長を殺害した嫌疑をかけられているからだという話を聞き、真実はまさにその通りでした。
サイコパスは奥が深い作品ではありますが、常森朱の勾留理由を分かる人にしか分からない形で伝えるやり方は難解過ぎるというか、自分には無理だと感じました。
それ以前に筆者は自分で勝手に別の仮説を立てていて、本当の理由を知ってそれが見当違いの的外れだったことに気付くことができました。
以下、筆者の独自見解を紹介します。
槙島聖護の身柄確保に失敗した件と秘密を知り過ぎた件
ファーストシーズンの後半で宜野座伸率いる刑事1課のメンバーが全員消耗してしまい、シュビラシステムは新たなリーダーとして常森朱が適任だという判断を下し本人に正体を晒します。
常森朱はシュビラシステムの正体が犯罪者の脳ミソを寄せ集めて作られたコンピューターだった事実をしり驚くとともに納得できない気持ちを露わにします。
それでも色相が曇らない常森朱を評価したシュビラシステムは、免罪体質の槙島聖護をシステムに迎えるために殺さず身柄を確保するよう協力を要請します。
常森朱は逃亡執行官の狡噛慎也を抹殺しないといことを条件にシュビラシステムに協力することを了承しますが、最終的に槙島聖護は狡噛慎也に射殺されてしまい任務は失敗に終わります。
ファーストシーズンの最後で、槙島聖護の身柄確保に失敗した常森朱はシュビラシステムから評価を下方修正されると宣告されますが、継続して職務を遂行することを許されます。
この時点でマイナスポイントが少なくても1ポイントはあるので、筆者はこれも拘留されることとなる要因のひとつだと考えていました。
鹿矛囲桐斗をシュビラシステムまで案内してアルゴリズムに影響を与えた件
常森朱はシーズン2の最後でとんでもない行為をシュビラシステムから許されています。それは黒幕の鹿矛囲桐斗にわざわざシュビラシステムの在りかを案内し集団的サイコパスの判定が有効になるよう仕向けたことです。
そもそもシーズン2の黒幕である鹿矛囲桐斗は人間の多体移植による産物で、犯罪係数どころかサイマティックスキャンにさえ引っ掛からない文字通り透明人間でした。
自分と自分のクラスメイトたちが人体実験のために意図的に仕組まれた飛行機事故で悲惨な目に遭ったのだという確信を掴んだ鹿矛囲桐斗は、シュビラシステムに自分自身を裁かせることで復讐を果たそうと行動します。
ただし、そのためにはシステムを構成する個別の脳ミソだけでなく、脳ミソの集まりであるシステムの犯罪係数を判定するというアルゴリズムを認めさせる必要があり、それはつまりもまた犯罪係数を測定され得る存在として認知されることを意味しました。
最終的にシュビラシステムは鹿矛囲桐斗という人物を集団的サイコパスとして認識する道を選択し、システム自身も犯罪係数が測定される存在となりましたが、執行対象になりたくないので犯罪係数の高い脳ミソは処分して執行を免れます。
一方で鹿矛囲桐斗は乱入してきた東金朔夜にエリミネーターで殺処分されてしまいますが、最後にひとつ大問題が残りました。
それは、集団的サイコパスを認めるということは、対象の善悪を判断する人もまたどこかの集団になるので、測定対象の犯罪係数は計測する人によって変わることを意味するからです。
こうなると、どっちが正しいのか良く分からなくなります。
母集団が悪である組織の人間が測定した対象と母集団が善である組織の人間が測定した対象は異なるということです。
鹿矛囲桐斗はこのアルゴリズムを成立させることで自分でなくても他の誰かがドミネーターを向ければ裁けるかもしれない世界を残して死んでしまったのです。
ところで、この大変な事態を招いた直接的な原因は常森朱です。
常森朱がわざわざ鹿矛囲桐斗を案内したりしなければ、シュビラシステムにとってこれほど面倒な手続きをしなくて済んだわけですから。
これが筆者の考えた2つめのマイナスポイントです。
どちらかというと槙島聖護の身柄確保に失敗した件よりもこっちのほうが致命的だと思ってました。
ビフロストを裁けない理由を作ってしまった?
ところで常森朱の拘留がシーズン3なのと、シーズン3の犯罪組織ビフロストの問題はどうでしょうか?
ビフロストはシュビラシスデバックシステムであるラウンドロビンというシステムを悪用して、権力・利益を貪る人間の集団ですが、ビフロストには下位組織と構成員がいて犯罪が解明されるのを難しくしています。
- コングレスマン ビフロストの幹部で実質的な支配者たち(代銀、裁園寺、法斑)
- インスペクター コングレスマン直下の構成員(梓澤廣一、榎宮春木、些々河哲也など)
- キツネ インスペクターの指示で動く末端の構成員
ところで、シーズン3の大きな課題はビフロストの正体と構成員である梓澤が犯罪を犯しているにも関わらず今までシュビラシステムに検知されないことです。
このカラクリは、他人に良い結果が保証された選択肢と悪い結果が保証された選択肢を両方与えた結果、その人がどちらを選択するかは選択肢を提示した人には分らないというところに帰結します。
そういった未来予測が2分されるような選択肢を提示することで他人に究極の選択を迫り、どちらに転んでもコングレスマン・インスペクター・キツネのいずれも裁かれないとしたら、賭けのような感覚で他人に選択を迫り、運が良ければ自分が暴利をむさぼることができるというのがビフロストです。
ただし、ビフロストのコングレスマンは頂点の椅子を狙ってお互いに対立関係にあり、賭けに失敗すると財産を全て失ったり最悪の場合は命を失うリスクを負っているという側面もあります。
当然、誤った選択肢を選べば死んでしまったりするので残念ですが、それですら選択肢を提示した側の責任ではないというシュビラシステムの特性を悪用した犯罪なのですが、この特性はどうやったら成立するのでしょう?
ビフロストの構成員それぞれが限りなく怪しい行為をしていていも犯罪者と認められないなら、ビフロストという集団も犯罪係数が悪化しない可能性があります。
シーズン2で常森朱が招いた集団的サイコパスの問題は、ビフロストのような組織を裁くにあたってかなり邪魔だったのではないでしょうか?
組織としては他人の不幸を招く行為を繰り返し得ているにも関わらず、構成員は悪い結果を強要しているわけではないので犯罪係数が悪化しないというのは、集団的サイコパスを測定できるのとは逆に犯罪集団の構成員を裁けないという矛盾を孕んでいたのではないでしょうか?
つまり、シーズン3でビフロストの問題に対処するシュビラシステムにとって、「常森この野郎余計なことしやがって!」となったと推測することができます。
*これは筆者の勝手な推測です。
騒がれると面倒だから濡れ衣を着せて拘留した?
よくよく考えると、鹿矛囲桐斗の一件以外にマイナスポイントはみつからないので、わざわざ拘留して仕事をさせない理由が見当たりません。
常森朱が拘留された一番濃厚な理由は鹿矛囲桐斗の件でビフロストの対処方法がわからなくなったので、解決するまで余計な口出しをさせたくなかったからだと推測されます。
シュビラシステムは鹿矛囲桐斗と向き合った時点で選択を迫れました。それは答えを出さないと執行対象になるのは明白だったからで、答えをだしたことで裁かれずに済んで鹿矛囲桐斗も処分できました。
ただし、残る問題が大きすぎてやがて誰かに裁かれるのは時間の問題となりました。
死ぬことが確定したシステムが生き残る最終手段は証拠隠滅ただひとつ!
別に深く考える必要などなく、最初からそうしたらよかったのに物語だからこういう展開にしたのでしょう。
とりあえず濡れ衣を着せて拘留し、問題の解決方法が見つかるまで余計な口出しをされないよう保身を計ったというところじゃないでしょうか。
シーズン3の冒頭で慎導灼が車の後部座席でウトウトしている時の夢の中で、ラジオに流れる厚生省局長の殺害のニュースが流れますが、このシーンを見て常森朱が禾生局長を殺害したという内容のニュースだと気付いた人は凄いです。
筆者は耳があまり良くないのか、ほとんど聞き取れていませんでした。
つまり、常森朱は鹿矛囲桐斗の一件について全面的に許されていたわけではなく、理由をこじつけて軟禁状態にされたということなのでしょう。
劇場版PROVIDENCEで明かされた常森朱の勾留の真実!
常森朱の勾留理由が分からないので勝手に推測して独自の見解を並べ立てた筆者でしたが、2023年5月13日(土)に公開された劇場版PROVIDENCEでとうとう真実が明らかになりました。
(ネタバレ注意!)
PROVIDENCEは劇場版「サイコパス Sinners of the System Case.3 恩讐の彼方に」と「サイコパスアニメ3期」の間のことを描いていおり、常森朱が拘留されることになった経緯がはっきりします。
その理由は以前から噂されていた通り禾生局長を殺害した容疑をかけられたからですが、これはある意味で容疑というよりも現行犯逮捕というやつです。
なんと、常森朱はシュビラシステムの存在が誤りであることを社会に訴えかけるために、公衆の面前で禾生局長を射殺したのです。
シーズン2の最後でシュビラシステムはいずれ自らの存在を社会に明かす時が来ることを明言していましたが、それはシュビラシステム自身の意思よりも常森朱の意思によって先に公にされてしまうというわけです。
もちろん、禾生局長は人間じゃないので人間が死んだような状況にはなりません。
その結果、シュビラシステムも常森朱を裁きかねて処分できず、丸く治まる方法がみつかるまで閉じ込めたというのが真相です。
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