ヴィンランド・サガ2期でケティル農場で働く女性の奴隷でアルネイズさんはケティルの寵愛を受けたおかげで厳しい奴隷労働を強要されずに済んでいます。
ところが、アルネイズさんはケティルには伝えていませんがお腹にケティルの子を身籠っており、それがきっかかけで心境に変化があったようです。
ところで、トルフィンやエイナルもそうですがアルネイズさんも元々庶民として村で畑を耕したり魚を採ったりする普通のデーン人の暮らしをしていました。
しかし、あることがきっかけでアルネイズさんも夫のガルザルも奴隷の身分となりケティル農場へ連れてこられることになります。
主人であるケティルが不在の農場で大事件が起きたことで、視聴者の間では死亡説が飛び交っていますが、そもそもアルネイズさんはどういう経緯で奴隷になり何を願って生きていたのか筆者の独自の見解を紹介します。
目先の利害に振り回された男たちの犠牲となった村
そもそもアルネイズさんが住む村は皆が平和に生活できていました。
ところがある日、夫のガルザルを含む村の男たちは鉄が採れる近くの村の利権を巡り、やがて鉄を手に入れた者が有利になると考えて争いを始めます。
アルネイズさんは今の現状だけ見れば、わざわざ争いなどしなくても生活はできているので辞めて欲しいと訴えるのですが、ガルザル達は聞く耳を持たず戦争へ行きます。
しかし、自分がたちが不在の村がどうなるか全く頭にない男たちは総出で戦に入ってしまったため、村は女と老人・子供だけとなり、そこをバイキングにまんまと襲撃されてしまったのです。
その結果、アルネイズさんや夫のガルザルを含めて村の住人は奴隷として商人に売られてしまい、2人ともデンマーク南部の農場へ買われてゆくこととなります。
奴隷身分として理不尽な屈辱に耐えかねたガルザル
ところが、2人の運命は奴隷になった後も数奇な運命をたどることになります
アルネイズさんは運よくケティル農場へ行くことができましたが、夫のガルザルはケティル農場の近くの農場で働いていました。
アルネイズさんがケティルの寵愛を受けて理不尽な重労働を強いられることがな一方で、ガルザルは日々屈辱的な仕打ちに苛まれ、ある日とうとう我慢の限界がきてしまいます。
そして、主人とその家族を殺害し手に鎖を付けたまま脱走してしまうのです。ガルザルは真っ先にアルネイズさんを探し出そうと考え、馬を走らせてすぐにアルネイズさんを見つけ出します。
しかし、ケティル農場の用心棒である客人を1人殺害したことで、客人のリーダーである蛇から目を付けられ、剣で切り合った結果ガルザルは蛇に捕まり縄で縛られてしまいます。
ケティル不在の農場で起きた最悪な悲劇
ガルザルがまだ生きていることを知らなかったアルネイズさんは実の夫が自分を助けに来たことで心が動揺します。
なぜなら、アルネイズさんはこの時すでにケティルの子ども身籠っていたからです。
アルネイズさんはかつてガルザルとの間にできた子供の命を戦争で無惨に奪われた経験から、お腹の子どもは平和な環境で育てたいと願っていました。
そのため、不要な戦争を起こし自らを不幸のどん底に突き落としたガルザルよりも、ケティルとの生活のほうを選択するほうが子供のためだと願ったのではないでしょうか?
ところが、久しぶりに目の前に姿を現した夫のガルザルは目を血走らせ鬼神のようなデーン人そのものの姿で、とても幸福を呼び寄せる存在とは言い難いものがあります。
つまりアルネイズさんは、人間的に当たり前だとされる夫婦の感情と、新たに生まれてくる生命を守りたいと思う感情の板挟みになったのではないでしょうか。
そしてなによりもマズかったのは、この出来事がよりによって主人であるケティルが不在の時に起こったということです。
さらに付け足すと、ケティルはデンマーク王に謁見しに行った先で罠にハメられて領地を接収されることが確定し精神的にボロボロの状態になっており、たとえ王であろうと自分のものを奪おうとする者は絶対に許さないというモードに突入していたのです。
心が揺らいで致命的な選択ミスをしたアルネイズさん
この最悪な状況でアルネイズさんは致命的な選択ミスをしてしまいます。
なんと、縄で捕縛された夫のガルザルの傷の手当をしたいと申し出て、ガルザルに脱走するチャンスを与えてしまうのです。
その結果、ガルザルは客人を5人も殺害し自らも重傷を負い出血多量で倒れてしまいます。
アルネイズさんは出血多量のガルザルを大旦那様の小屋に運び込みますが、大旦那様は実は奴隷という存在を肯定的に思っていない人だったので、ガルザルはベッドの下に隠すことに協力してしまいます。
それどころか、2人に馬車を与えて村から逃げるのを手助けさえするのです。
さらにそこへトルフィンやエイナルも手助けしたことで、剣を持った蛇VS素手のトルフィンというドリームマッチが実現するのですが、結局ガルザルは村を出るまでに出血多量でこの世を去ってしまいます。
全てを失い怒り狂うケティル
ガルザルが死んだことでアルネイズや逃亡に協力したトルフィンやエイナルもみんな縄で縛られてしまいますが、ケティルはデンマーク王の謁見から帰ってきて自分が不在の間に村起できた事件を知ることになります。
ところが、この時のケティルはすでにデンマーク王による理不尽な領地接収で頭がおかしくなっており、自分のモノのを絶対に誰にも渡さないという考えでいっぱいになっています。
ケティルの身に起きた理不尽については、【ヴィンランド・サガ】ケティルさんのかわいそうな結末と現代の労働市場で詳しく解説しています。
そのため、逃亡を企てたアルネイズさんに対して普段なら決して暴力を振るったりしませんが、この時は棒で滅多打ちにしてしまうのです。
お腹に自分の子どもがいると聞かされても、その言葉すら信じようとせず、アルネイズさんは意識を失うまで棒で打たれてしまうのです。
最後に、デンマーク王の城下町から脱出するのを手伝ってくれたレイフさんに、トルフィンとエイナルは勝手に連れて行けと半ば投げやりに言い捨てるケティルでしたが、アルネイズさんだけは自分のものだから絶対に離さないと断言します。
全てを失ったのはアルネイズさんのほうじゃないのか?
ケティルの身の上に起きた理不尽な仕打ちにはかなり同情の余地があります。
農場主として、立派な経営者として、また人格者としても素晴らしい男ではありますが、理性を失い棒で打たれたアルネイズさんはどうなるのでしょう?
恐らく、お腹の子供も助からないくらいに滅多打ちにされたので、アルネイズさんの唯一の願いはこれで途絶えたことになります。
ただ新たな命を大切に育てたかっただけなのに。
夫の予想外な復活と死。心が揺らいでそれに加担してしまった過ち。
全てが理不尽に重なった結果、アルネイズさんは平和な村での生活も新たな命を育む夢も全て失ってしまいました。
アルネイズさんの死亡説については今後も観て行かないと分かりませんが、死んだも同然の状態になってしまいました。
アルネイズさんの一件はいったいどうすることが一番正しかったのか。
トルフィンの言う通り答えは良く分かりませんが、ひとつだけ言えることは戦争が全ての不幸を生み出した根源であるという事実です。
強者こそが心理だと考えるデーン人から戦という概念を取り払うことは非常に困難だとトルフィンが語っていましたが、結局戦争からは何も生まれないどころか不幸を量産するだけなのです。
戦争とは強者が弱者を力で屈服させて自分の所有物にすることです。
この理不尽がまかり通っている限り、アルネイズさんのようないい人が不幸な目に遭う悲劇はなくならないのでしょう。
トルフィンの目指す真の戦士とはいったいなんなのか。ヴィンランド・サガのテーマである戦争と奴隷、非暴力の実現ははたして如何に?
ヴィンランド・サガを視聴する方法
ヴィンランド・サガ1期・2期はAmazonプライムビデオで配信されています。
プライムビデオの無料トライアルを利用すると30日間対象作品を無料で視聴できます。
ヴィンランド・サガ1期・2期は無料視聴の対象作品です。
\プライムビデオ月額600円で対象作品が見放題/
ヴィンランド・サガ 無料トライアルで視聴 ≫
ヴィンランドサガを購読する方法
ヴィンランドサガはBOOK☆WALKERで電子書籍を購入して読むことができます。
なお、作品によっては購入前に試し読みできるものもありますが、ヴィンランドサガは第1巻のみ31ページまで無料で試し読みできます。
アニメ版との違いや原作の繊細なタッチも見てみたい方は読んでみるのも一興です。
なお、BOOK☆WALKERは初回購入に限り購入額の50%がコインで還元されるので、初めてなら実質半額で購入することができます。
\ヴィンランドサガ第1巻が無料で読める!/
BOOK WALKER 公式サイト ≫
コメント