グーグルの検索エンジンで何かを調べようとすると、的確にキーワードを入力しているつもりなのに見当違いの記事や的外れな情報ばかりがヒットして困ったことがある人は多いと思います。検索エンジンはユーザーのニーズに応えて正確な情報を提供してくれるはずなのに、どうしてこんなことが起こるのでしょうか?
その理由は意外と簡単で、検索結果で上位に表示されている記事の執筆者の意図が情報提供を目的としていないことに起因します。
ちょっと回りくどい言い方になってしまいましたが、噛み砕いて説明するとこうです。
「そもそも正確な情報を提供することを目的としているのではなく、ただ儲かればいいという発想で記述しているから」
というのが正確な答えです。
順番に説明していきます。
検索結果の順位と記事の内容の信憑性は無関係
非情に悲しい現実から説明する必要があります。
まず、検索結果で1位と2位に表示されている記事の内容が事実と相違なく記述されているという保証はどこにもありません。
そんなことを検索エンジンに判断させることは不可能です。
検索エンジンはブログ名や記事のタイトルに含まれるキーワードと記事の見出しや記事内に含まれる文言を照らし合わせて、文脈が正しいかどうか、無関係な文言が多数含まれていてタイトルと記事の関連性が薄くないかどうかなど判断しますが、それ以上のことはできません。
そのため、ある程度のドメインパワーがあるサイトで特定分野に特化した記事をそれらしく書いただけなのに、内容が事実と異なっているにも関わらず検索結果で1位に表示されることなどざらにあるのです。
なにもよりも致命的なのは、どうも検索エンジンはその誤りでさえ独自性として解釈しているのではないかと疑われる節さえあるということです。
こうなるともうお手上げです。
実際にある話ですが、検索結果の上位に虚偽や不適切な記事が長い間君臨していたけれど、読んだ人から不評を買った結果、クリック率が激減して誰もアクセスしないようになることがあります。
つまり、誰の目から見てもわかる誤情報満載の記事は読者の判断で二度と閲覧されなくなることはあります。
問題なのはちょっと読んだだけでは分からないような巧妙なライティングで読者を魅了しておいて、実はガセネタだった場合です。
そして冒頭にも書きましたが、実はグーグルの検索結果で上位表示されている記事ほどガセネタが非常に多いのです。
その理由はなぜか、最近になってようやく気付きました。少し気付くのが遅すぎましたが。
上位表示にガセネタが多いのは大半がアフィリエイトサイトだから
検索結果の上位表示にガセネタが多い理由のほとんどはこの見出しの通りで、その記事がアフィリエイトを目的としたブログやホームページだからです。
アフィリエイトサイトというのは商品を紹介して記事を読んだ人がその商品を購入したくなるように記述しているため、ライティングスキルも優れている場合が多いです。
特に上位表示されている記事は有料テーマを使用した洗練された外観と、鍛えられたライティングスキルにより、読者を強く惹きつけるものがあります。
ところがです。
比較サイトなどで実は性能が良くない商品でも、売れた時の報酬単価が高い商品に限って優れた商品であるかのように紹介されてしまうのです。
そのため、現実には性能がNO.1の商品でも、ネットの検索では上位に表示されにくく、アフィリエイト報酬の高い商品の紹介記事ばかり上位に表示されるという困った問題が起こるのです。
そして、なにより問題なのは、そうやって収益目的で上位表示を狙った記事内容の信憑性をグーグルの検索エンジンは判断することができないのです。
はっきり言って、検索エンジンが公式サイトの情報を正確に把握することができたとしても、この問題を解決することは困難だと思われます。
なぜなら、検索エンジンはその誤った情報を独自性のある見解として判断し、むしろ高評価する可能性もあるからです。
ところが、ここまで読んでくれた方の中には疑問を持たれた人もいるのではないでしょうか。
上位表示されている記事がアフィリエイトサイトばかりで、その記事内容がガセネタばかりだとしても、そもそも上位表示されるか否かは誰にも分からないのでは?
そんなにガセネタで上位表示されているサイトの存在を批判がましく指摘するのなら、正しい情報を掲載した記事が上位表示されるよう皆が務めれば良いのでは?
その通りです。
まさにその通りで、ならずものサイトを放置させ、検索結果の上位にガセ情報を蔓延させてしまっている原因は、上位表されていないサイトがSEOで負けているからだというのは一理あります。
多くの良心的な運営者が本気になれていないことが、商売だけを目的にして真実を蔑ろにしたサイトを野放しにしてしまっているというのは一理あります。
しかし、この問題を解決するのはけっこう厄介です。
なぜなら、上位表示されているサイトというのは、検索するする人がどんなニーズを持っていて、どういう商品に興味を持ちやすいか良く知っているため、そもそもタイトルをネーミングする段階で正しい情報を提供しようとする者ほど不利になる傾向があるからです。
記事タイトルに検索需要があるキーワードを含めないと検索されない
記事にタイトルを付ける時、誰でも必ずキーワードツールを使用するはずです。
もしもキーワードツールを使用せずなんとなくネーミングしたりしたら、実は検索需要が月間100未満だったりして悲惨な結果になります。
そのため、必ず検索する人がいることを確認して記事のタイトルを決めるのは鉄則になります。
ところが、ここでひとつ問題が発生します。
今、多くの人が知りたがっている情報があるとします。
その情報を調べようとする人がどんなキーワードで検索しているかある程度わかっても、競合が強すぎて同じキーワードで闘うのが明らかに不利な場合があるのです。
これは当たり前のようにぶち当たる壁です。
ちなみにこういうケースは、ASPのお知らせなどで新規のプロモーションを頻繁にチェックして、新商品を商標名を含めた複合キーワードで狙う以外に勝ち目がない戦いになる場合が多いです。
それでもほとんどは負け戦になってしまい、10位以内に入れたけどほとんどクリックされないことが多く、やはり3位以内に常駐できないと勝負は難しいかと思います。
つまり、狙うべきキーワードが分かっても競合が強すぎると勝負にならないのです。
そして、こういう闘いで上位に陣取っている記事が往々にしてガセ情報を載せているサイトが多いのが問題なのです。
なぜ問題なのかと言いますと、誤ってガセ情報を信じた人が多くなると、本当の情報を記載しているサイトが逆にガセネタを書いているように誤解されてしまうからです。
そのため、正しい内容で書いたところで上位表示されないのなら、別のキーワードで狙うしかなくなるのですが、そのための常套手段が皆さまお馴染みのロングテールキーワードです。
ロングテールキーワード作戦は本当に当たり易く、弱小ドメインでも狙うキーワード次第で確かに10位以内にランクインする成功率が高く、今では誰もが知っている基本的な発想になってしまいました。
そして、ロングテールキーワードで上位表示された記事は、ビッグワードやミドルワードを使用してネーミングされたタイトルの記事よりも検索需要は少ないですが、内容が濃くてはっきりと具体的な情報が記載されたサイトが多いです。
そのため、クリックされた時の離脱率も比較的低く、滞在時間が長いことが明らかです。
まあ、いわゆるマニアな記事にマニアな読者が訪問してくれた時など、1時間以上閲覧していることなどよくあることです。
これは自分が調べ事をする時のことを想像すれば容易にわかることですが、本当に知りたい情報が書かれたサイトからはなかなか離脱できませんし、離脱したくありません。
有益な情報が記載されたサイトに出会った時など、隅々まで読むだけでなく、関連記事も読み漁ったりするものです。
下手したら感謝やお礼のメールだって送りますし、おせっかいながらアフリエイトリンク張っていても良いはずのところに公式サイトのリンク貼ってたりしたら、なんでだろうと思ったりします。
また、なかには内容も正確でコンテンツもしっかりしていて、ビッグワードでもロングテールキーワードでもどちらで検索しても上位に表示される記事も確かに存在しますし、そういう記事は本当に素晴らしいです。
HOW TO系のサイトほどガセネタが少ない
ネットで調べ事をする時、調べる内容によって上位表示されている記事のガセネタ遭遇率は極端に異なります。
何かのサービスや商品を購入しようとして商品のレビューや評価・口コミを検索したりすると高確率で適当な誰が書いたか分からないようなインチキレビューに出会います。
知っている者からすれば嘘八百の記事でも1位に君臨していたりします。
VODサービスの訴求なんかで、作品を紹介することでVODサービスを訴求する形式の戦法をとっている記事とかでも、適当な感想・レビューを書いていて、絶対に見てないことが分かるような記事が山のようにあって、そんな記事が上位に君臨しています。
そういうゴミ記事はたいていが外注に書かせたものでなんの思い入れもなく、他のサイトに書かれている同一ジャンルの記事との差別化を図るための具体的な観点など一切見当たらず、まるで顔のないノッペラボウが書いたような無機質な記事やサイト名が目立ちます。
ところが、同じ調べものでもワードプレスの無料テーマのカスタマイズの方法や、グーグルのAPIの使用方法を紹介してくれるサイトなどでは、ガセネタ遭遇率が極端に下がります。
なぜなら、そもそもIT技術や無料のサービスの利用方法を共有しようという意識ある人達は、アドセンスの広告を貼っていることはあっても、商品の紹介に繋がるアフィリエイトリンクや広告を設置しておらず、お金目当てで記事を書いていないのです。
HOW TO系のサイトは、そもそも純粋に知識の共有を図ることを目的としているものが多く、ある物事の手順を詳細に説明したところで、アフィリエイトに繋がる商品もない場合が多いのです。
たとえば、グーグルのインデックスを加速させる方法にGCPというグーグルのAPIを利用したプラグイン(Instant Indexing for Google)がありますが、私はある良心的なサイトでその利用方法を教わりましたが、その見返りになにもしていません。
なぜなら、そのサイトにはアフリエイトリンクが一切設置されていなかったからです。
つまり、純粋に知識を共有することだけを目的しているサイトだったのです。
人は商売にならないのに記事を書く時、なぜか嘘を書かないようです。
そのサイトは非常に分かり易く説明して下さっていたので、私は自分なりに理解しやすいように、自分のためにInstant Indexingの使い方の手順書を作り直して記事として投稿しましたが、感謝の気持ちをこめて、サイト運営者のサイト名を掲載し、きちんとリンクを貼ることでお礼することにしました。
その記事はもしかして、信用を勝ち取ったあとでゆくゆくは別の形でマネタイズするための入り口だったのかもしれませんが、少なくとも巷で見られるような露骨なガセネタをバラまいた有害なアフィリエイトサイトとは天地雲泥の差がありました。
HOW TO系のサイトは新旧の情報が入り混じっている
しかし、HOW TO系のサイトにも欠点があります。
ここで言う欠点とは悪意のある欠点ではなく、ある意味仕方のない欠点です。
多くのブログ執筆者は、記事のリライトをすることはあっても、全ての記事を見直すようなことはなかなかしません。
理由は100記事越える前くらいから、もう手に負えなくなるからです。
そのため、1年前に書いたワードプレスのカスタマイズの方法が今では通用しなかったり、グーグルのAPIを使用するためにGCPにログインしたら画面のレイアウトが変わっていることなど多々あります。
そうなると、以前画面をキャプチャーして説明書を作っていたとしても、説明書の画面と現在の画面に違いが生じて、初めて見た人は「全然違うじゃないか!」と困惑してしまうことでしょう。
これがもし、ひとつのソフトウェアやツールだけについて専門的に記事を書いているのなら話は別ですが、そうでなければ「そうなんですか。知りませんでした」で済んでしまうわけです。
HOW TO系のサイトはいわゆる自己責任型のサイトでもあるので、記事を書いた人もそれを読んで実行する人も自己責任ということをわきまえる必要がある点、注意は必要です。
また、記事が投稿された年月日を見てから情報の信ぴょう性を判断するなど、なんでもかんでも手当たり次第に閲覧しないことも大事です。
古い記事に古い情報しか書かれていないのは当然のことなので、それを誤情報だと思うのも誤りなのです。
検索エンジンの検索結果には、入力されたキーワードにマッチするであろう内容の記事が一覧表示されるので、キーワード次第では最新の記事よりも10年前の記事が上位表示されることなどざらにあります。
検索需要の少ない分野ほどその傾向は顕著です。
そのため、検索結果の上位から順番に閲覧していくと、調べていることの内容次第では根本的に探し方が間違っている場合もでてくるはずです。
例えば、2022年1月にアップデートされたツールの使い方を知りたいのに、2021年に投稿された記事を読んでも正確な内容が書かれているわけがないからです。
検索エンジンは当然こういうニーズに柔軟に答える能力はありませんから、ユーザーは「2021」とか「2022」というキーワードを混ぜることで検索結果を絞ろうとするのですが、そもそも記事のタイトルに「2021」や「2022」という文字列が含まれた記事が存在しなければ、検索結果に表示されることはありません。
やはりHOW TO系のサイトでも、記事を読む側の姿勢は問われるということです。
今後の検索エンジンに期待すること
グーグルは検索エンジンにも民主主義は適用されるとか言ってますが、だったら検索したユーザーが検索結果に表示された記事を閲覧した後で評価できるようなシステムを作って欲しいものです。
なぜなら、ゴミ記事やガセネタをつかまされて時間を無駄にした人が文句を言えず気分を害しているかと思えば、どんな記事でも上位表示できれば収益化できるという理由で、記事の内容などお構いなしだと思っている人がまだ大勢いるからです。
記事の外注化にしてもそうです。外注先するなら外注化していることを公表する義務を課すなどやってもいいと思います。
最近のネットのコンテンツには魂の抜けたような、どこの誰が書いたか分からないような当たり障りのない嘘を並べ立てた記事が多すぎて嫌気がさしているのは私だけでしょうか。
1人の運営者が書いている独自性の強いサイトと、収益重視で寄せ集めの人が書いた記事を大量に投稿しているサイトが同じ目線で扱われるのはなぜか違う気がするのはなぜでしょう。
私は、もしもアフィリエイトから外注化することを積極的に進める趣旨のメールをもらった時に、ASPがこんなこと言っているようだとブログの世界がこうなったのも無理はないと感じました。
まあ、法的に抵触するわけでもないし誰も咎める人などいないのでしょうが、大手のメディアのサイトではライターの名前がきちんと明示されていて、ライターのモラルや責任の所在がはっきりしているのに対して、個人がランサーズやクラウドワークスなどで人を雇って書かせた場合にはそれがないのが不思議で仕方ありません。
ネットに投稿する記事とはそんなに軽いものでしょうか?
10人雇って1人5記事くらい書いてもらって、1カ月で50記事とか言ってますけど、更新頻度の速さではさすがにマンパワーに敵うわけないですよね。
もはや、個人がネチネチ書いて勝てる分野ではなくなったことは明確で、よほど一芸に秀でているか、社会的に影響力をもっているインフルエンサーでないかぎり、おそらく人海戦術が常套手段になったのかもしれません。
知ってます?
「人海戦術」という言葉の発祥。
昔、中国がベトナムと国境紛争を起こして大量に地上軍を投入した時に、歩兵を40万人も投入したことに端を発している言葉だそうです。
20万人も死亡したのですが、中国政府はたったの20万人だといって問題にしなかったことから、人を大量に投入して問題解決する方法を人海戦術と呼ぶようになったそうです。
朝鮮戦争も人海戦術でした。北朝鮮が国連軍に圧倒されると中国の地上軍が国境を越えて大量になだれ込み、38度線まで国連軍を押し返したのです。
北朝鮮が押し返したんじゃないですよ。中国義勇軍が人海戦術で押し返したんですよ。
中国怖いですね。
人海戦術怖いですね。
すみません。余談でした。
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