2020年~2021年にかけて中古ドメインのドメインパワーを利用してトレンドブログによるアドセンス収入を得る方法を紹介するというブログ記事をたくさんみかけました。ほとんどの場合、記事の最後にお決まりのようにライン登録のボタンが設置されていて、無料のメルマガに登録することで情報をゲットできるという仕組みになっています。
当該サイトも3年前にアドセンスの審査に合格してアドセンスの収入があるサイトではありますが、雀の涙のようなアクセス数なので、そういうトレンド系を強く勧める人たちの言動には心を揺さぶられることが多々ありました。
しかし、冷静に多くの情報を分析した結果、そういう人たちには共通している不思議で奇妙な点が存在することに気付きました。
アドセンスで収入を得ることは可能?
まず、そもそもグーグルアドセンスで収入を得ることは本当に可能なのか否かというと、可能と言えば可能です。実際、このサイトもアドセンス広告が設置されていて、クリックされれば収入が発生します。
しかし、月に10万とか多い人では100万稼げるなどと、誇大広告のようなことを平然と言ってのけているのは、ブログの記事よりも先にある無料メルマガの中での話です。
トレンドブログでアドセンス収入を得ることに自身のある人は、トレンドブログが有益であることや中古ドメインを使用することで検索の上位表示か簡単であることをいとも簡単に言ってのけますが、はたして誰がやっても同じ結果を得ることが可能なのでしょうか?
誰がやっても1記事で月に30万PVのアクセスを集めることができるのなら、ホントにやったほうが良いです。それほど大量のアクセスを集めることができれば、アドセンス収入もかなりのものです。
どうしても払拭できない気になる点
前述のとおり、アドセンスで大量のアクセスを集めることがそんなに簡単なのなら、自分でいくつものサイトを立ち上げて一人で大儲けした方が得だと思いませんか?
多くのライバルがはびこるブログの競争社会で、わざわざ自分の裏技を他人に教える必要などありません。仮にお金をもらってコンサルするにしても、それほど儲かるのなら独り占めするほうが儲かるに決まってます。
ところが、トレンドブログで中古ドメインを使用して大量アクセスを集められると豪語する人達の多くは、今はもうブログを書いていないというわけの分からないことを平然と言ってのけます。
理由もみなが口を揃えて同じことを言います。
「楽でもっと儲かる事業があるので、それに注力するためにもう記事を書くことに時間を割きたくない」
という回答がほとんどですが、私はコンサルを募集している10人の方々のメルマガを毎日読み、メールで質問したりしているうちに一つの確信に至りました。
アドセンスで稼ぐよりコンサルで儲けたほうが楽
これは私が言っているのではありません。コンサル生を募集しているアドセンスのプロの方たちの本心を私が推察したものです。
確かに2015年までアドセンスで大儲けしている人がたくさんいたのは事実ですし、その後もグーグルのアップデートで淘汰されても中古ドメインのドメインパワーを活用して検索上位を狙う手法は存在しました。
今でも継続して結果を出している人がいるのも事実のようですが、多くのコンサルタントはこの手法を平均30万(期間はまちまち、最低3カ月~半年)で指導するという名目でコンサル生を募集していますが、本人がもう実践していないという人が多いのはなぜでしょう?
理由は非常に明確で、ほとんどの人が実はもう稼げないことを知っているからです。もう役に立たない手法だからこそ30万もらって教えることができるのであって、本当に現役の手法であれば30万もらったって安過ぎます。
そのため、コンサル生を募集しているサイトの管理人の多くはメルマガの中で多くの受講生が莫大な利益を出したことを誇大広告のように宣伝していますが、コンサル生のサイトURLが公表されているものは一度も見たことがありません。
要するに、実績やその証拠がないにも関わらず、大金をもらってノウハウを教えることで莫大な収益を上げることに専念しているブログの管理人が増えているということです。
もちろん、コンサルを受けて結果が出なくてもコンサルタントに法的な責任は一切ありませんし、責めることもできません。というわけで非常に危険な誘いであると言えます。
しかし10人のうち2人だけ、コンサルにかかった料金と同じ額を稼げるようになるまでコンサルを継続することを保証するというスタイルのコンサルタントがいらっしゃいました。
コンサルの料金はそれぞれ下記の通りです。
コンサルタントA 料金:20万円 期間:1年 条件:月に10万稼げるようになるまで最大半年延長可能 コンサルタントB 料金:40万円 期間:4カ月 条件:期間内にコンサル料金を稼げなければ稼げるまで延長 |
ここまで言えればかなり自信があることが分かります。
ちなみにコンサルタントAは株式会社のアフィリエイトスクールで、IBAアフィリエイトスクールという福岡県の会社です。毎日更新、大量投稿の指導スタイルをモットーとしていて、過去には一世を風靡した手法ですが、こちらはアドセンスではなくASPのアフィリエイト専門です。
この手法は今ではもはや通用しないどころか、逆にSEOで低評価を受けるリスクがある典型例で、この手法を売りにしているのはある意味笑えます。半年で一定の成果を達成できる確率は低いでしょう。
また、コンサルタントBはトレンドブログを中古ドメインで上位表示されるという手法ですが、こちらは株式会社ワンワンの管理人の方です。
個人的にはコンサルタントの責任感はこれくらいあってほしいと思いますし、ここまで言えて初めて信用できるというものです。なによりも重要なのは両名ともに株式会社という法人格を背負っていることで社会的に責任があることを自覚できている点です。
個人事業主が悪いとは言いませんが、うちもIT(メカトロ)で株式会社をやっていた過去があるため、その辺の感覚はやはり法人格を持っている方を信頼してしまいます。
もっとも、私は株式会社の運営者がオススメしたとしても、中古ドメインのアドセンス手法が必ず成功するとは信じていませんし、毎日投稿・大量投稿も論外だと思っています。
中古ドメインはペナルティーを食らっていなくても早い段階で10位以内に表示されやすいのは実験をしてみて分かりましたが、簡単に圏外へ飛ばされる確率も極めて高く、そのうえほぼ戻って来ません。
というわけで、中古ドメインのドメインパワーなどはっきりいって全く信用できません。
そんな運任せなことにお金や時間を使用するくらいなら、新しいドメインをゼロから育てたほうがよほどましだと思います。
サロンのメンバーが同じ手法で宣伝している模様
さすがに10人もコンサルタントとやりとりしていると、コンサルを受けなくてもメルマガを読んでいるうちに狙いがなにか分かるようになります。
そして、皆が揃って無料メルマガやライン登録をすることで有益な情報を提供するというので、とりあえず10人分登録してみましたが、信憑性も独自性も高いので受けてみようと思ったコンサルタントは1人だけでした。
非情に興味ぶかいことに、同一キーワードで検索に引っかかって上位表示されていた人達のなかには、本人たちは公言しませんが、どうもどこかで繋がっているのではないかと思わせる節が多々ありました。
明らかに似たような文言を使いまわしていたり、特別にここだけで紹介するという秘密の手法が同じであったり、下手するとドメインまで似ていたりすることもありました。
人間にはどうしても消せない癖といものがあって、ブログのような大量の文章を書く行為は、隠しても自分の癖というものが知らず知らず出てしまうものです。
コンサル生を募集しているコンサルタントの中にはコンサルではなくて、ひとつの情報を共有することのできるサロンへ入会することを勧める人も数名いましたが、どうもトレンド+中古ドメイン+サロンのキーワードで引っかかる人は同一サロンで繋がってる可能性が高いです。
このサロンの人達は基本的にコンサルはしてくれません。そのかわりサロンへ入会することで有益な情報が入手できるとアピールします。
サロンの利用料は30万~100万と幅があり、期間も3カ月~1年と幅があります。
注意しなくてはいけないのが、サロンは決してコンサルではないということです。
最悪の場合、サロンで居心地が悪くなってしまえば発言することも難しくなり、それでさえ自己責任で済まされてしまいます。簡単に説明すると、自分に合わなければお金をドブに捨てるようなものだということです。
サロンを否定する気はありませんが、サロンは既に一定の収益をあげていてこれからさらに稼ぎたいというレベルの人でないと、サロン内の情報を理解することさえ困難だと言えます。
簡単に説明すると、マラソンの先頭集団に混ざって途中までついて行ったが、疲れて置いてけぼりになるという状態です。
最後に一言、重大な情報を書いておきます。
クッキーのサードパーティーが近々禁止になる
グーグルアドセンスの広告は、見る人によって表示される広告が変化することで有名です。
これはクッキーが有効になっていることが大前提で、その人が普段よく閲覧している商品や趣味の内容に近い広告が自動で表示できる仕組みになっています。
しかし、アドセンスの広告の表示システムは、クッキーの閲覧履歴を利用することでどのサイトを閲覧しても過去の閲覧履歴を参照して過去の履歴と類似した広告を表示できるのであって、この追跡機能が禁止されれば表示される広告は適当になります。
このクッキーの情報が、今後近いうちにグーグル広告の表示ステムで利用禁止になるという情報が表に出てきました。
参考リンクもはっておきますが、グーグルの公式発表を見たほうが良いでしょう。
今までは、どのサイトを覗こうが自分の過去の閲覧履歴を追跡されて、自動的に自分の好みの分野の広告が表示されていましたが、グーグルはこの状態を良いとは思わなくなったようです。
そうなると、いままでアドセンスで莫大なクリック報酬を獲得していた人達のサイトでは、クリック率の大幅な低下が予想されます。なぜなら、表示される広告が閲覧者の趣味・趣向と無関係になれば、当然クリックする確率も低下するに決まっているからです。
この事実をトレンドアフィリでアドセンスを推奨するコンサルタントが知らないわけがありません。
2021年~2022年はトレンドアフィリのコンサル生募集が妙に流行りましたが、実は裏でそういう事情があったのです。
ここ1・2年のうちにアドセンスでのクリック収入は大幅ダウンが予想されるので、今のうちに自分で稼ぐよりもコンサルでボロ儲けして勝ち逃げしようという魂胆なのです。
もし、クッキーのサードパーティー禁止の事実を知らないのであれば仕方ありませんが、知っていれば胸を張ってアドセンスを推奨したりはしないはずです。
それでは今後どういった手法がはやるようになるのかというと、それはやはりASPに逆戻りすると思われます。
と言っても大量アクセスを集めて集客するのではなく、限られたアクセスでコンバージョンの高いキーワードで集客するという、いわゆるニッチ戦略がメジャーになるでしょう。
実は同じアフィリエイトの世界ですが、ミックスホストやカラフルボックスでしか運営できない、あっち方面のアフィリエイトでもとっくにニッチ戦略が主流になり始めています。
○○タレストというアンテナサイトに自分のブログを登録することで無条件に大量アクセスを集めていた時代に終止符が打たれ(まだ存在するし力もあります)、検索需要はそれほど多くないけれど購買意欲の高いユーザーに的を絞った戦略というものが、点穴式(あっち方面の情報商材)ではとっくの昔から強調されていました。
ルレアという情報商材を買って見てみましたが、両方とも根本的にはほぼ同じ考え方です。ロングテールキーワードで上位表示を狙い、徐々にビッグワードでも上位を狙えるように時間をかけてサイトを育てていくという手法です。
どうも、一時的にボロ儲けできる手法よりも、時代に流されない確実な手法の方が、さまざまな環境の変化に振り回されずに生き残る可能性が高いみたいですね。
以上、長くなりましたが2021年、10人のコンサルタントとのやりとりを通して得た情報をもとに、今後のブログの行く末について書いてみました。
なお、ブログのコンサルについて実際コンサルを受けたことのある人や、コンサルをしている人の意見・感想をまとめた記事があるので参考までにどうぞ。
楽勝ではない前提を踏まえたうえで唯一おすすできそうな有料サービス
中古ドメインで大量のアクセスを集めてアドセンスで稼ぐ手法よりも、検索上位を狙って商品やサービスを購入してもらうほうがよほど再現性が高いと考える筆者ですが、コンサルを受けたことは一度もありません。
とは言っても1万円程度の有料商材を購入したことは何度かあるので、こういう経験がまだない人のために参考程度に知っていることを紹介しようと思います。
- 有料コンテンツの多くは今はだいたい無料で手に入る(2023年時点)
- 恐らく今後お金を払わないと知ることのできない情報はほぼ出てこない
- 中古ドメインを利用するならアドセンスより商標で狙うほうが利口
- 商標狙いなら月2~3万はアドセンスより簡単
- ノウハウよりも経験が重視される傾向がさらに強まっている(EEATの先頭のE)
これらのことを踏まえたうえで、それでも今から忙しいなか時間を割いてブログを育てようとしているのなら、ジャンルを絞ったうえで自分の携わっている仕事や関連業界など、経験に基づいた記事が書けるブログを育てないと厳しいと思います。
また、だいたいの情報は無料で入手できるとは言いましたが、自分で何から何まで調べてやろうとするとかなり時間がかかります。
ブログのノウハウは正しい知識と誤った知識を判別するのに半年とか1年単位の時間がかかるので、自力でやろうとすると結局答えが分かった頃にはヘトヘトになっているだけのことが多いです。
そういう意味ではお金を払ってある程度の基礎知識を学びながらブログを育てるのはあながち間違いではないと言えます。
最近では有名なインフルエンサーも自社サービスとしてブログをはじめとするとウェブマーケティングのコンサルをサブスクでやるようになりました。
WithマーケはYouTubeでも有名な「ともっち」さんが運営する月額4,980円でブログに限らずSNSやYouTubeなどウェブマーケティング全般について学べるスクールです。
入会金49,800円かかりますが、高額コンサルを受けるのに比べたらかなり安く済みますし、これくらいなら現実的に1年で取り戻せる額です。
もしもこの記事を読まれている方がこれからブログで収益化を考えているのでしたら、中古ドメインのアドセンスで疲弊する道を進むより、こういうサブスク型のスクールで効率よく勉強する道を断然おすすめします。
コメント