和歌山県の紀北地域は北に和泉山脈、南に海南高原と山々に囲まれています。特に和泉山脈は随所にヒルクライムに適したルートがあって、レベルに応じて走る道を選択することが可能です。ポタリングするならグルメスポットや観光名所もあります。
私も含めてロードバイクを始めて間もない人にとって、坂道は最大の敵であり友であります。
「しんどいけど、なんか楽しい!」みたいな感覚はスポーツ経験者なら一度は味わったことがあると思います。
起伏の少ない紀の川サイクリングロードは一番オススメするコースで和歌山県が運営するサイクリストの為の総合情報サイト「サイクリング王国わかやま」でも紹介されています。
「サイクリング王国わかやま」では多くの和歌山県内のポピュラーなサイクリングコースを難易度別に細かく紹介しています。
但し、各コースの詳細まで徹底的に紹介できるわけではありませんので、詳細は実際に走ってみるか、経験者に聞いて見ないとわかりません。
また、今回紹介する紀の川広域農道は紹介されていません。
紀の川広域農道はこんな人にオススメ
普通にサイクリング、ポタリングするのもいいけど、やや起伏に富んだ地形を楽しみたい。
そんな人にオススメなのが紀の川広域農道です。
紀の川広域農道は京奈和自動車道の北側に位置し、京奈和自動車道の根来IC~橋本ICがある所まで、昔から存在した全長約30数キロの道路です。
紀ノ川広域農道はもともと山だった地域を切り開いて整備された道路なので、傍に見える山々の起伏と同じようにアップダウンを繰り返します。
たった30キロのコースならすぐに走り切ってしまえそうですが、起伏があるので平坦を30キロ走るようにはいきません。結構疲れます。
ちょっと足に刺激が欲しいという方には紀ノ川広域農道道往復60キロをオススメします。
紀の川広域農道の特徴
アップダウンが多いコースですが、斜度は緩やかなものから10%を越えるものまで様々です。
ただ、どの坂も1キロも続くことはなく、200m~400mくらいでしょうか。
坂を登る⇒坂を下る⇒平坦ダッシュ⇒坂を登る・・・
この繰り返しです。
そういえば、それっぽいバイクやジャージを着た玄人っぽい方々がよく走っています。
飛ばして走ればレースの練習なんかに向いてるのかもしれません。
紀の川広域農道のメリット①
このコースの最大のメリットはなんといっても信号がめちゃくちゃ少ないうえに交通量が少ないことでしょう。
坂が多い点は坂が好きな人にとってはメリットでしょう。
信号の少なさは本当にありがたいです。
広域農道に並行して走っている県道粉河加太線や国道24号線などは、安心してサイクリングできる道だとはとても言えません。
県道粉河加太線は交通量は比較的少ないものの、道路の整備状況が非常に悪く、路肩が山のように膨らんでいる箇所が随所に見られるため、油断すると事故に繋がります。
また、県道粉河加太線が極端に道幅が狭いのに対して、紀ノ川広域農道の道幅は大型トラックが行き来するのに問題ないほどの広さです。
しかも交通量は極めて少ないです。
信号間の距離も結構ありますので、時速50キロで走ってもしばらく次の信号まで止まらないで済みます。
信号が多すぎて飛ばす練習ができない悩みともおさらばです。
紀の川広域農道のメリット②
このルートのメリットは信号や交通量の少ないことだけではありません。
なんとこのルート、全長約30数キロの途中で何カ所も山道オンリーのルートへ続く入り口があるのです。
山道というのはアップダウンが少なく登りだけの道という意味です。
どれが有名なのか初心者の私には解りかねますが、泉葛城山をゴールに設定したコースは記念に訪れる人が多く、交通量も少なくて安全です。
その他にも少しだけ知ってるルートを列挙してみます。
風吹き峠(県道62号線:泉佐野内田線)距離:約7キロ
このコースは斜度はそれほどきつくないですが、楽でもないです。
長いコースを走っている途中でこの坂を上るのは初心者には酷です。
しかも、交通量は極端に多いのであまりオススメしません。
全然おもしろくないです。
メリットは道路の整備状況が極めて良好なことでしょうか。
和歌山方面から車で大阪へ行くには最もスムーズでしょう。
また、和歌山方面から大阪方面へ走って頂上を越えてしばらくすると、右手に堀川ダムに繋がる道と合流します。
「鍋谷峠道路」(国道480号線) 距離:約15キロ
このルートは有名です。
ベテランの人がよく練習のために走っています。
バイパスなので新しく整備された道路で路面もかなり綺麗で走りやすいです。
登り始めの5キロくらいは斜度も緩めですが、5キロを過ぎるくらいからだんだんと斜度が強くなります。
頂上付近まで約10キロと長いため、無理せず軽いギヤで登ったほうがいいです。
注意点:
頂上付近に鍋谷トンネルという延長3,697mの長いトンネルがあります。
トンネルの直前に自転車・原付・歩行者 通行禁止の標識があるので確認してください。
トンネルには入らず、トンネルの手前で右折して旧道を走って下さい。
旧道は登りが5キロ、下りが5キロくらいですが、登りはバイパスと比べものにならないくらい斜度があります。
葛城山ほどではないですが、初心者には結構キツイです。
旧道を抜けた後に480号バイパスに戻ると、再び父鬼トンネルという長いトンネルがありますが、このトンネルも自転車・原付・歩行者 通行禁止です。
これもスキップして旧道を走って下さい。
気になる交通量ですが、和歌山県の葛城町から大阪府和泉市・泉大津市へ抜けるためのバイパスなので交通量もかなり多めです。
泉葛城山(ハイランドパーク粉河) 距離:約11キロ
泉葛城山へ行くには和歌山方面から3ルート、大阪方面から4ルートあるそうです。
大阪方面からのルートは走ったことがないので分かりません。
和歌山方面からは粉河広域農道から山側にスムーズに入ることができます。
目印は、「花岡青洲生誕地 4.1km」の看板です。
京奈和自動車道の紀ノ川東IC付近を北に向けて登ってすぐの地点です。
この交差点を北側に曲がり、「堂田商店」というタバコ屋?の三差路を左前方に進むとあとは道なりです。
このコースは葛城山へいくルートの中では最も長い距離になりますが、斜度も初心者にとっては決して楽なものではないと感じました。
中級者以上のレベルだと楽に登る人もいるらしいですが、私の脚力と体重では「ぜーぜーはーはー」1時間かけてようやく山頂にたどり着くのがやっとです。
気が付けばリアが「もうないんか!」という感じです。
ちなみに、最初の1キロくらいは極端な激坂です。
3キロ地点くらいまでは相当な斜度で、無理したらヤバいです。
3キロ過ぎたあたりから斜度も落ち着いてきて、9キロ地点のハイランドパーク粉河を過ぎたら残り2キロくらいでゴールです。
私は去年5回登りましたが、夏に登るのはあまりオススメしません。
山頂まで行けば結構涼しいですが、日陰になるような区間も全くないので、暑さにやられます。
夏に登るなら早朝か夕暮れ前から登り、帰りはライトを点灯させて安全に帰りましょう。
注意点:
晩秋~早春に登るなら手袋の着用が必須です。
山を下る際、手袋を着用していても手が凍るほど冷えます。
鳴くほど痛いです。
手袋だけは妥協せずに高機能の商品を着用することをオススメします。
私は今年の元旦、泣く思いをして山を下りました。
紀ノ川広域農道のグルメスポット
ポタリングするならグルメが欠かせませんので、お食事処の紹介も少しだけしておきます。
フルーツパーラー
「観音山フルーツガーデン」というのが正式名称ですが、フルーツパーラーという名前を持つパフェ&果物屋さんです。
さすがにサイクリングで重たいミカンや桃を買うことはないですが、高級なパフェを食べることができる、県内でも数少ないスポットのひとつです。
パフェは全て現地の果樹園で栽培されたものを使用しており、値段も¥2000~¥4000とかなり高いです。
フルーツを原料にして作った特製ジャムも試食できます。
ジャムはめちゃくちゃ美味しいですが、とんでもなく高価です。
店主のおっちゃんは果物の販売コーナーで元気よく声をかけてくれますが、無理して買わなくても嫌な顔をしたりしません。
フルーツパーラーは紀ノ川広域農道を走っていると看板が掲げてあるので、それを目印に山の方へ100mほど入るとわかります。
紀ノ川広域農道から見えないのが難点です。
あと、紀ノ川広域農道から少し南下した県道粉河加太線沿いには、JRの各駅(JR粉河駅、JR名手駅)周辺にラーメン店などお食事どころが結構あります。
札幌ラーメン西村(西村ラーメン店)
西村ラーメン店は「かつらぎ町」にあるラーメン屋で、近くに目印が何もありません。
リピーターのお客が多いので、場所は皆勝手に覚えてしまうようです。
一番近い公共施設が「かつらぎ町役場」です。
紀ノ川広域農道からだと、「フラワーガーデン森本」から山を下って真っすぐ行き、国道24号線を奈良方面へ左折してすぐです。
このラーメン屋は辺鄙な場所にある割には、いつ行っても混んでいます。
味は私の知る限り最上位にランキングされます。
ちなみに激辛ラーメンは食べないでください。
腹を壊してサイクリングどころではなくなりますので。
紀ノ川広域農道の周辺にある観光名所
神通温泉
和歌山の紀北地域で数少ない温泉の一つです。
広域農道からは、名前の無い写真の交差点を泉佐野内田線(県道62号線)の方へ北上して、山ひとつ越えてすぐのところにあります。
和歌山側から山を越える途中に、手すりの低い橋があります。
私はロードバイクで渡るのが怖くて通るのをためらいますが、なんでもない人には平気でしょう。
神通温泉は一見大阪にあるように感じますが、実は「紀の川市神通150番地1」い立地する和歌山の温泉です。
恥ずかしいことに、私はずっと大阪の温泉だと勘違いしておりました。
根来寺
これは和歌山県の北部では日前宮に匹敵する規模のお寺です。
日前宮は神社であるのに対して、根来寺は寺社というわけです。
歴史の深いお寺なので、正月には初詣に来る人で満員になります。
なんと、紀ノ川広域農道に行列ができてしまい、車どころか自転車も通れないほどの行列になります。
正月にここを走った私は「しまった!」と思いました。
緑化センター
根来寺からそう遠くない場所にあります。
文字通り、花や植物を大量に育ててある施設で、色とりどりの草花を鑑賞することができます。
緑化センターは斜面にある施設ですが、最下部にはアスレチック広場があります。
子供連れの親御さん方がたくさん遊んでいます。
また、アスレチック広場の隣にある池には観賞用の鯉が大量に飼育されていますが、この鯉はなんでも食べるので注意が必要です。
草を投げ込もうが虫を投げ込もうがなんでも食べようとします。
青洲の里
和歌山が誇る世界初の麻酔医、華岡青洲の生誕を記念するイベント施設です。
青洲の里は非常に見つかりにくい場所にあるので、標識を見落としたらカーナビがあっても辿り着けないことがあります。
どちらかというと、和歌山県立高等看護学院の方が迷わず辿り着けそうです。
看護学院は一般道から見える場所に位置しており、青洲の里は看護学院の100mほど奥に隠れるように存在しています。
青洲の里は今一つアピール度の低い観光施設ですが、近くまで来た記念に立ち寄ってみるだけの価値はあります。
お食事処や自販機、トイレ、ベンチもありますので、サイクリストが休憩するにはうってつけのスポットです。
青洲の里を南に下り、紀ノ川にかかる麻生津橋(おうづばし)を渡れば、紀ノ川サイクリングロードに合流することもできます。
真田ミュージアム
紀ノ川広域農道からやや離れますが、沿線にある有名な観光スポットです。
真田幸村が大阪から和歌山に移り住み長い年月を過ごした九度山町にある真田ミュージアム。
なんと紀ノ川サイクリングロードの只中に立地しています。
お食事休憩、トイレ休憩なんでもできます。
ちなみに、ここのお食事は出店のたい焼きやカスタード焼きなど、どれを食べても美味しいものばかりです。
青洲の里よりもミュージアムの方が食べる点では軍配が上がるのは間違いありません。
真田ミュージアムは橋本市や高野山の隣に位置しており、高野山に車や自転車で登る人も多く立ち寄るスポットです。
JR海南駅・海南高原・黒沢牧場・美里町・高野山等々、各有名スポットとの合流地点に位置しているので、サイクリスト達の交通の要衝となっています。
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