荒木飛呂彦の代表作『ジョジョの奇妙な冒険第3部』はジョセフ・ジョースターの祖父ジョナサン・ジョースターとの闘いで海底に沈みられていたディオが100年ぶりに復活してスタンド能力を身に付けたことと、新たに登場するスタンドという新概念がメインテーマになります。
これまで波紋を使った肉弾戦がメインだったジョジョシリーズは第3部からスタンドを使った闘いへシフトチェンジされますが、日本では目に見えない能力をスタンドのように具体的な形で描いた人はいなかったため、『ジョジョの奇妙な冒険第3部』から登場するスタンドは多くの漫画の模範となっていきます。
登場人物
- 空条承太郎(くうじょうじょうたろう)
- ジョセフ・ジョースター
- モハメド・アブドゥル
- ジャン・ピエール・ポルナレフ
- 花京院典明(かきょういんのりあき)
- イギー(スタンド使いの犬)
- ホリー・ジョースター
- エンヤ婆
- ディオ・ブランドー
ジョセフ・ジョースターが来日した理由と承太郎の能力
第3部は主人公である高校生の空条承太郎が留置場に入っているところから始まります。
承太郎は喧嘩でチンピラに大怪我を負わせたのですが、最近自分に背後霊が憑りついて勝手に自分に変わって行動するのだと訴えます。今回も背後霊がこれ以上暴れないように留置場に自ら入れてもらったというのです。
母親のホリーは意味が分からず父親のジョセフ・ジョースターをアメリカから呼び寄せ、承太郎を説得するよう頼みます。ジョセフ・ジョースターは承太郎の言う背後霊の正体をしっており、ジョセフに同行するモハメド・アブドルというエジプト人もどうやらそのようです。
ジョセフはアブドルに承太郎を牢屋から出すよう命じ、2人はお互いのスタンドを出して力比べが始まります。炎を操るアブドルは承太郎のスタンドの想像を超えるパワーに驚きますが、約束通り知恵比べで承太郎を牢屋から出すことに成功し、なぜ最近になってこの力が発現するようになったのか、その理由を教えます。
実は100年前に吸血鬼ディオとジョースター家のジョナサン・ジョースターが壮絶な戦いを繰り広げ、ジョナサン・ジョースターは命を落としましたが代わりにディオを海底に沈めて封印することができました。
ところが最近、海底の沈没船が引き上げられてしまいディオが100年ぶりに復活し、エジプトで再起を図っているというのです。しかもディオはジョナサンが死ぬ間際にジョナサンの首から下を乗っ取ったことで生き延びられた事実があり、ディオが復活したことでジョナサンの血縁者みんなに影響が出ているのです。
ディオを倒して母親に発現したスタンドの悪影響を排除する戦い
ディオのような吸血鬼の存在を聞いてもピンとこない承太郎でしたが、首に星の痣の話を聞いて信憑性を感じぞっとする承太郎でしたが、ディオはすでに日本へ刺客を送り込んでいました。
承太郎は学校で花京院典明というスタンド使いの転校生に襲われ、スタンドで対決することになります。スタンドバトルは承太郎のスタープラチナが花京院のハイエロファント・グリーンを圧倒して勝利しますが、額にディオの肉の目(ディオの細胞)を埋め込まれた花京院は放置すると脳を食い破られて死んでしまいます。
承太郎は精密な得意とするスタープラチナで花京院の肉の目を排除し花京院の命を救います。
ところで、承太郎もジョセフもディオの復活に呼応してスタンド能力を発現させたのですが、母親のホリーも例外ではありませんでした。
不運にも母親のホリーはスタンドを制御するだけの闘争エネルギーを持ち合わせていなかったため、放置すれば50日で死に至る状態に陥ってしまいました。アブドルは今までにホリーのような人間を何人も見たことがあるとのことで、この症状を治すにはスタンドが発現した原因であるディオを排除するしかないことが分り、承太郎は打倒ディオを決意します。
ところで、ディオが今どこにいるのか正確な場所は誰にもわかりません。承太郎はジョセフがハーミット・パープルで念写したディオの写真の背景にハエが飛んでいるのをスタープラチナでの目で確認し、そのハエはアスワンツエツエバエであることが判明します。
アスワンツエツエバエはエジプトにしかいないハエなのでディオの居場所がエジプトであることが分りました。また、肉の目を除去して正気になった花京院もエジプトでディオに肉の目を仕込まれたと証言しており、裏付けもとれました。
これにより承太郎・ジョセフ・アブドル・花京院の4人は50日以内にエジプトへ辿り着きディオを排除する戦いへと出発することになります。
ジャン・ピエール・ポルナレフとの出会い
ジョセフ一行の旅は行く先々でディオに雇われた刺客に狙われる危険なものとなります。最初は飛行機の機中でタワー・オブ・グレーを操るテロリストに遭遇し、花京院のハイエロファント・グリーンが見事勝利しますが、操縦士がすでに殺害されていたため、旅客機はジョセフの操縦で海へ不時着することになります。
その後、香港に上陸し昼食を食べようとしているところへジャン・ピエール・ポルナレフと名乗るフランス人が同席しますが、ポルナレフはディオの刺客であることが判明します。
騎士道の精神を重んじるポルナレフは炎使いのアブドルとスタンド対決をしますが、経験値の差でアブドルがポルナレフに圧勝します。ポルナレフは敗北後、マジシャンズレッドの炎で焼け死ぬ道を選択肢しますが、後ろから反撃せずに敢えて死を選んだ気高さに感動したアブドルは炎を消して助けることにします。
ポルナレフも花京院と同じように額に肉の目を仕込まれていたのでスタープラチナで肉の目を摘出して排除に成功。晴れてジョセフ一行の仲間入りを果たすことになります。
ポルナレフは故郷のフランスで妹をスタンド使いの変質者に殺された辛い過去を持ち、今は復讐のために犯人捜しの旅をしている最中だったようですが、なにかの役に立てるかもしれないといって同行を決意します。
休む暇を与えず攻撃をしかけるディオの刺客
ポルナレフが仲間に加わってからもディオの刺客は休む暇を与えず攻撃をしかけてきます。香港からシンガポールへ船で移動する途中、ダークブルームーンのスタンド使いによる襲撃を受けたほか、通りかかったタンカーはスタンド使いのオランウータンが操るストレングスの実態があるスタンドそのもでした。
シンガポールに上陸してからもエボニーデビル、イエローテンパランスと立て続けに襲撃され、ジェセフ一行は休暇もありません。
しかしようやくたどり着いたインドでポルナレフは鏡の中を光の反射を利用して移動するハングドマンのJ・ガイルに遭遇します。J・ガイルはディオにスタンド能力の使い方は教えたエンヤという老婆の息子で、両手が左手という珍しい特徴を持っていますが、これはポルナレフが探している妹の仇と同じ特徴でした。
なんとポルナレフが探していた仇はまさにJ・ガイルその人で、J・ガイルはそれを承知でポルナレフを挑発し、感情的になったポルナレフは命を落としかけますが、アブドルの犠牲と花京院のフォローでなんとか正気を取り戻し、最後はJ・ガイルを『針串刺しの刑』に処して妹の無念を晴らします。
J・ガイルは当初エンペラーという銃のスタンド使いホルホースと組んでいましたが、ホルホースはアブドルを始末したあとJ・ガイルが負けたと知るとさっさと逃げてしまいます。
インドでJ・ガイルが死んだことは母親であるエンヤ婆に直感で伝わり、エンヤ婆はパキスタンで霧を操るジャスティスを使ってジョセフ一行を待ち伏せします。
死体さえも操る驚異的なジャスティスの前に一行は苦戦しますが、承太郎はスタープラチナでジャスティスを丸ごと吸い込んでしまい、息ができないエンヤ婆は窒息して失神敗北します。
その後、エンヤ婆はディオに対する忠誠心が強かったにも関わらず、スタンドの秘密を喋られることを恐れて肉の目で口封じされてしまいますが、エンヤ婆は死ぬ間際までディオを信じていました。
パキスタンを越えてからもディオの刺客は途絶えることなく襲って来ます。ホイール・オブ・フォーチュン、デス・サーティーン、女教皇(ハイプリエステス)、次々に襲い掛かる強敵を承太郎たちはスタンドで撃退していきます。
エジプトで待ち受けるエジプト9栄神
ところが、潜水艇に乗って紅海を渡りエジプトに上陸してから敵スタンドがより強大になります。
本来スタンドはタロットカードの暗示の数しか存在しないと考えられていましたがそれは誤りで、エジプトではエジプト9栄神を暗示するスタンド使いがディオの刺客として襲って来ます。
- ゲブ神 ンドゥール
- クヌム神 オインゴ
- トト神 ボインゴ
- アヌビス神 刀そのものがスタンド
- バステト女神 マライア
- セト神 アレッシー
- オシリス神 ダニエル・J・ダービー
- ホルス神 ペット・ショップ
- アトゥム神 テレンス・T・ダービー
ジョセフたちの旅でエジプトでの戦いほど過酷を極めたものないでしょう。一行はエジプトでディオを見つけるまで全ての戦いで苦戦を強いられますが、そのなかでもゲブ神のンドゥールとアヌビス神、オシリス神のダービー(兄)は仲間が命を落とすギリギリのところまで追い込まれ、かろうじて勝利できたというかんじです。
ゲブ神のンドゥール
ンドゥールは水を自在に操る盲目のスタンド使いですが、音を聞いただけで遠くにいる対象の正確な位置を把握して刃物のような切れ味でスタンド攻撃を仕掛ける強敵でしたが、承太郎が仲間のイギー(スタンド犬)を投げ付けることで注意をずらし、その間に近づいて仕留めることができました。
オシリス神のダービー
また、オシリス神のダービーは筋金入りのギャンブラーのスタンド使いで、ギャンブルで勝負して勝った相手の魂をコインとして収集する恐ろしい相手でしたが、ペテン師顔負けのジョセフジョースターでさえ歯が立ちませんでした。
ギャンブルで勝負しても勝てないと判断した承太郎は賭けの材料にディオのスタンドの秘密を喋ってもらうという条件を提示したところ、ダービーはあまりの恐怖にビビッて失神してしまい、スタンド能力が解除されて勝つことができました。
アヌビス神
また、アヌビス神は刀そのもが意思を持っているスタンドで刀に触れた人間に憑依して戦いますが、憑依された人間を倒してもまた誰かに憑依されるとスタンドにはダメージがないため戦いが終わりません。
しかもアヌビス神は一度戦った相手の力を記憶して利用する能力を持っていたため、立て続けに異なる人間に憑依されると相当厄介です。
承太郎はアヌビス神との戦いが終わった後、「疲れすぎて動けん」と言って初めて他人に助けを求めているほどです。
ディオの館の番人たち
ジョセフ一行はエジプトに到着してからもディオの館の場所を突き止めるのに難航しますが、最終的に地元の浮浪者の情報網を借りて写真の建物を突き止めます。
一行がディオの館に入るや否やジョセフ・承太郎・花京院の3人は落とし穴で地下に落されてしまい、執事のダービー(弟)と魂を賭けたゲーム対決をすることになります。
また、アブドル・ポルナレフ・イギーはそのまま館を散策してディオのいる部屋を探しますが、ジョセフたちとわかれてすぐ、アブドルはバニラ・アイスというディオの僕にやられてしまいます。アイスのスタンド(クリーム)はあらゆる物体を飲み込むことができるスタンドで、その行先は本人にも分かりません。
アブドルは背後から襲ってきたバニラ・アイスのスタンド攻撃からポルナレフを助けるため、自分だけ犠牲になって飲み込まれてしまうのです。
ゲーム対決の結末
ところで、地下に落ちたジョセフ達のゲーム対決は花京院が失敗して魂を奪われますが、承太郎は真正面から勝負せずにジョセフのスタンドを利用したインチキで勝利します。しかし敗北を認めたダービーは花京院の魂を解放したため、スタープラチナにオラオララッシュを叩き込まれて先不能になります。
バニラアイスとの戦いの結末
ポルナレフとイギーはバニラアイスのスタンド能力に圧倒されて大苦戦しますが、ポルナレフには途中で何度か勝機がありました。
シルバー・チャリオッツの剣で脳幹を串刺しにして勝ったと思った瞬間もありました。ところがアイスはなぜか不思議なくらい不死身なのです。
実はアイスは闘いの前にディオから血をもらって吸血鬼になっており、そのため脳を突き刺したくらいでは死なない体になっていたのです。
この闘いでイギーはアイスを油断させるためザ・フールで砂で作ったディオを見せ、アイスの背後を取ります。ところがこれがバレてしまい、逆鱗に触れたイギーはアイスに蹴り殺されてしまいます。
ポルナレフも足を何カ所もえぐられて動けなくなりますが、瀕死のイギーに助けられながらなんとかアイスを太陽の元へ引きずり出し、陽光で粉々にして倒します。
ディオとの最終決戦
バニラアイスを倒したポルナレフはディオのいる部屋へ続く階段を登ります。するとディオはポルナレフをあざ笑います。もう一度仲間になるチャンスをやると言うディオと、それを拒否するポルナレフ。
YESなら階段を下りNOなら階段を登れと言われ、登っているつもりがなぜか下りている現象に遭遇しパニックになります。実はこの時ポルナレフはディオの時を止める能力で降りるよう操作されていたのです。
ちょうどその時、ダービーとの戦いを終えた承太郎たちが追い付きますが、召使いにディオの眠る棺を空けさてみると中にいるのは召使いのヌケ作そのものでした。
ポルナレフの言う通りなにかヤバいことが起きていると感じた一行は、すぐさまディオの館から逃げることにします。それはちょうど太陽が沈みかけ夜になろうとしている頃で、まさにディオの時間の始まりでした。
花京院典明の最後のメッセージ
状況はディオが走り去るジョセフ・花京院を負い、承太郎・ポルナレフが後ろからディオを追う形になりました。
最初に追いつかれた花京院は時計台の上でハイエロファントの結界を張り、誰であろうと触れた者は無傷ではいられない状況を作り防御策を講じます。
ところが気付いた時には結界は全て切断され、花京院はザ・ワールドに胸を貫かれていました。花京院は死ぬ間際に時計台の針が動いていないことに気付き、ディオの能力が時を止める能力であることに気付きます。そして、それを知らせるために時計台の針をエメラルドスプラッシュで破壊して絶命します。
ジョセフはこのメッセージにすぐ気づき、とんでもなくヤバい能力であるため逃げるよう承太郎に叫びますが、ディオに追いつかれてやられてしまいます。
承太郎とディオのガチンコ対決
花京院とジョセフがやれてしまい、ポルナレフも不意を突いた暗殺に失敗し、勝負のゆくえは承太郎とディオのガチンコバトルに委ねられます。
当初、ディオは時を止めることで余裕で勝利できるものと油断していましたが、時を止めた世界のなかで承太郎が少し動いたことに気付きます。
実は承太郎はディオの能力を知ったことで「時を止める」という事実を認識し、それによりスタープラチナにも時が止まった世界の中で反撃するため能力が開花したのです。
当初、ただの手品で騙されたと思ったディオでしたが、承太郎は本当に止まった時の中を動いてディオに反撃し、ディオは大ダメージを食らいます。
承太郎とディオのやり取りは最後までパワーとパワーのやり取りに騙し合いの要素が混じったものとなり、最終的にディオは時を止めて承太郎をロードローラーで押しつぶし勝利を確信します。
ところが、勝利に浸るディオはなぜか体が動きません。
なんと、承太郎はディオが時を止めた制限時間いっぱいギリギリのところで、立て続けにスタープラチナで時を止めてしまったのです。
今までは止まった時の中で動くだけの承太郎でしたが、実はディオと同じように時を止めることができるようになっていたのです。それに気付かなかったディオは動けない時の中で恐怖に怯えます。
承太郎はプライドからか敢えて止まった時の中でディオにとどめを刺さず、時が動き出してからラッシュで勝負することを宣言し、時が動き出すと同時に承太郎とディオのラッシュ対決が始まります。
強烈なケリを入れるディオのワールドとケリを拳で受け止めるスタープラチナでしたが、ディオがニヤッと笑った次の瞬間、ケリを入れたワールドの足に大きな亀裂が入り、亀裂はボディから頭部へと及びディオの本体は上半身が吹っ飛んでしまいます。
承太郎はディオとの殴り合いに勝利し、ディオの残骸は朝になって砂漠にバラまかれて最後を迎えます。
最後に承太郎が口にしたセリフが印象的です。
お前の敗因。それはとてもシンプルだ。
お前は俺を怒らせた・・・
ジョジョの奇妙な冒険第3部を視聴する方法
U-NEXTでは『ジョジョの奇妙な冒険第1部~第6部』を配信しています。
U-NEXTは月額2,189円(税込)で映画・ドラマ・アニメの対象作品が見放題の他、音楽・電子書籍も対象作品が効き放題、見放題です。
また、31日間の無料トライアルを利用すると、31日間に限り対象作品を無料で視聴することができます。
ジョジョの奇妙な冒険第3部を購読する方法
ジョジョの奇妙な冒険は楽天koboで電子書籍を購入できます。
購入前に無料で立ち読みできるので、積極的に利用することをおすすめします。
*作品によって試し読みできるページ数が異なります。
\楽天ポイントが貯まりやすい!/
楽天kobo 公式サイトこちら ≫
第3部を除く他のシーズンのあらすじについては下記の関連記事が参考になります。
コメント