アマゾンプライム独占配信の韓流ドラマ「ある日~真実のベール」全8話のあらすじと感想・犯人予想について解説します。ふとしたきっかけで殺人事件の容疑者にでっち上げられたキム・ヒョンスは、裁判で苦戦するだけでなく刑務所でもさんざんな仕打ちを受け徐々に気力を失いますが、弁護士や心強い見方の存在でなんとか活路を見出します。
疑わしきは被告人の利益に
誰も悪人とは推定されない
「ある日~真実のベール」より引用
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「ある日~真実のベール」登場人物
キム・ヒョンス:主人公の大学生(キム・スヒョン)
物語の主人公。女性暴行殺人の容疑で逮捕されるが、一貫して身の潔白を主張しする。
気が弱く、拘置所でもリンチにあうなど苦労するが担当弁護士や囚人の先輩に助けてもらいながらなんとか生き延びている。
ホン・グクファ:被害者女性(ファン・セオン)
海外留学から帰国したばかりの女学生。
父親とは血のつながりが無く母も死亡している為、血縁者がいない孤独な女性。
今回の事件の被害者で、違法薬物の常習犯だったことが後でわかる。
シン・ジュンハン:自ら弁護を名乗り出た弁護士(チャ・スンウォン)
性格は温厚だが行動力と洞察力優れている。
仕事に恵まれず、軽犯罪ばかりを担当していた矢先、偶然ヒョンスをみかけ、自ら弁護を名乗り出た。
バツイチで逃げられた奥さんのもとに娘がいる。
パク・サンボム刑事:捜査チームのリーダー(キム・ホンパ)
3カ月後に現役を引退する予定の敏腕刑事。
学歴は低いが経験豊富で警察内部では捜査のリーダーを任されており皆から信頼されている。
容疑者に対しては汚い手を使うのも辞さない情け容赦ない性格の持ち主。
長い刑事の経験から、犯人に見えない綺麗な目をした奴が一番怪しいという信念に基づきヒョンスが犯人だと確信している。
アン・テヒ検事:事件を担当する検察官(キム・シンクロ)
打算的で冷酷、態度の悪い女性検察官。
今回の事件が警察から送検されたことで、事件を担当することになる。
サンボム刑事と組んで事件の処理を進めるが、ヒョンスの不利になる検査をそそのかすなど手口が汚い。
アン・テヒはヒョンスが犯人であるか否か全く興味がなく、ただ事件を解決して実績が欲しいだけの検事。
パク・ミギョン:ヒョンスを横取りした弁護士(ソ・ジヘ)
弁護士の世界では有名な存在で、身の回りに元検察官のOBを多数揃えることで、検察のやり方を熟知していると自負している傲慢な大物女性弁護士。
シン弁護士とヒョンスの関係に土足で踏み入り、検察と取引をするなど情熱やモラルに欠ける面がある。
難しい事件を部下(ソ・スジン)に経験させて実績を作らせる目的でヒョンスの弁護を横取りする。
業界では敏腕との定評がある反面、様々な面で手抜かりがありとても一流とは思えない。
ソ・スジン:パクの元で下働きをする女性弁護士(イ・ソル)
パク・ミギョンの言いなりで、自分で考えて行動することができなき新米の女性弁護士。
全く使い物にならず、検察の暴走を止める術も知らないどころか困るとすぐに電話で指示を仰ごうとする。
シン弁護士が横からフォローを入れても感謝の言葉を口にできないほど世間知らずなキャラクターは、学歴重視の韓国社会を風刺している一面を思わせる。
ト・ジテ:拘置所を取り仕切るボス(キム・ソンギュ)
ヒョンスが勾留された拘置所(北部刑務所)のボス。
誰も逆らうことのできない存在で、タバコの取引など彼に無断で手を出した者は命を失うことになる。
ヒョンスはなぜか目をかけてもらっており、裁判所での勾留適否審査に行く前には印象をよくするためにメガネを貸すなど好意的な面が目立つ。
また、部屋に書物がたくさんあることから、ただ粗野なだけの存在ではないことがよく分かる。体格もがっしりしていて心身ともに凡人とかけ離れた存在であることが一目でわかる。
パク・ドゥシク(ヤン・ギョンウォン)
マフィアの構成員で組織のボスの身代わりになって収監されている。そのため態度がでかくヒョンスをイジメ続けている。
ト・ジテからヒョンスに謝罪するよう命令されたが応じなかったため制裁を受ける。
ユン・ヒョジョン
ホン・グクファの生前の同居人。グクファが亡くなる1週間前に喧嘩別れして家を出ていっており、シン弁護士に見つかるまで姿をくらませていた。
また、グクファと一緒に麻薬をやっていたようで、売人との関わりも切れていない様子で、事件のカギを握る重要人物の1人として急浮上する。
「ある日~真実のベール」第1話のあらすじ
大学生のキム・ヒョンスはある日の夜、友人からスマホの画面越しにパーティーに誘われ父親が仕事で使用するタクシーを運転して目的地へ向かいます。ところが途中で道に迷ってしまい停車していたところ、営業中のタクシーと勘違いしたホン・グクファが後部座席に乗り込んできます。
一度は断わるヒョンスでしたがグクファのペースに飲み込まれてしまい、結局家まで送ることになります。そして、彼女の家で2人で酒を飲みドラッグをもらって飲んでしまいます。その後、ナイフでジャックゲームのような遊びに突き合わされ、グクファの手に怪我をさせてしまいます。
ところが、薬物でハイになったグクファは喜んでさらに上機嫌になりヒョンスを誘惑し、2人は一晩ベッドで過ごすことにまります。ところが、ヒョンスが目を覚まして帰ることを告げようとグクファの寝室を訪れると、彼女は全身血まみれの姿でベッドの上に転がっていたのです。
驚きのあまり判断力を失ったヒョンスは、キッチンでジャンクナイフをした際にテーブルに付着した血痕をティッシュペーパーで無造作に拭くと、使用したナイフも自分の上着にしまい込み、通報もせずに慌ててタクシーで立ち去ります。
ところが、喘息もちのヒョンスは吸引器を置き忘れたことに気付き取りに戻ったところを近所の住人に目撃され、不法侵入と勘違いされ通報されてしまいます。
その後、警察の飲酒の検問に引っ掛かってしまいますが、検問をしていた警察官が事件現場の隣人による通報で現場へ向かうことになり、放置できないため強制的に同行させられてしまいます。そして、そのまま訳も分からないまま警察署まで連行されしまうのです。
警察署ではヒョンスの飲酒運転の件などほったらかしで、警察がグクファの事件について目撃者の証言を集めている最中でした。運悪くその場に居合わせてしまったヒョンスは目撃証言と重なる点が多すぎたため、すぐに現場にいたことがバレてしまい重要参考人として逮捕されます。
「ある日~真実のベール」第2話のあらすじ
仕事のない3流弁護士のシン・ジュンハンは、仕事の依頼者を探すため警察署を自分の職場のように出入りしています。ヒョンスが殺人事件の容疑で捕まった日、シン弁護士は別件で警察署へ来ていましたが、たまたたヒョンスのことが気になり話を聞いて見ることにします。
ヒョンスの話を聞いたシン弁護士は自らヒョンスの弁護を買って出ますが、状況証拠が多く警察が弁護士なしで一方的に不利になる供述を取っているのを知りヒョンスに対し弁護士がいない時に警察とは何も話をしないよう約束させます。
ところが、ヒョンスは警察のしかけるワナにはまり家族との面会で思ったことをベラベラ話すなど、状況を理解することができません。そんなヒョンスに対してシン弁護士は説教します。
●真実や司法の正義などはないから考えても無駄
●事実やお前の主張も重要じゃない
●何が事実だったら自分に有利か
●あの日の夜に関することは一切話すな
法律というものが事実や正義というものを大事にしているわけではなく、ポイントを押さえて自分の有利性を保てるよう余計なことを話すなと強く指示します。そしてヒョンスの身柄は今後司法の判断で拘留されるか否かの判断が下されることを教えます。
ところが、シン弁護士のアドバイスも空しく警察内部からマスコミに情報がリークされたため、警察は事件の解決を急いだ結果、検察へ起訴するという強硬な決断を実行します。これにより事件の社会的影響性が一気に上がってしまいました。
そして判事がヒョンスの身柄拘留の採否を決める当日、判事が下した決断は「拘留がふさわしい」という結論でした。これによりヒョンスの身柄は拘置所へ送られることになり、いつまで続くかわからない長い闘いが始まりました。
「ある日~真実のベール」第3話のあらすじ
「囚人番号7927」
拘留されてからのヒョンスは名前ではなく番号で呼ばれる生活が始まります。重罪人も有罪が確定する前の人間も同じ扱いを受ける韓国の刑事施設(北部刑務所)で、陰湿なイジメや暴力が始まります。
許可された電話で外にいるシン弁護士と連絡をとったヒョンスはテレビで自分のことが報道されていることや拘置所での生活の大変さを訴えます。そこでシン弁護士は10日以内に勾留適否審査が行われるので、それまで「必ず拘置所を出る」ことだけを考えて他のことは「何も考えるな」とアドバイスします。
ところが、シン弁護士とヒョンスの知らないところでとんでもないことが起きていました。なんと弁護士界で一流として有名なパク・ミギョンがシン弁護士に断りもなく、ヒョンスの両親と弁護の依頼契約を交わしてしまったのです。
しかもパク・ミギョン弁護士はシン弁護士が5000万ウォンの契約料を提示しているのに対して無料で引き受けるというのです。この段階でパク・ミギョンがなぜ無料で勝ち目の少ないヒョンスの案件を引き受けたのがは謎ですが、お金のなかったヒョンスの両親は二言返事で了解してしまいます。
これによりシン弁護士とは法的に全く赤の他人ということになり、あれこれと口出しすることができなくなってしまいました。
一方、ヒョンスは拘置所内のトラブルに巻き込まれ同室の人間が就寝中に殺害されたことでパニックになり、自制心を失い拘置所内を走り回ったため逃亡しようとしたとみなされ独房へ送られてします。
「ある日~真実のベール」第4話のあらすじ
シン弁護士との契約が白紙に戻ったことで、ヒョンスの立場は悪化の一途を辿ります。パク・ミギョンが差し向けたヒョンスの担当弁護士は新米で刑事事件の弁護をした経験が全くなく、ヒョンスの人権を無視した警察のやり方になにも口出しができないのです。
警察と検察は事件の早期解決のため、ヒョンスに嘘発見器によるポリグラフ検査を受けるよう提案します。検査の結果は科学的に有罪か無罪かを決める証拠とはなりませんが、世間に対して潔白を証明できる唯一の手段であるとそそのかしたのです。
騙されたヒョンスは喘息で体調の優れない状態で10問の質問に対してYESかNOの回答だけをする検査に参加しますが、質問内容に事件と関係のある文言が含まれているなど、明らかに検察の行き過ぎたやり方が確認できます。
ところが新米弁護士はそれにも口出しすることなく検査が続行されたため、ヒョンスを見捨てることができなかったシン弁護士が無断で検査室へ入り「呼吸器疾患のある者に対するポリグラフ検査は違法である」ことを新米に教え、その文言を新米の口から直接言わせることで検査を中止させることに成功します。
シン弁護士はさらに新たな新発見をして、それをパク・ミギョンと新米に伝えます。それは被害者のホン・グクファが生前3年間にわたって違法薬物を処方されていたという事実で、そのことが世間に知れ渡ると被害者のイメージダウンに繋が繋がり検察も不利になります。
パク・ミギョン弁護士はシン弁護士から手に入れたこの情報を元に検察と交渉し、懲役10年で手を打つことを打診します。最初は受け入れがたいと提案を断るアン・テヒ検事でしたが、被害者の薬物使用が理由で勝てなかった判例がある事実を突きつけられ、10年で手を打つことを約束します。
ただし、それには条件としてヒョンスの自白が絶対に必要なため、ヒョンスをはじめ関係者が裁判所に集まり、ヒョンスに対してホン・グクファを殺害したことに間違いないか再確認が行われます。
そして、最後にヒョンスが出した答えは、「いいえ、私は殺していません」という自白ではなく否認の言葉でした。
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「ある日~真実のベール」第5話のあらすじ
新たに事件を担当することになったパク・ミギョンはヒョンスが裁判所で自白することと引き換えに、懲役10年で手を打つことを検察と裏で約束しましたが、土壇場でヒョンス自身が裏取引を反故にしてしまいました。
判事の質問に対して、「殺してません」と明確に返答したことで裏取引は効力がなくなり、怒ったパク・ミギョンはヒョンスに対してもはや勝ち目がないことを断言するとともに、事件の主任担当を放棄することを宣言し、ソ・スジンに5000万ウォン払うことで後任を一方的に押し付けます。
徐々にあきらかになるト・ジテの目的
一方、裁判を待っている間のヒョンスの身は依然として危険な状況が続きます。刑務所内のテレビでヒョンスが女性を乱暴して殺害した容疑者だと放送されてしまったことで、性犯罪者に対して凄まじい仕打ちをする囚人たちがヒョンスに目をつけリンチを繰り返すのです。
刑務所を取り仕切るト・ジテは1日の取引量が1箱までと決められているタバコのやり取りに、タバコを吸わないヒョンスが2箱も要求してきたことに対して、ヒョンスの身の上に起きている状況をすぐに察します。
そして、2日続けて2箱要求してきたところで、自分以外の囚人に禁止しているタバコのやり取りを無断で行っていたイジメの首謀者を呼び出し容赦のない制裁を与えます。さらに看守とも結託して首謀者を懲罰棒送りにしていまいます。
ところが、ト・ジテがここまでしてヒョンスに肩入れするのには明確な理由があることが分かります。ト・ジテは立場の弱い新入りの囚人に目を付けては外部とのやり取りの仲介人をさせるために恩を売っていたのです。
このエピソードでは、ト・ジテの影響力が刑務所内にとどまらず外部の世界でも大きな権力を持っていることが伺えることがよくわかりました。もはやヒョンスがヒョンスが刑務所で自分の身を守るためにはト・ジテに利用されるより他に道がなくなってきたようです。
ト・ジテはヒョンスの右肩を無理やり脱臼させ外部の病院で治療を受けさせることで、外部から刑務所へ麻薬を運ぶ仕事を本人には内緒で実行させるのです。
そうしているうちに、とうとう裁判の日がやってきてヒョンスは再び法定へ移送されます。
ソ・スジンとシン・ジュンハンの共同弁護
ソ・スジン弁護士は上司に逆らえず事件の担当弁護士を引き受けますが、事務所には内緒でシン・ジュンハン弁護士のところ行き共同弁護をすることを提案し、シン弁護士もそれに応じます。このことで、ヒョンスの弁護は振り出しに戻り再びシン弁護士が担当することになりました。
ソ・スジン弁護士は普通の裁判では勝ち目がないと考え、「国民参与裁判」で勝負することを提案します。これはいわゆる陪審員制度のようなもので、裁判の最中ずっと陪審員が傍聴する形式の裁判スタイルなので、陪審員の印象ひとつで勝ち負けが決まるのが特徴です。
つまり、運よく陪審員を見方にできれば無罪を主張できるかもしれないし、検察の主張に飲み込まれてマイナスイメージを持たれてしまえば負ける可能性が高くなります。
シン・ジュンハン弁護士は弁護が少しでも有利に進められるよう、元妻の協力を得て事前に事件の現場検証を実施します。
第5話ではこの現場検証でなにか決定的な証拠が見つかったことをほのめかすことはありませんでしたが、どうもこの現場検証では収穫があったような臭いを出しています。
ついに始まった裁判初日
そして、とうとう国民参与裁判の初日が始まり、担当検事のアン・テヒは冒頭から陪審員に対して事件の生々しい現場写真やヒョンスが犯人であることを確信するかのような、まさに悪意に満ちた追求を開始します。
検察の冒頭の攻撃に続いてシン弁護士によるヒョンスの弁護が始まりますが、この時点では全く決定的な無罪を立証できる弁護には至りません。
ただし、検察が用意した法医学者の見解に基いて、事件当時のヒョンスの体内から基準値を超えたアルコール量と違法麻薬が検出されていることや、それによって記憶に障害ができることがあり得るという確証を得ることに成功し、ヒョンスの「覚えていません」という発言が無駄にならなくなる可能性がアップします。
これに焦った検察はなにか決定打を打つ必要性を感じ、裁判官に対して「国民現場検証」の実施に同意に対する賛否をとる提案をします。事件現場の凄惨さを知っている裁判官は検察のアン・テヒに対して、「なぜ事件を大事にしようとするのか?」と内心反対している気持ちをほのめかしますが、アン・テヒは当然の権利だと主張し、陪審員も全員が賛成してしまいました。
これにより、ホン・グクファが殺害された血まみれの事件現場が、陪審たちが直接見る機会をあたえることになり、裁判の行方は分からなくなりました。
「ある日~真実のベール」第6話のあらすじ
現場検証に同行させられたヒョンスでしたが、警察が主導する演技のような現場検証は警察や検察の主張をことさらに強調する内容に仕上がっており、誰が見てもヒョンスが犯人だと思うたくなる内容でした。
同行していたヒョンスは取材班のフラッシュや極度のストレスで呼吸困難に陥り意識を失い病院へ搬送されてしまいます。倒れたヒョンスにかけより「誰か吸入器はもってないか?」と身の上を案じたのシン弁護士だけで誰からも心配されない状況は異常そのものです。
その後、病院から刑務所へ戻されたヒョンスの状況に新たな変化が生まれます。
ト・ジテの権力
ト・ジがヒョンスに黙って実行させた麻薬の運搬の件が警察にバレてしまいます。警察は刑務所へ事情聴取に来てト・ジテとヒョンスの2人を尋問します。
事実を全く知らないヒョンスは「知りません」と答えるより他に回答がありません。間違ってもト・ジテに脱臼させられたことなど話せないので、黙秘を貫きました。
一方、自分の監房で警察から尋問を受けるト・ジテは、外部で麻薬の受け渡し役に用意してあった病院が、実は警察の潜入捜査だったことをバラシ、一歩先を行っていたことを自慢げに語ります。
ところがト・ジテは微動だにせず答えます。
「ここには2種類の人間しかいない。裏切るやつと裏切られるやつ。俺は裏切られない」
この言葉の意味することは直後に尋問する警察官にかかってきた電話の内容ではっきりします。ト・ジテは韓国のあらゆる方面に影響力を持つ実力者で、警察のトップも例外ではなかったことが分かり、警察は黙って引き下がります。
そして、意外にも口を割らなかったヒョンスを評価し、父親が警察に押収されていたタクシーを裏で手を回し手元に返してやったことを伝え、いつでも実家と連絡がとれるように携帯をプレゼントします。この時点でヒョンスはト・ジテに大きな借りを作ったことになります。
初体験のソ弁護士が大活躍
2回目からはシン弁護士は病気を理由に表立って弁護をすることはせず、法廷では全てソ弁護士がまかされることになります。
そして迎えた2回目の法定でもあいかわらず検察は執拗にヒョンスを追求しますが、弁護側の証人尋問の際、飲酒運転の取り締まりでヒョンスを連行した警察官にかなりの不法な不手際があったことを指摘します。
飲酒運転だと思われた時に「水を飲ませること」や「警察署ではなく現場へ連行した」こと、また「逮捕状もなしに連行した」ことの3つをさらっと指摘し、警察官の事件当夜の対応がかなりマズかったことがよくわかります。
このことはマスコミでも大きく取り上げられ、司法修士生8年の経験を経て初めて法廷に立った弁護士が検察の圧力をはねかえしことがネットでも評価されます。
一方、シン弁護士は裏でグクファの生前の交友関係や麻薬の仕入れルートについて独自で調査を始めます。
グクファの同居人と麻薬の売人の存在が明らかに
ヒョンスを犯人として確定させたい検察はグクファの不利になる情報は一切表にだしませんが、
ホン・グクファには亡くなる一週間前に喧嘩別れした女性の同居人ユン・ヒョジョンがいて、どうも彼女もグクファ同様麻薬をやっていたことがわかってきます。
シン弁護士の独自調査はさらに進み、葬式に姿を見せなかったユン・ヒョジョンを追求して麻薬の売人を突き止めるに至ります。ただしこの段階では不法な手段も使っているので、まだ裁判で争う材料にはならないが、裏の事情がだんだん明らかになった状況です。
感情コントロールが難しいヒョンス
シン弁護士とソ弁護士の協力で有力な裏情報も色々集まり始め裁判も有利に進みそうな感じがした矢先、3回目の裁判でヒョンスは感情を抑えることが徐々に難しくなってきます。
検察の主張している最中に横槍をいれることが多々あり、裁判官からも自重するよう注意を受けるのですが、それでも検察の一方的な主張に我慢できなくなり、とうとうワナにはまって一人での証言をすることに同意してしまいます。
これはソ弁護士がもっと強く止める必要があったはずですが、ヒョンスが勝手に大丈夫だと判断してやってしまいます。
その結果、157回も「わかりません」という不利な回答を繰り返し、またその事実を指摘されてしまった結果、ヒョンスはパニックになって泣き出してしまいます。
最後に、アン・テヒ検事から「最後の質問です」と前置したのに続いて、「あなたはファン・グクファを殺害しましたか?」と質問されたのに対して、両手で顔を覆いながら「わかりません」と答えるヒョンスの姿は、なんとも弱々しく惨めな姿にさえ移ります。
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「ある日~真実のベール」第7話のあらすじ
第6話は最後で泣きながら顔を覆うヒョンスの姿で幕を閉じましたが、第7話はソ弁護士がヒョンスに証言をさせてしまったことを後悔するシーンから始まります。
世間知らずのソ弁護士も、さすがに今回は大失態をやらかしたことを自覚したようです。ソ弁護士はシン弁護士に電話で結果を報告して自分の誤りを素直に認めますが、優しいシン弁護士はそんなソ弁護士を攻めませんでした。
きっと誰がやっても同じ結果になったはずだと、ヒョンス本人に対してさえソ弁護を諭した時と同じ言葉で慰めます。ところが、ヒョンスは少し心境に変化が生まれたようです。それは世間での現実を諦める気持ちと、刑務所内での生き方を変えようとする2つの気持ちです。
刑務所内で孤立したヒョンスの決断
刑務所内で見ることができるニュースで囚人たちはヒョンスの裁判が圧倒的に不利な状況で進められていて、ヒョンスが殺人犯であることも本当であると信じるようになります。
その結果、ヒョンスは刑務所で周囲か敬遠されてしまいやがて孤立してしまいます。そして、誰も頼ることのできなくなったヒョンスが最後に下した決断はト・ジテを頼ることでした。
ト・ジテはかねてからヒョンスのことを気にかけていましたが、麻薬の運び屋として利用するなど侮れないところがありました。しかし、ヒョンスが自分の意思で決断した結果に基づいてト・ジテを頼った時、ト・ジテはそんなヒョンスを受け入れました。
ト・ジテの過去
自分を頼ってきたヒョンスに対してト・ジテは拒絶することなく、自分の過去について少しだけ話します。ト・ジテは10年前に暴力事件に巻き込まれ重罪人扱いされたことがきっかけで収監されて今に至りますが実は無実だというのです。
そして、それを誰も信じなかったということをヒョンスに話、「今のお前のように」苦しんで自殺まで図ったことを告白します。
しかし、ここで自分の運命のカギを握るのは自分なのだという強い確信を抱き、力をつけたことで生き残ることができたのです。
ト・ジテに諭されてからのヒョンスは毎日腕立てをして体を鍛え、もはや吸入器すら必要としなくなりました。そして、自分を散々イジメてひどい目に遭わせてきたパク・ドゥシクをタイマン勝負で圧勝しボコボコにしてしまいます。
以後、ヒョンスは刑務所でイジメられることはなくなり、休憩時間もト・ジテとともに座って過ごすようになり、監房も2回の部屋へとランクアップしました。
しかし、刑務所での殺伐とした生き方や心境の変化は一般社会の人間が見るとすぐにわかるほど、ヒョンスの態度はふてぶてしく生意気に見えるように変わってしまいます。
科捜研の強力な見解
また、裁判においてはヒョンスにとって追い風となる大きな発見がありました。死亡したグクファの刺し傷は13カ所ありましたが、その傷のうち8カ所が13時~7時の方向へ向けて刺された傷、つまり右利きの人間の犯行であることが確実視されたのです。
ヒョンスは左利きであることが当初から分かっていたため、これは弁護側やヒョンスにとって無実を証明する大きな検証結果となりました。ところが、ヒョンスはこれを聞いてもほとんど反応を示しませんでした。
ヒョンスの心はもはや裁判の行く末よりも刑務所でどうやって安全に過ごすかということが重大ごとになっていて、裁判の内容や自分の態度の良し悪しにあまり関心がなくなってきたようです。第7話では刑務所での生活の過酷さとそれを乗り越えるための心の持ち方を中心に描かれていたことがよくわかります。
「ある日~真実のベール」第8話 衝撃の結末
7話では刑務所内での過酷な現状を乗り越えるためにヒョンスがト・ジテに助けを求め、ト・ジテもそれに応じましたが、8話でもその現実に変わりはありません。ただし、8話では刑務所のパワーバランスが崩れる大事件が発生します。
ヒョンスは再びチンピラに呼び出されて指を詰めるよう要求され仕方なく要求に応じようとします。とところがそこへト・ジテが現れて、正々堂々と勝負して負けたパク・ドゥシクを非難して要求をあっさりと断らせてしまいます。
もはやヒョンスが刑務所で生き残るには、ト・ジテに頼るか裁判で無罪を証明して出所するか選択肢は少なくなりました。刑務所でト・ジテと親しくなったヒョンスは麻薬をもらったり今後の展開を諦めないよう励まされたり、まさに守られっぱなしの状態が続きます。
そして迎えた最後の審判の日、シン弁護士の賢明な弁護と陰で行った証拠集めの甲斐もあって、検察側の操作には多くの違法性や不適切な点があることが指摘され、一見すると有利な判決が下ると予想されました。
ところが検察は死刑を求刑し判決は「被告人の反省が見られない点」と「状況証拠の多さ」を考慮した結果、死刑にはなりませんでしたが無期懲役が言い渡されたのです。判決に愕然としたヒョンスは、いい消沈してしまい、顔から生きる力が抜けてしまいます。
ト・ジテの死
裁判の前にヒョンスの無罪を信じてくれていたト・ジテでしたが、刑務所に戻ってきたヒョンスに対して、諦めないことが大事だと励まします。そうすれば、悪くても自分のようにはならないと諭します。
ところが次の瞬間、背後からパク・ドゥシクが忍び寄りト・ジテの首をカミソリで切ってしまうのです。なんとト・ジテは大量出血してあっけなく命を落としてしまうのでした。
ト・ジテが死んだことによってもはやヒョンスを守ってくれる存在は全くいなくなりました。完全に孤立無援となり裁判でも負けてしまったヒョンスは生きる希望を失います。
最後まで諦めなかったシン弁護士
シン弁護士はヒョンスの有罪が確定した時、自分の力のなさや不甲斐なさを自覚し、判決が出たあとも一人で操作を続けていました。その過程で、グクファの家の前で同居人のストーカー行為をしていた男が、事件当夜の家の前を撮影したカメラの写真を警察に押収されていたのに、それが隠滅されていた事実を知ります。
シン弁護士は警察の内通者に金をを払ってその写真を入手します。そして、被害者のグクファが生前に違法麻薬を処方されていたクリニックの医者が事件当夜の写真に写っていた男であることを突き止めます。
ただし、裁判はすでに終わっている為この証拠はもはや弁護士が利用できる材料になりません。そこでシン弁護士は事件を解決して定年退職したパク・サンボム刑事に写真の事実を伝えます。
事実を知ったサンボムは写真の事実を知らなかったようで、それを検察に正直に伝えたところ検察も事件を再捜査することになります。
そして、グクファに麻薬を処方した医者は逮捕されるとすぐに事件の犯行を自白してしまうというあっけない結末を迎えます。
真犯人が見つかったことでヒョンスは晴れて自由の身になりました。刑務所に知らせに来たシン弁護士から真相を知らされたヒョンスでしたが、その顔にはもはや無邪気な喜びの笑顔はありません。
ただ一言だけ「ありがとうございました」と伝え、刑務所を出て実家に帰ったヒョンス。実家では家族が御馳走を用意して待っていてくれました。ところが、誰も本気で喜べない言葉にならない重たい雰囲気がその場を覆います。
結局、ト・ジテの言うように諦めなかったことで真相が明らかになり自由になれたヒョンスでしたが、心までは自由になれなかったようです。
社会に戻れても違和感を隠し切れず、最後にビルの屋上から町の夜景を眺めていたヒョンスはいったい何を考えたのでしょうか。
屋上から落としたマルボロのメンソールと同時に耳に入ったパトカーのサイレンの音は、ヒョンスの軽率な行動が招いた災難と警察や検察をはじめ司法制度の恐ろしさというものをそれとなく象徴しているようにも感じます。
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「ある日~真実のベール」第1話~第8話を視聴した感想
1-4話の感想
第4話のラストでヒョンスが意思を翻して無実を主張したことによって、事件は振り出しに戻った感じです。とは言っても状況証拠には一切変化はないし、あらたな証拠や証人が登場しそうにもありません。意表を突いて禁止薬物で精神に障害をきたしたヒョンスが犯人だったいう展開もないとは言えません。
アメリカ映画ではレオナルド・ディカプリオ主演の「シャッターアイランド」みたいに、さんざん悩ませておいて実は自分が犯人でしたみたいな作品もあるのでなんとも言えません。
ミステリー殺人でヒットする作品の傾向として、視聴者の予想を裏切る大どんでん返しがありますが、「ある日~真実のベール」はすでに物語を構成する登場人物が固定しており、これ以上の新要素は加わらないことが予想されます。
そのため、ヒョンスが犯人だったとするなら、その理由が超意外なものだったり、実は薬物使用による幻想・幻覚の中で行われた犯行だったとか、色々と予想することができますが、できれば少しでも捻ったストーリー展開になることを期待しています。
その他、拘置所の中でヒョンスはリンチに遭ったり何針も縫う大怪我をしますが、その都度ボスのト・ジテが裏で手を回して助けてくれたおかげでヒョンスは命拾いしますが、その理由も今後しだいにハッキリするのではないでしょうか。
また、このドラマは刑事事件で勾留される際の法律の手順などをマニアックに描いている点は見ていてかなり勉強になって面白いです。有罪が確定するまでは刑務所ではなく拘置所に収監されるという点は日本の司法制度と同じ点ですが、観ている限りだと服役囚も有罪確定前の人もごちゃ混ぜなので、あきらかに別物だと言えます。
ヒョンスの収監された刑事施設(北部刑務所)が字幕では「拘置所」と表示されたりするので、中途半端にその点を知っている人にとっては日本との共通点や違いを感じることができる作品だと言えます。
視聴者を釘付けにできるパワーを評価すると、ヒョンスのまだ成熟していな精神状態や警察や検察の横暴なやり方は、シン弁護士のような人情味あふれるキャラクターの存在でちょうどバランスが取れています。
それぞれのキャラクターの存在感や行動のベクトルもハッキリしていて、予想外な展開もあるけれど視聴者を引き込む力は高い作品だと言えます。
5-6話の感想
第5話は半分がヒョンスの刑務所内での陰湿な暴力やイジメのシーンばかりで、見ていて辛くなります。映画とかドラマでよくある内容とも言えますが、性犯罪者や容疑者に対する刑務所内での囚人たちの対応は普通のそれとは全く異なるのが怖いところです。
ヒョンスは見事に悪いパターンにあてはまり見ていられないほどの仕打ちを受けます。本当にここまでやられたら、いくら刑務所でも問題にならないほうが不思議だと思いますが、ト・ジテが仕切っている刑務所ではなんでもありのようです。
また、ト・ジテがヒョンスに肩入れする理由も予想していた通り分かってきました。5話では具体的な目的までは分かりませんでしたが、どうも外部との重要な情報の伝達係として利用しようとしている節があります。
そのために同じマフィアであるにもかかわらず、イジメの首謀者をボコボコにして大怪我をさせたうえに懲罰棒送りにするという、とんでもないプレゼントをするところはさすがト・ジテといったところです。
一方、裁判の行方は世間知らずの新米であるソ弁護士が、自分の力不足を自覚してのことかシン弁護士に共同弁護の依頼をしたのにはちょっと驚きました。まあ、可愛いくて大人気のイ・ソルが演じるキャラクターがこんな終わり方はしないだろうと思ってましたが、ちょっと予想外でした。
検察のやり方がドラマではよくありがちな極端で過激な方法へ傾いている傾向があるため、ヒョンスの立場が悪くなる展開になることは確定ですが、もしも裁判で勝つという結末が待っているのなら、いったいどうやってこれだけ不利な状況を覆すことが可能なのか疑問符が付くところです。
やはり、犯人は違法薬物とアルコールの大量摂取で記憶に障害をきたしたヒョンスによる、短絡的な殺人だったという、単純な結末が待っているのでしょうか?
それにしては、ここまで話を引っ張る必要性に欠ける気もしますし、最後に視聴者が皆がっかりするでしょう。
なにかフックかパンチの聞いた、「えっ!マジでっ!」みたいな結末が待っていることを期待しますが、あとから雲隠れしていたグクファの同居人が見つかったり、グクファが病院で入手不可能となった麻薬を売っていた売人の所在が明らかになったり、新たなファクターも登場しています。
麻薬絡みの犯行だったとすればちょっとありきたりな気もしますし、だからと言って同居人の怨恨殺人もなさそうですし、真実のベールは最後まで視聴しないとまだわかりそうにありません。
7-8話の感想
7-8話では刑務所内で弱者が生き抜くための現実と、司法制度の矛盾や警察・検察の捜査機関の恐ろしさを中心に描かれています。
そもそも警察のサンボムチーム長がヒョンスを有罪だと確信したのは、現場の状況証拠が多かったことが理由ですが、自身が定年退職まで3カ月と迫った状況で退職を綺麗に飾りたかったいう、個人の身勝手な願望が反映されたこと否定できません。
検察のアン・テヒも自身の出世欲を満たすために、真実よりも有罪にできるか否かを判断基準として裁判に踏み出しました。
要するに、韓国社会も日本社会と同じように捜査機関の都合で犯人像が作り上げられ、裁判という司法制度を活用する場でさえ、真実を見抜く力を備えてはいないという世の中のくらい現実を描いています。
本来ならば、ここまで理不尽な警察の捜査に対しておかしいと思うのが人情ですが、実はこれが現実なんだと思わせてくれる作品だったように感じます。
全体的に暗くて悲しいテーマなのでヒョンスを可哀そうに感じたり、強くなろうと努力している時など応援したくなる気持ちになりますが、最後に晴れて自由の身となったにもかかわらず全く本気で喜べない姿を見た時は、こっちまで同じ気分になりました。
そしてなにより重要なことは、ヒョンスに刑務所で強くなることを決意させ、最後まで諦めないことを教えたト・ジテという人物の存在です。ヒョンスが決闘に先立ってト・ジテのように前髪を短く切った髪型に変化し、出所後も同じ髪型を保っているのには隠された理由があるように感じます。
これは、誰も信じてくれなかったために10年も服役していたト・ジテ自身が最後までヒョンスを信じてくれたことで、ヒョンスは誰よりもト・ジテを心の奥深くに感じ続けているからではないでしょうか。そして、それを誰とも分かち合えないこの現実との矛盾が釈然としないのではないでしょうか。
「ある日~真実のベール」のラストのビルの屋上のシーンは、どこかしら香港映画のSPL「狼よ静かに死ね」のワンシーンを思い出させる要素もあります。
主人公のマー刑事を演じるドニー・イェンが事件の捜査中に全身に銃弾を浴びて殉職した父親のことをサイモン・ヤムが演じるチャン刑事に話すシーンです。
あのシーンでも父親は死んでまで捜査に尽くしたのに犯人はひとりも捕まっていないという矛盾を抱えながらも、今の現実に挑むマー刑事の暗い心境が描かれています。バックで流れるBGMもどことなく似たような情緒感の漂うメロディーである点は共通しているのが気になりますね。
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