先日、とある会社から振込依頼書が届いたので、さっそく銀行へ振込に行きました。相手が指定している銀行は私も口座を持っている銀行だったので、本来なら自分の口座に入金してから振り込むことで手数料も安くスムーズに処理できるのですが、その時は間違って直接相手に入金してしまいました。
ところが、この直接入金はよほどの事情がない限りやめたほうがいいことが後で分かったのです。
理由は、直接入金すると電子データがATM設置店だけに残り、銀行の本店として管理できない状態になるため、あとから情報開示を求めると厄介なことになるからです。
ATMで直接入金すると証拠が残らない
口座間でお金のやり取りをすると、通帳に履歴が残るので確実に証拠として残ります。
ところが、ATMで相手の指定する口座に直接お金を入れてしまうと証拠が残らないということを私は知りませんでした。
最後に小さなレシートみたいな取引明細書が出てくるので、それをきちんと保管しなければ駄目なようで、それを紛失してしまうとおしまいです。
私は数万円をとある会社に振り込んだにも関わらず、相手に振り込まれていませんと主張すされて泣き寝入りする羽目になりました。
こんな理不尽なことがあっていいのかと疑問に思い、ATMを設置している支店と本店に電話で問い合わせたところ、両方で同じ返答をされました。
「ATMでの入出金の履歴は1日に膨大な量になるので、後から履歴を照会することは不可能です。どうしても履歴を照会して欲しい場合は、該当する日を正確に1日指定してもらえれば、3,300円の事務手数料を払ったうえで再発行という形で処理することができます」
という回答でした。
私はこの回答にいささか懐疑的でした。
なぜなら、ATMで私の氏名や電話番号だけでなく相手の口座番号や会社名・金額を入力しているのなら、少なくとも私の名前で検察したらデータが抽出できるのではないかと思ったからです。
これが、もしもどこにでもいるような名前だったら重複するデータが大量に発生して面倒でしょうが、そうではないので可能なはずだと力説しました。
ところが、どれだけ訴えても銀行の相談窓口は相手にしてくれません。
ATMを利用した日が特定できなければ、思い当たる日を指定して間違えだったことが分かるたびに3,300円払うことになり、あっという間に赤字になってしまうというのです。
これは遠まわしに「ヤメテオケ」と言っているようでした。
私はどうしても心当たりのある日を思い出せなかったので、銀行の相談窓口で再発行手続きをすることを諦めました。
途方に暮れていたその時、ふとホームページの片隅に銀行を利用した際のトラブルに対応する全国銀行協会相談室の電話番号が明記されているのに気付きました。
そこで私は一か八かそこに電話して同じことを相談してみることにしました。
全国銀行協会相談室の対応
全国銀行協会の相談室に電話すると、オバちゃんらしい担当者の方が対応してくれました。
地元の地銀に相談したのと全く同じ内容を時間をかけてじっくり説明したところ、状況は理解してもらえました。
ところが、こういう相談を受けたことはないとのことでオバちゃん担当者は困惑してしまい、「上席を呼んで参ります」と言って別の男性担当者が交代して対応してくれました。
男性の担当者にまた最初から事情を説明し、男性担当者も事情をはっきりと理解してくれました。
すると、男性担当者は最後にはっきりと明言しました。
「ATMでの入金の明細を紛失した以上、履歴を確認することは不可能です」
ガ~ン!3万円が水の泡・・・!
さらに駄目押しで付け加えられました。
「最近ではATMで直接入金されることは非常に珍しいので、こういったご相談は初めてです」
さらに、
「本当に振り込まれたのですか?入力ミスで間違えたんじゃないですか?よくありますよ」
と見下すように言われたので、
「それじゃあ、間違った人は泣き寝入りってことですか?」
と食い下がったらなんと、
「そういうわけではありませんが・・・」
と意味不明瞭な回答をするので、
「そういうわけではありませんが、お金は戻って来ないのですね?」
と念を押すと、
「その通りでございます」
と決定的な回答を得ることができました。
私は間違っていませんが、もしも間違って他人の口座にATMで直接入金してしまったりしたら、相手が名乗り出てこない限り、そういうお金は入金した人の自己責任になるというのです。
私はメチャクチャ腹が立ったので、それじゃあ銀行というのは日本全国どこでも同じようなシステムで運営されているのかと尋ねると、「他の銀行に関しては存じかねます」という訳の分からない返事をされたので、いい加減馬鹿らしくなり相談をやめることにしました。
最後に、「苦情として扱うよう処理しますか?」と聞かれたので、「そうしてください」とお願いしました。
さらに、「訴訟を起こすことも可能ですが、費用など考えるとどうかと思われますが・・・」ともっともらしいアドバイスをくれましたが、3万円のために訴訟を起こすアホはいませんと言って電話を切りました。
誰も文句を言わないのか、本当にATMで入金する人がいなくなったのか。こういう問い合わせは初めてだと何度も言われました。
本当に?と思いましたが、本当なのでしょう。
どちらにせよ、私の3万円は誰かの手に渡っているはずなのに、誰の手に渡っているかわからない状態になってしまいました。
これって何かに似てません?
そうです。振込詐欺です。
でも、私がお金を振り込んだ会社は普通に前から関わって来た会社ですし、別に逃げたわけでもありません。
ただ、入金の事実だけは認めてくれません。
そうなんです。私が一方的に損をしただけなんです。
結論
相手が個人でも会社でも、ATMでお金を入金しないほうが良い。
もしも相手と同じ銀行の口座を持っていなくて、どうしても直接ATMで入金するしかない時は、最後に必ず紙の利用明細書をとって保管しておくこと。
まさか、この年になってこんなトラブルに遭うとは夢にも思っていませんでした。
なにより、とてもショックでした。
たぶん、振込詐欺で被害に遭った人も似たような気持ちなんだろうなと、なんとなく想像ができます。
今回は3万円で大事な勉強をさせてもらったということにして、二度と同じミスを犯さないよう、ATMでの振り込みは控えようと思います。
ネットでやってたら履歴もデータとして残ってたのに、なんでATMでやったんだろう?
今となってはその理由も覚えていません。
コメント